ハッチがいた日常

夫は病死、仕事も辞めて被災猫ハッチと暮らしたけれど、10年で終わってしまった。これからは本当の一人暮らしの日々。

朝日歌壇1月16日

2022年01月17日 19時54分56秒 | 短歌

馬場あき子選

メルケルの十六年に日本の総理は九人入れ替わりたり    観音寺市 篠原俊則

駅ピアノ皆それぞれに自信あり遠慮深げにやや得意げに   川越市 西村健児

 一首目、そういえばそうですね、メルケルさんが頑張った期間、日本はころころ総理が変わる、どうしようもない国なんだと自覚しました。篠原さんはとても風刺がきいた歌を詠みますね。去年一年の朝日歌壇賞を取りました、おめでとうございます。二首目、BSでたまに見るのですが、この駅ピアノ、世界中にあるのです。もちろん、日本にも。日本人はちょっとシャイだから、遠慮深げになってしまうのでしょうか。自信もって演奏を披露してくださいませ。

佐佐木幸綱選

遠き日のこんぴら歌舞伎の興行に勘三郎がゐた吉右衛門がゐた 高松市 桑内繭

お互いの飼い猫ときおり映りいてビデオ電話はにぎやかになる 草加市 水島修

 一首目、去年吉右衛門さんも亡くなりました。年末には往年の勘三郎のドキュメンタリーも見て、私が大好きな野田秀樹と親友だった話も知りました。歌舞伎は常に新しいものに挑戦する、それが伝統になるのだと思います。二首目、リモートではそういうことありますよね。私もリモートの会議で、ハッチが膝にのってくることもありました。彼女はビビリで、絶対に他人にはなつかないけれど、リモートではわからないのでしょうね。

高野公彦選

サッカーのリフティングする少年に夕ぐれの家明かりがつかず 岡山市 奥西健次郎

がんばっぺお国言葉のヘルパーさん吾れきばいやんせと返し介護受く 千葉市 野崎耕二

 一首目、孤独な少年、まだ母親が帰宅していないので外で一人でサッカーしている、そんな光景でしょうか。でも、今の時代は共稼ぎが当たり前です。大丈夫、ネグレクトじゃないから、きっと大きく成長するって。二首目、介護の人たちのお国言葉、なんだかほわっとしますね。そのうち、カタコト日本語も増えるんじゃないかと、ケアワーカーの人手不足が気になります。

永田和宏選

祖母入所母は入院こうやってヒトはヒトリになってゆくのか 高岡市 池田典恵

海底の対馬丸をも揺さぶるやトカラ列島自身は止まず    小金井市 神蔵勇

 一首目、カタカナを使っているところがなんとも、リアリティーがあります。思うのですが、施設に入ったら孤独ではなくなるのでしょうか。かえって「ひとり」になることもあるのでは?それは、自分で作った人間関係ではないから。入院ならいつかは退院できるけれど、施設入所は、やはり孤独なのでは・・・。私はここでがんばっぺ!二首目、トカラ列島だけではなくて、トンガの家庭火山の大噴火でも津波が世界中で起きてしまっています。この地球は、何か大きな変動が起きているのではないでしょうか。人類の繁栄も、もう終わりなんじゃないかと思います、コロナ禍もあるしね。

 

コメント (2)
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