高野公彦選
ぎりぎりのゴールラインで蹴り返す三苫薫の<ブラボー>な足 安中市 鬼形輝雄
ふと時が入れ子細工になっていく教え子の子を教える教室 可児市 前川泰信
一首目、あの1mmの三苫のアシスト、素晴らしかったですよね。VRになったからこそ、認められたものです。時代が変わった瞬間だったのでは?短歌で残すことはとたも大切です。二首目、時間という不思議を感じ、めまいがしそうになりました。とても面白い描写です。
永田和宏選
サンタさんは鍵屋じゃないと入れない姉の疑問にうなずく弟 福岡市 藤掛博子
サンタさんをそういうふうにとらえた子どもの発想、ユニークですね。
馬場あき子選
「人は死ぬ」と病死事故死もあるけれど戦死はあんたのせいだプーチン 茨城県 樫村好則
とんでもないことです。若い人が戦争で死ぬのは本当に耐えられない。ウクライナ戦争、早く終わってほしいです。これだけの被害を平気で与えて、よくもまあ嘘だらけの事ばかり言っているプーチンに、どうして国民が従うのか不思議でなりません。くたばれ、プーチン!
佐佐木幸綱選
廃線と決まり賑わう留萌駅諦めの中汽車が無くなる 留萌市 江畠幸枝
またひとつ高層ビルが立ち上がり街はますます無口になりぬ 川崎市 新井美千代
一首目、北海道の鉄道が廃線になるのは、悲しいです。炭鉱の時代が終わり、社会の変化がそうさせたのでしょうか。地元の人たちは、寂しいでしょう。二首目、タワマンだらけの街には、なんとも人情が薄いような気がします。街は人が語り合っての場所のはずですからね。