TINKERBELL BLOG

茨城県取手市「美容室アトリエティンカーベル」ティンカーベルのスタッフを身近に感じていただければ嬉しいです

雨の屋久島、その4

2014年05月24日 | Weblog

相変わらず雨は降り続いています。
バスに乗り込んだ登山者たちはみんなビショビショ、車内は湿度100%(^^;) 中にはザックにヒルをつけたままの人もいました。
「ザックにヒルがついてますよ、おみやげにするんですか?(笑)」
「あ、そうなんですよ。塩辛にして酒のつまみにするんです(^^)」
みんな屋久島縦走を成功させて気持ちがハイになっています。もちろん僕もその一人です。
バスは終点の宮之浦港まで行きますが、そこまで乗ったのは僕だけです。仲間達は屋久島入りした時に宿泊した宿に、預けた荷物を受け取るため途中で降りました。今日の宿に集合ということです。
宮之浦港で降りたのは、民宿が港まで迎えに来てくれるからです。
宿に電話して迎えを依頼します。
「もしもしお迎えをお願いします」「分かりました。では横断歩道のところでお待ち下さい」
「え?横断歩道が見当たりません。○○が見えますが?」
「そうそうそこに横断歩道があります」
行ってみると横断歩道なんかありません。左右を見渡して一番近くの横断歩道の前で待ちます。
…待てど暮らせど迎えの車は来ません。もう一度電話してみると、迎えに出ているということ。電話の後ろで仲間達が大声で僕をからかっています(^^;)
なんとか自分の位置を知らせて、やっと車に拾ってもらいます。宿のマスターはいろいろ言って弁解していますが、こっちは初めて来てるんですからもっと分かりやすい方法を考えた方がいいと思いましたね。
まず、車に宿の名前が入っていないので、せめて、ダッシュボードに手書きでいいので宿の名前を明記してほしかったです。見つけたら手ぐらい振りますよ。あと、こちらは現在地を知らせているのですから右を向いてとか、何メートルぐらいとか、分かりやすい表現をしましょうね。そして、やはり電話番号ぐらい控えて欲しかったです。(怒っているわけではないのですよ(^^))
そんなことを考えると、これが自分の店だったらどうするかな?なんて思います。勉強させていただきました。
そんなこんなで宿に着きました。
みんなに笑われながら迎えられました。
下山後の食欲といったら物凄く、宿の部屋でバーナーを使い、ラーメンやパスタ、コーヒーとスナック菓子、お酒まで仕入れてきて呑む始末。
夜8時にタクシーを予約し、ウミガメの観察会に行こうということになりました。屋久島の永田浜は北太平洋最大の赤ウミガメ産卵地です。平成17年にラムサール条約湿地(国際的に重要な湿地帯やそこに生息する動植物の保全を促進するための国際条約)に指定されました。
4月下旬から8月上旬に産卵し、7月上旬から9月下旬に孵化した子ガメが海に向かいます。ウミガメは世界的に見てジャイアントパンダと同じぐらい絶滅の危機に瀕しているといわれています。
永田浜では5月1日から8月31日までの19時30分から翌朝5時まで観察会以外での立ち入りは禁止です。
さて、タクシーで島の反対側まで行きます。すでにそれなりの人がビデオを見てウミガメについて学んでいます。やがてスタッフさんの説明が始まりました。この日はすでにウミガメが浜に上がってきているということです。しかし、産卵に入る前に人気に気づくと産卵をやめて海に帰ってしまうらしいです。産卵が始まったら、一連に並んで歩き、他のカメを刺激しないように明かりを一切つけないで歩きます。これがけっこう歩くのが速く、離れると暗いので遭難する可能性があります。(笑)
あー、いたいた。お尻の部分だけライトで照らして、代わる代わる観察します。おおっ…神秘的だ。産卵体制に入ると、途中でやめるわけにはいかないのでカメは産卵を続けます。
説明によると、ウミガメは親ガメになるのに30年ほどかかるらしく、さらに3年ぐらいのサイクルでしか産卵しないそうです。さらに一回の産卵数は100個前後で、浜に帰れる子ガメの数は35~50%、最終的に親ガメになれるのはなんと5000分の1の確率なのだとか。1シーズンで数回産卵するらしいのですが、それを考えても自分の子どもが親になるのは生涯で一匹いるかどうかという数です。
観察会でも雨に降られ、風に吹かれ傘は役にたたず、カッパを持って来なかった僕らは山とは違ってずさんな装備で登場しちゃったのです。
そりゃぁそうだよな~、海岸だってアウトドアですからね。
寒さに震えながらも産卵を見届け、海に帰るウミガメを見届けて観察会は終了となります。それにしても、腹へった~(笑)
タクシーの運転手さんに聞くと、島では遅い時間に営業しているコンビニやレストランなどはないらしいです。
「えー、何かないんですか?このままじゃ寝れない(笑)」
「あーあるある。一カ所だけうどん屋がある。深夜までやってますよ」
そして連れて行かれたのが『スナックみゆき』(笑)。え?ええっ?(^^;) うどん屋ってここ?
食べたらまた呼んで下さいと言ったまま、タクシーは消え去りました。
ぞろぞろと店内に入ると、明かりも薄くて休みなのかな?と。すると中からマダム(といっても普通のおばちゃん)が出てきて、まだ早いんだけどいいよ(^^)と。なるほど、営業はさらに遅くなってからなんですね。
うどんといっても鍋焼きうどんしかなく、5人揃ってそれ。でも一度で4つしか出来ず、僕は一番最後に戴くことにしました。でもね、おばちゃんは感じよくて鍋焼きうどんも美味しくて、値段もスナックなのに800円!満足しました(^^) おばちゃんありがとうございました。
迎えのタクシーを呼んでもらったけど、さっきの運転手さんは出払ってしまって来れないんだとか。他のタクシーも全部だめ。仕方ないから宿まで歩くことに…(笑)
ホントにいろいろある屋久島ですね。
だいぶ歩いて、宿に着きました。山を歩きまくっているせいか、みんな文句は言いません。そして明日はレンタカーを借りて観光です。荷物をパッキングして寝ました。
…朝です。
晴れです。(^^)
最終日に晴れとは皮肉ですが、飛行機の離着陸を心配しなくていいので、僕としてはこれで良かったと思っています。
レンタカーでスタートして島を反時計回りに進みます。一周およそ100kmです。馬のしっぽのような木根が垂れ下がるカジュマル公園、昨日行ったウミガメの永田浜、サルが出てくる西部林道、日本の滝100選大川の滝、千人の手を結んだくらい大きい幅を持つ千尋滝、世界遺産で全国でも2ヶ所しかない海に直接注ぐ滝トローキノ滝を回って屋久島空港前の温泉『まんてん』で入浴し、屋久島の旅を終えました。
山だけでなく観光も出来たこと、どんな場所でも仲間達となら楽しくなってしまうこと…僕の人生で忘れられない3日間になったことはいうまでもありません。
みんな、ありがとう(^_^)
そして、帰りの飛行機はいい感じの夕日に照らされていました。(終わり)
コメント
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