これはもちろん、先だっての10月15日に柔道界からの引退を表明した民主党参院議員谷亮子氏の話である。
いや、もしも谷亮子氏が国会議員になっていなかったとしても、現役の柔道選手としてはもうそろそろ引退の潮時ではあっただろう。
過去のオリンピック柔道選手選考において、国内大会で勝利した若手ではなくベテラン谷選手が出場できるべく優遇措置が取られたことがあるが、あの頃から既に柔道界の不透明さが露呈しており、そんな灰色柔道界において谷選手は近年孤高の存在であることを余儀なくされていたようだ。
それにしても、だ。
谷亮子氏が柔道界に長年君臨し貢献し続けてきた歴史とは凄まじいものがある。 天性の才能に加えて努力また努力を重ね、オリンピックでは2つの連続金メダルと銀メダル2個を取得、それから15歳という若さで世界選手権に初出場し銅メダルを獲得したのを皮切りに7度の優勝を勝ち取る等々、この人が柔道選手として達成し続けた輝ける記録は国民栄誉賞レベルの前人未到の快挙であろう。
そもそも名立たる柔道界のスーパースターを小沢氏は何故に参院選に引っ張り出して、つまらない一国会議員になどに擁立しようとしたのか? それは民主党の票取り目的に他ならないのだが、慣れない世界で“人寄せパンダ”として選挙戦を先頭切って闘わされ、参院議員当選後も民主党の看板代わりに利用され続けている谷亮子氏を見るにつけ、忍びない思いの原左都子である。
国民の間に名前さえ売れていれば何の能力やバックグラウンドがない“アホ”でも当選する国会議員になど好き好んで成り下がらずとて、柔道界のスーパースター谷亮子氏には今後いくらでもその専門力を活かせる活躍の場が保障されていたはずである。
同じくオリンピックマラソンで金メダルを取得している高橋尚子氏は、7月の参院選への立候補依頼を辞退したとの報道を見聞している。
高橋尚子氏に関しては、金メダルを取得して以降の現役選手時代にオリンピック出場にこだわるあまりに自滅への道を辿り、本来の彼女らしさを見失ってしまい失望させられる云々の趣旨のバックナンバーを原左都子は綴っている。(よろしければ2008年3月記「高橋尚子と荒川静香」をご覧下さい。)
その後もしばらく現役選手にこだわるが故に煮え切らない様子を国民に露呈しつつも、結局は現役をきっぱりと引退するに至った高橋尚子氏であるようだ。 現在はマラソンの解説者や国民へのマラソン普及イベント等の指導者として充実している様子を報道で垣間見ては、専門のマラソン分野で水を得た魚のごとく活き活きと活躍する高橋氏の様子に安堵する原左都子である。
高橋尚子氏よりも長年に渡り数段輝ける記録を柔道において残していると判断できる谷亮子氏が、何故に(どう考えても自身の専門とは程遠い)参院選出馬依頼になど応じてしまったのか、その柔道専門力がもったいなくてならない私なのだ。
その背景には、上記のごとく柔道界において孤高の存在と化してしまった自身の立場に悩んでいた現状があるようだ。 全日本柔道連盟は、出産や現在の議員としての公務のために大会に出場しない谷氏を切り捨てる対応をした。 この措置は当然の判断であろうと国民感情としても柔道連盟に同意するのだが、そんな柔道連盟の自分への対応に対し疎外感を募らせた谷氏が、悲しいかな小沢氏の政界への誘いに安易に応じてしまったのだとの報道もある…。
今回の谷氏の柔道界引退に関して、政権内外の女性議員からの種々のコメント報道がある。
例えば民主党議員女性は、「子育てをしながらの議員活動は大変なのに、柔道も加えて3つの役割を成し遂げようとした谷さんの気持ちは本物だった」と当然ながら肯定的立場に立っているのだが、 (気持ちだけ本物でも、いつまでも人寄せパンダ的立場の仕事しかなく国会議員としての実力が伴わなけりゃ議員としての価値はないでしょ。)
自民党の片山さつき氏は、「柔道を続けると言ったから選挙期間中にメディアが大きく取り上げた。選挙対策としか思えない。本人は現役を続けられると信じていたのかもしれないが、だとすれば立候補を誘った小沢さんが悪い」と言うのだが、 (メディアがどう取り上げようが国民は元々谷氏擁立が選挙対策であることは重々分かっていた。小沢氏が悪い事もとっくに承知している。 それよりも、谷氏が今後国会議員であり続けたいのならば、選挙対策ではない歳費特権に見合う実質的働きをしてもらうことの方が先決問題だ。)
人間が職業人としてこの世を生きていくためには、自身の「専門力」で勝負することが一番生き延び易いのではないかと原左都子は心得る。 それだからこそ、谷亮子氏が35年間の年月をかけて培ってきた世界でも類稀な“柔道”という分野のスーパースター的実績を、何故に今捨て去るのかと残念でならないのだ。
いや、捨て去るのではなく国会議員の立場でそれを再度開花させたいと谷氏は反論されるかもしれない。
だが、(小沢ガールズを含めて他のちょこっとだけ名が知れてる程度の国会議員など、どうせ一期で議員生命が終わりだろうから二の次でよいとしても) 柔道界で世界の頂点に上り詰めた谷氏にだけは国会議員の使命を甘く考えないで欲しい思いである。
今のあなたは「今後の日本のスポーツ全体の振興や環境を整えることも大きなテーマであり、そこで力を発揮したいという気持ちが大きくなった」ことを柔道引退理由として表明しているようだが、その言葉には一国民としてはどうしても自身に対し冷酷になった柔道界からの逃避心の陰が否めないのだ。
国民の皆さん、ここでちょっと考えて欲しい。 たとえ小沢氏と言えども大リーグで活躍中のイチロー選手を参院議員に立候補させ“人寄せパンダ”を演じさせる恥をかかせたであろうか?? これが“ヤワラちゃん”なら許されるという発想とは如何なものだろう???
老婆心ながらも原左都子個人的には、表題通り国会議員こそ早めに引退して今後も柔道世界にエネルギーを注ぐ人生の方が、谷亮子氏ご本人にとって本意であられ、尚一層輝き続けられるように思えてならないのだが…
いや、もしも谷亮子氏が国会議員になっていなかったとしても、現役の柔道選手としてはもうそろそろ引退の潮時ではあっただろう。
過去のオリンピック柔道選手選考において、国内大会で勝利した若手ではなくベテラン谷選手が出場できるべく優遇措置が取られたことがあるが、あの頃から既に柔道界の不透明さが露呈しており、そんな灰色柔道界において谷選手は近年孤高の存在であることを余儀なくされていたようだ。
それにしても、だ。
谷亮子氏が柔道界に長年君臨し貢献し続けてきた歴史とは凄まじいものがある。 天性の才能に加えて努力また努力を重ね、オリンピックでは2つの連続金メダルと銀メダル2個を取得、それから15歳という若さで世界選手権に初出場し銅メダルを獲得したのを皮切りに7度の優勝を勝ち取る等々、この人が柔道選手として達成し続けた輝ける記録は国民栄誉賞レベルの前人未到の快挙であろう。
そもそも名立たる柔道界のスーパースターを小沢氏は何故に参院選に引っ張り出して、つまらない一国会議員になどに擁立しようとしたのか? それは民主党の票取り目的に他ならないのだが、慣れない世界で“人寄せパンダ”として選挙戦を先頭切って闘わされ、参院議員当選後も民主党の看板代わりに利用され続けている谷亮子氏を見るにつけ、忍びない思いの原左都子である。
国民の間に名前さえ売れていれば何の能力やバックグラウンドがない“アホ”でも当選する国会議員になど好き好んで成り下がらずとて、柔道界のスーパースター谷亮子氏には今後いくらでもその専門力を活かせる活躍の場が保障されていたはずである。
同じくオリンピックマラソンで金メダルを取得している高橋尚子氏は、7月の参院選への立候補依頼を辞退したとの報道を見聞している。
高橋尚子氏に関しては、金メダルを取得して以降の現役選手時代にオリンピック出場にこだわるあまりに自滅への道を辿り、本来の彼女らしさを見失ってしまい失望させられる云々の趣旨のバックナンバーを原左都子は綴っている。(よろしければ2008年3月記「高橋尚子と荒川静香」をご覧下さい。)
その後もしばらく現役選手にこだわるが故に煮え切らない様子を国民に露呈しつつも、結局は現役をきっぱりと引退するに至った高橋尚子氏であるようだ。 現在はマラソンの解説者や国民へのマラソン普及イベント等の指導者として充実している様子を報道で垣間見ては、専門のマラソン分野で水を得た魚のごとく活き活きと活躍する高橋氏の様子に安堵する原左都子である。
高橋尚子氏よりも長年に渡り数段輝ける記録を柔道において残していると判断できる谷亮子氏が、何故に(どう考えても自身の専門とは程遠い)参院選出馬依頼になど応じてしまったのか、その柔道専門力がもったいなくてならない私なのだ。
その背景には、上記のごとく柔道界において孤高の存在と化してしまった自身の立場に悩んでいた現状があるようだ。 全日本柔道連盟は、出産や現在の議員としての公務のために大会に出場しない谷氏を切り捨てる対応をした。 この措置は当然の判断であろうと国民感情としても柔道連盟に同意するのだが、そんな柔道連盟の自分への対応に対し疎外感を募らせた谷氏が、悲しいかな小沢氏の政界への誘いに安易に応じてしまったのだとの報道もある…。
今回の谷氏の柔道界引退に関して、政権内外の女性議員からの種々のコメント報道がある。
例えば民主党議員女性は、「子育てをしながらの議員活動は大変なのに、柔道も加えて3つの役割を成し遂げようとした谷さんの気持ちは本物だった」と当然ながら肯定的立場に立っているのだが、 (気持ちだけ本物でも、いつまでも人寄せパンダ的立場の仕事しかなく国会議員としての実力が伴わなけりゃ議員としての価値はないでしょ。)
自民党の片山さつき氏は、「柔道を続けると言ったから選挙期間中にメディアが大きく取り上げた。選挙対策としか思えない。本人は現役を続けられると信じていたのかもしれないが、だとすれば立候補を誘った小沢さんが悪い」と言うのだが、 (メディアがどう取り上げようが国民は元々谷氏擁立が選挙対策であることは重々分かっていた。小沢氏が悪い事もとっくに承知している。 それよりも、谷氏が今後国会議員であり続けたいのならば、選挙対策ではない歳費特権に見合う実質的働きをしてもらうことの方が先決問題だ。)
人間が職業人としてこの世を生きていくためには、自身の「専門力」で勝負することが一番生き延び易いのではないかと原左都子は心得る。 それだからこそ、谷亮子氏が35年間の年月をかけて培ってきた世界でも類稀な“柔道”という分野のスーパースター的実績を、何故に今捨て去るのかと残念でならないのだ。
いや、捨て去るのではなく国会議員の立場でそれを再度開花させたいと谷氏は反論されるかもしれない。
だが、(小沢ガールズを含めて他のちょこっとだけ名が知れてる程度の国会議員など、どうせ一期で議員生命が終わりだろうから二の次でよいとしても) 柔道界で世界の頂点に上り詰めた谷氏にだけは国会議員の使命を甘く考えないで欲しい思いである。
今のあなたは「今後の日本のスポーツ全体の振興や環境を整えることも大きなテーマであり、そこで力を発揮したいという気持ちが大きくなった」ことを柔道引退理由として表明しているようだが、その言葉には一国民としてはどうしても自身に対し冷酷になった柔道界からの逃避心の陰が否めないのだ。
国民の皆さん、ここでちょっと考えて欲しい。 たとえ小沢氏と言えども大リーグで活躍中のイチロー選手を参院議員に立候補させ“人寄せパンダ”を演じさせる恥をかかせたであろうか?? これが“ヤワラちゃん”なら許されるという発想とは如何なものだろう???
老婆心ながらも原左都子個人的には、表題通り国会議員こそ早めに引退して今後も柔道世界にエネルギーを注ぐ人生の方が、谷亮子氏ご本人にとって本意であられ、尚一層輝き続けられるように思えてならないのだが…