原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「公証役場」 とは如何なる役場か?

2013年07月11日 | 左都子の市民講座
 昨日、私は生まれて初めて 「公証役場」 なる場所に出向いた。

 都心の電車の車窓から見渡せるビル内に、「公証役場」との看板を掲げる事務所が存在する事は昔から心得ていたものの、一体何をする“役場”なのかに関しては「経営法学修士」を取得している原左都子にして、恥ずかしながら最近まで知らずに過ごして来た。
 加えて、そもそも「役場」との名称を使用している割には中小規模の事務所らしき外観が、何を目的とした場なのかとの不可思議さを漂わせていた印象がある。


 ここでウィキペディア情報により、「公証役場」の定義を紹介しよう。

 公証役場(こうしょうやくば。公証人役場ともいう)とは、公正証書の作成、私文書の認証、確定日付の付与等を行う官公庁である。 各法務局が所管し、公証人が執務する。官公庁ではあるが、公証人独立採算制がとられている点が一般の官公庁と異なる特徴である。 公証役場は全国に約300カ所存在する。
 
 原左都子の私論(と言うより「感想」)だが、 へえ~~。 そうだったんだ。
 今更ながらではあるが、公証役場が「役場」と名乗るべく必然的根拠をウィキペディア情報により理解できた。 官公庁法務局が所管している事務所であるが故に「役場」には間違いない。
 ただし、“公証人独立採算制”がとられているとの文言が興味深くもある。


 そこで次なるテーマとして「公正証書」及び「公証人」とは何ぞや? に関して調べてみた。

 まずは「公正証書」に関する総論的解説をウィキペディアより参照しよう。
 「公正証書」とは公務所又は公務員がその職務上作成した文書の事であり、そのうち公務員がその権限に基づき作成した証書が広義の公正証書である。
 狭義の公正証書とは、広義の公正証書のうち、公証人法等に基づき公証人が私法上の契約や遺言などの権利義務に関する事実について作成した証書をいう。
 一般に「公正証書」という場合、狭義の公正証書を指す。

 次に「公証人」に関して同じくウィキペディアより引用する。

 公証人(こうしょうにん)とは、ある事実の存在、もしくは契約等の法律行為の適法性等について、公権力を根拠に証明・認証する者のことである。
 日本においては公証人法に基づき、法務大臣が任命する公務員であり、全国各地の公証役場で公正証書の作成や定款や私署証書(私文書)の認証、事実実験、確定日付の付与などを行う。 2000年9月1日現在、日本全国で公証人は543名存在する。
 公証人の起源についてはローマ法に由来するとされ、中世の神聖ローマ帝国(ドイツ・イタリア)が始まりと言われている。 当初は商業上の契約や帳簿など広範の私的文書作成を担当してきたが、14世紀以後商人達の識字率向上や複式簿記の発達などに伴って専ら法的文書の作成に従事するようになる。
 現在多くの国では、公証人は法曹あるいはそれに準ずる資格の保持者であることが多い。 一方アメリカではわずかな講習で容易にその資格が取得でき、学校や郵便局などあらゆる場所に総計400万人もの公証人がいて、その権限もおおむね署名の認証に限られているなど、国々によってその権限はかなり異なる。
 日本の公証人沿革に関しては、1886年にフランスの制度を参考にして「公証人規則」が制定され、その後1908年にはドイツ式に改められた「公証人法」が制定された。
 公証人は法務大臣が任命する実質的意義の公務員であり、公証役場で執務している。国家公務員法における公務員には当たらないが、実質的意義においては公務員に当たると解されている。 現在の職務に関しては守秘義務を負い(公証人法4条)、法務省の監督に服する(公証人法74条)。また公証人には職務専従義務があり兼職は禁止されているため、弁護士や司法書士などの登録は抹消しなければならない。
 公証人法の原則では、公証人は公証人試験に合格した後に法務大臣が任命することとなる。(公証人法12条)。 しかし公証人法に定める試験は実施されたことがないのに加えて、公証人法には他の資格試験のように「1年に何回以上試験を行わなければならない」という規定がない。 そのため、公証人とは司法試験合格後司法修習生を経て、30年以上の実務経験を有する裁判官(簡易裁判所判事は除く)、検察官(副検事は除く)、弁護士、および法務局長経験者から任命されるのが実態である。 
 公証人は70歳まで勤務することができるため裁判官、検察官、および法務省を退職した後に就くことが多い他、特例として 学識経験者からの任命(特任公証人、公証人法13条の2)、多年法務に携わりこれに準ずる学識経験者で「公証人審査会の選考」を経た者も任命できる。 これらの者の場合は試験と実地修習は免除されるが、公募に定員の倍数を超える応募があった場合は短答式試験・口述式試験を実施して選考する。
 報酬に関しては、公証人はあくまで公務員だが、指定された地域に自分で公証役場(公証人役場)を開き、書記らを雇って職務を遂行する。 国家から俸給を得るのではなく、依頼人から受け取る手数料が収入源の独立採算制であるため、当然扱い件数の多い東京や大阪などの大都市では、年収3,000万円を超える公証人も多数存在する。
 (以上、ウィキペディア情報より「公正証書」「公証人」を要約引用。)

 なるほど、重々納得である。


 ここで原左都子の私事に入るが、冒頭に記した通り私は昨日殺人的猛暑が続く最悪の気候条件の下、都内の“とある”場所に位置する「公証役場」へ向かった。

 何分、義理姉が6月末に不覚の死を遂げてしまった。 
 それに伴い、今後の相続人の一員となるべく身内の立場としては、義母が以前公証役場にて作成した「遺言状」の書き直し作業を再び「公証役場」に依存せねばならない。

 我々が出向いた「公証役場」は都内“とある”場所の駅近くのビル内に位置していた。 そして我々一族担当の「公証人」氏は十分な専門力を培っておられる事は元より、終始親切な対応力で臨んで下さった事が印象的である。
 しかも「遺言状」作成とは「公証役場」にて実行した場合、私の想像以上に“安価”しかも“確実”であることも昨日実体験できた思いだ。

 「遺言状」作成に当たり、下手に一族でもめた挙句に、例えばの話が大阪の“角田美代子家連続殺人事件”等の悲惨な殺戮を身内で繰り返したくないのが人情であろう。
 ここは現行法律に遵守している点で信頼できる「公証役場」に、遺言書作成を依存しておいた方が一族の得策かとも言えそうだ。