つい先ほど、一昨年5月に北京で開催された当時の野田総理大臣と温家宝首相との会談以来、およそ2年半ぶりという日中首脳会談が終わったようだ。
11月10日夜開幕するAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に出席するため、中国の北京を訪れている安倍総理大臣は、日本時間の午後1時前から人民大会堂で、中国の習近平国家主席との初めての日中首脳会談に臨んだ。 安倍総理は会談の後に記者団に対し、首脳会談が日中両国が戦略的互恵関係に立ち戻り関係を改善させていく第一歩となったと強調した上で、偶発的な衝突を避けるための海上連絡メカニズムの実施に向けた作業に入ることを明らかにした。
(以上、ネット速報より一部を要約引用。)
時を遡るが、11月8日中国上海で行われたフィギュアスケートグランプリシリーズ第3戦男子フリーのライブ映像をテレビにて観戦していた私は、仰天させられた。
翌日11月9日に原左都子自身が出場する「ロードレース」に焦点を合わせ、その夜は早めに就寝しようとのスケジュールを立てていた矢先、衝撃映像が画面で展開されたのである。
テレビで放送された番組にて、まず女子フリーの“録画映像”が放映された。 その後私の印象では、いつの間にライブ映像に切り替わったかを認識出来ないまま、男子フリー場面に移り変わっていた。
そして男子フリー最終組直前6分間練習が開始した直後の事だ!
なんと、日本代表五輪金メダリスト羽生結弦選手と中国代表のエンカン選手が、リンク内で激突するではないか! その時未だライブ映像と認識していなかった私は、これはてっきり日本のテレビ局が“お遊び心”で来る日中首脳会談を模倣した“前対決映像”を映像操作により捏造して面白おかしく庶民に提供したものと考えた。(テレビ局には申し訳なく思うが、本心でそう捉えざるを得なかった。それ程までに日中の政治関係は安倍政権に移って以降冷え込んでいるのが実情だ。)
そうしたところ、やはり日中双方で私と同様の感覚を抱いた観客やテレビ視聴者は少なくなかった様子だ。
その一例を、ネット情報より引用し紹介しよう。
フリー男子直前練習で羽生結弦と衝突した中国の閻涵(イエン・ハン)が、中国版ツイッターでコメントを発表し、一部でささやかれた「(中国側)陰謀論」に反撃したと報じた。
リンク上で激しく衝突し、なかなか起き上がれない二人。あごを負傷した閻涵は一度は控室に引き上げたが強行出場を果たした。だが演技ではジャンプで転倒するなどミスが目立ち、最終順位は6位に終わった。
片や、頭にテーピング、あごに絆創膏(ばんそうこう)を貼って再びリンクに戻った羽生も、5回も転倒しながら2位に食い込む演技を披露。 二人のプロ精神は人々を感動させた。
閻涵は演技後、自身の中国版ツイッターでコメントを発表。「あごの出血は止まった。レントゲンも撮った。胸の筋肉とあごに少し問題はあるけど、意識はしっかりしているので安心してほしい。さきほどのアクシデント(羽生との衝突)は、僕たちは背中を向け合い、スピードが出ていたので見えずに避けきれなかった」とした上で、一部でささやかれた「陰謀論」について、「外野の一部がばかげたコメントをしているがやめてほしい。僕も羽生選手もこんなアクシデントが起きることを望んでなんかいない」と反論。「今後も試合は続くのでけがを治して出場したい。心配してくれてありがとう」とファンに感謝の気持ちを伝えることも忘れなかった。
(以上は、中国エンカン選手が発表したネット情報より要約引用したもの。)
日本代表 五輪金メダリスト羽生結弦選手よりのこの事故に対する公式コメントは未だ発表されていないものの、おそらく中国代表エンカン選手と同じ思いでいる事であろう。
ただ一点、この「事故」に関し原左都子が大いに気になる事がある。
それは、両者の“激突事故”後ずっとテレビ映像が羽生結弦選手を追いかけ、それを日本のテレビ局がライブ映像を放映し続けた事実だ。
これこそとんでもない! この番組は「フィギュアフリー大会」こそを放映するのが使命だったはずだ。 それならば、男子最終組に残った後の4選手をテレビ映像は捉え続けるべきだった。 にもかかわらず、ライブ映像は羽生選手の負傷した姿を追っかけるばかり…
それに対し、中国エンカン選手側の対応は早かった。 すぐさま「棄権」を表明し、表舞台から一時姿を消した。
その間羽生選手は本番出場を宣言しつつ、負傷した苦悩の程をテレビ映像を通して“みっともなくも”表出し続けた…。
確かに羽生選手とて未だ20年程の人生経験しか積んでいない事を勘案すれば、テレビ視聴者は彼を擁護する立場に回るべきかもしれない。
ただ一旦五輪金メダリストとして世界に名を馳せた人間が取るべき行動とは、そうではなかったのではないかと私は考えるのだ。 本人自身がその判断対応が無理ならば、周囲のスタッフこそがそれを彼に指導するべきだった。
「多くのファンが見ているテレビライブ映像で負傷し苦しむ姿を訴え続けるより、五輪金メダリストとしては素晴らしいまでに栄光に輝く“演技そのもの”だけを披露するべきだ!」と。 そうした場合、今回は“棄権”との選択肢も十分にあり得たはずだ。 勇気あるその選択こそが、今後の羽生選手の更なる活躍に繋がったのではないかと思えて、私は残念でならない…
にもかかわらず羽生選手はフリー演技で辛うじて2位死守後も、テレビ映像にていつまでも鬱陶しく体調不良を訴えるべくカメラを意識しつつ、自分こそが犠牲者と言わんばかりに苦しんでいる“演技”を繰り返してしまった…。
既にトップアスリートの地位を築いている人物に要求されるのは、その地位にあるが故の「宿命」及び「責任」の自覚ではなかろうか?
例えば羽生選手と同じくフィギュアスケート界にて、長年世界のトップクラスで君臨した高橋大輔など既に引退を表明している。 浅田真央選手とてほぼ同様だ。 その決断とは、トップアスリートとしての「宿命」「責任」自覚故の行動と私は受け取っている。
余談に過ぎないが、私が昨日出場した市民ロードレースとて同然だ。
昨日は運悪く悪天候の下での開催故に、予期せぬスタート地点直前変更等で会場内が大混乱していた。
5kmレースに出場した我がスタート地点が一体何処なのか直前まで分からない中、既にスタートしている“ハーフマラソン”選手がその真横をトップスピードで潜り抜ける…
その際係員氏が「箱根駅伝に出場した選手達もいますから5㎞出場者は道を譲って下さい!!」と叫ぶのだが、そんな事お構いなしに、傍の雑木林に遠回りしてでもトップスピードを絶やさなかった箱根駅伝アスリート達の頑張りを見れた事こそが、私にとって収穫だった。
もしもこのシチュエーション下で箱根代表選手が「5㎞の素人ランナーども、どけ!」とでも叫んだならば、「お前ら、何様だ!!」と叫び返したかったものだが、決してそんな醜態を晒すことはなく、彼らの方が遠回りして衝突事故が発生することなく事無きを得た事に安堵した。
まさに、試合中(及びその前後)とはプロ・アマを問わず予期せぬ事態が発生するものだ。
特にトップアスリートの皆さんに要望したいのは、その地位を特権意識とするのではなく、周囲選手や観客に配慮して紳士的に行動出来るマナー意識ではなかろうか。
11月10日夜開幕するAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議に出席するため、中国の北京を訪れている安倍総理大臣は、日本時間の午後1時前から人民大会堂で、中国の習近平国家主席との初めての日中首脳会談に臨んだ。 安倍総理は会談の後に記者団に対し、首脳会談が日中両国が戦略的互恵関係に立ち戻り関係を改善させていく第一歩となったと強調した上で、偶発的な衝突を避けるための海上連絡メカニズムの実施に向けた作業に入ることを明らかにした。
(以上、ネット速報より一部を要約引用。)
時を遡るが、11月8日中国上海で行われたフィギュアスケートグランプリシリーズ第3戦男子フリーのライブ映像をテレビにて観戦していた私は、仰天させられた。
翌日11月9日に原左都子自身が出場する「ロードレース」に焦点を合わせ、その夜は早めに就寝しようとのスケジュールを立てていた矢先、衝撃映像が画面で展開されたのである。
テレビで放送された番組にて、まず女子フリーの“録画映像”が放映された。 その後私の印象では、いつの間にライブ映像に切り替わったかを認識出来ないまま、男子フリー場面に移り変わっていた。
そして男子フリー最終組直前6分間練習が開始した直後の事だ!
なんと、日本代表五輪金メダリスト羽生結弦選手と中国代表のエンカン選手が、リンク内で激突するではないか! その時未だライブ映像と認識していなかった私は、これはてっきり日本のテレビ局が“お遊び心”で来る日中首脳会談を模倣した“前対決映像”を映像操作により捏造して面白おかしく庶民に提供したものと考えた。(テレビ局には申し訳なく思うが、本心でそう捉えざるを得なかった。それ程までに日中の政治関係は安倍政権に移って以降冷え込んでいるのが実情だ。)
そうしたところ、やはり日中双方で私と同様の感覚を抱いた観客やテレビ視聴者は少なくなかった様子だ。
その一例を、ネット情報より引用し紹介しよう。
フリー男子直前練習で羽生結弦と衝突した中国の閻涵(イエン・ハン)が、中国版ツイッターでコメントを発表し、一部でささやかれた「(中国側)陰謀論」に反撃したと報じた。
リンク上で激しく衝突し、なかなか起き上がれない二人。あごを負傷した閻涵は一度は控室に引き上げたが強行出場を果たした。だが演技ではジャンプで転倒するなどミスが目立ち、最終順位は6位に終わった。
片や、頭にテーピング、あごに絆創膏(ばんそうこう)を貼って再びリンクに戻った羽生も、5回も転倒しながら2位に食い込む演技を披露。 二人のプロ精神は人々を感動させた。
閻涵は演技後、自身の中国版ツイッターでコメントを発表。「あごの出血は止まった。レントゲンも撮った。胸の筋肉とあごに少し問題はあるけど、意識はしっかりしているので安心してほしい。さきほどのアクシデント(羽生との衝突)は、僕たちは背中を向け合い、スピードが出ていたので見えずに避けきれなかった」とした上で、一部でささやかれた「陰謀論」について、「外野の一部がばかげたコメントをしているがやめてほしい。僕も羽生選手もこんなアクシデントが起きることを望んでなんかいない」と反論。「今後も試合は続くのでけがを治して出場したい。心配してくれてありがとう」とファンに感謝の気持ちを伝えることも忘れなかった。
(以上は、中国エンカン選手が発表したネット情報より要約引用したもの。)
日本代表 五輪金メダリスト羽生結弦選手よりのこの事故に対する公式コメントは未だ発表されていないものの、おそらく中国代表エンカン選手と同じ思いでいる事であろう。
ただ一点、この「事故」に関し原左都子が大いに気になる事がある。
それは、両者の“激突事故”後ずっとテレビ映像が羽生結弦選手を追いかけ、それを日本のテレビ局がライブ映像を放映し続けた事実だ。
これこそとんでもない! この番組は「フィギュアフリー大会」こそを放映するのが使命だったはずだ。 それならば、男子最終組に残った後の4選手をテレビ映像は捉え続けるべきだった。 にもかかわらず、ライブ映像は羽生選手の負傷した姿を追っかけるばかり…
それに対し、中国エンカン選手側の対応は早かった。 すぐさま「棄権」を表明し、表舞台から一時姿を消した。
その間羽生選手は本番出場を宣言しつつ、負傷した苦悩の程をテレビ映像を通して“みっともなくも”表出し続けた…。
確かに羽生選手とて未だ20年程の人生経験しか積んでいない事を勘案すれば、テレビ視聴者は彼を擁護する立場に回るべきかもしれない。
ただ一旦五輪金メダリストとして世界に名を馳せた人間が取るべき行動とは、そうではなかったのではないかと私は考えるのだ。 本人自身がその判断対応が無理ならば、周囲のスタッフこそがそれを彼に指導するべきだった。
「多くのファンが見ているテレビライブ映像で負傷し苦しむ姿を訴え続けるより、五輪金メダリストとしては素晴らしいまでに栄光に輝く“演技そのもの”だけを披露するべきだ!」と。 そうした場合、今回は“棄権”との選択肢も十分にあり得たはずだ。 勇気あるその選択こそが、今後の羽生選手の更なる活躍に繋がったのではないかと思えて、私は残念でならない…
にもかかわらず羽生選手はフリー演技で辛うじて2位死守後も、テレビ映像にていつまでも鬱陶しく体調不良を訴えるべくカメラを意識しつつ、自分こそが犠牲者と言わんばかりに苦しんでいる“演技”を繰り返してしまった…。
既にトップアスリートの地位を築いている人物に要求されるのは、その地位にあるが故の「宿命」及び「責任」の自覚ではなかろうか?
例えば羽生選手と同じくフィギュアスケート界にて、長年世界のトップクラスで君臨した高橋大輔など既に引退を表明している。 浅田真央選手とてほぼ同様だ。 その決断とは、トップアスリートとしての「宿命」「責任」自覚故の行動と私は受け取っている。
余談に過ぎないが、私が昨日出場した市民ロードレースとて同然だ。
昨日は運悪く悪天候の下での開催故に、予期せぬスタート地点直前変更等で会場内が大混乱していた。
5kmレースに出場した我がスタート地点が一体何処なのか直前まで分からない中、既にスタートしている“ハーフマラソン”選手がその真横をトップスピードで潜り抜ける…
その際係員氏が「箱根駅伝に出場した選手達もいますから5㎞出場者は道を譲って下さい!!」と叫ぶのだが、そんな事お構いなしに、傍の雑木林に遠回りしてでもトップスピードを絶やさなかった箱根駅伝アスリート達の頑張りを見れた事こそが、私にとって収穫だった。
もしもこのシチュエーション下で箱根代表選手が「5㎞の素人ランナーども、どけ!」とでも叫んだならば、「お前ら、何様だ!!」と叫び返したかったものだが、決してそんな醜態を晒すことはなく、彼らの方が遠回りして衝突事故が発生することなく事無きを得た事に安堵した。
まさに、試合中(及びその前後)とはプロ・アマを問わず予期せぬ事態が発生するものだ。
特にトップアスリートの皆さんに要望したいのは、その地位を特権意識とするのではなく、周囲選手や観客に配慮して紳士的に行動出来るマナー意識ではなかろうか。