原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

身内年寄りの我がままを如何に処理すればよいのか?

2017年02月15日 | 人間関係
 (写真は、今から約30年程前に実姉の“1度目”の結婚式に参列した際に撮影したもの。 花嫁である姉と母そして私の3人のショット写真だが、そのうち私の部分のみ再撮影したもの。 )


 今回この写真をピックアップしたのには理由がある。
 来る3月初旬に郷里の実母が入居中の高齢者有料介護施設へ、昨年10月の施設引越作業以来初めて訪れる予定となっている。
 その際にこの写真を含め母が写っている数枚の過去の写真を持参しようと、古いアルバムから引っ張り出してプリントアウトしたのだ。

 と言うのも母は施設入居に際し、一人暮らしをしていた郷里の自宅を即刻売却した。
 その際、自分が保存していた写真アルバム類のほとんどを廃棄処分したのだ。 その理由とは、それらを施設へ持ち込んだところで、近い将来自分の死後残された遺族(私の事だが)の後片付けの負担を増やすだけだ。 それを最小限に留めたいと母自身が配慮したためだ。
 そんな母なりの気遣いは、実際問題後片付けを担当せねばならない身としては有り難い。 「よくぞ、思い切ったね!」などと母を褒めつつ… 
 それでも、特に母の思い出深い写真類を今回の施設訪問時に持参せんと志したのだ。 そして、母が喜びそうな写真を改めて再撮影しプリントアウトしたとのいきさつだ。


 そんな我が実母だが、施設入居の日々が長くなるにつれ必然的に私への愚痴電話が多くなる。
 元々想像済みだが、入居当初はあんなに素直に喜んでいたのに、やはり何事も“慣れ”が引き起こす歪みとは誰とて何処でも必然的に発生する現象であるものと実感させられる。

 1ヶ月程前の事だったか、母が電話で私に告げるには「入居者仲間が3度の食事時に自分の自慢話をするのが鬱陶しい」……
 大いに起り得る事態だ。 
 それに対する我がアドバイス、「そんなの “あら、そうなの” とでも交わしてテキトーにあしらえば済むでしょ。 決して負けん気を出して自分の自慢などしない方が身のためだよ。 それをする程に自らの馬鹿さ加減を露呈する結果となるから。 そもそも嫌な奴とは距離を置いて、自分が好む相手と付き合ったらどうなの?」
 母曰く、「施設内は貴女が考えている程甘くない。 嫌な奴とも付き合わねば高齢者連中が集まっている施設では渡って行けない」
 「少しは気持ちは分かるから、そうすれば」などとテキトーに応えつつ、我が母も主体性無き人生を歩んで来たのだと実感させられる。
 それが嫌なら最初から施設になど入居せずして、独り身で生き抜くポリシーを育成しとけばいいのに…  昭和ヒトケタ生まれとは、戦争体験を繰り返す人生を歩むうちに自ずと集団主義に流れざるを得なかったのだろうか……
 ただその時の電話で、実母が良い意味でも悪い意味でも施設の一員として過ごしていこうと頑張っている姿を垣間見れた気もした。


 少し時が流れ、つい最近実母から別件で電話が掛かって来た。

 母曰く、「3月に貴女が来るらしいが、その時に親戚筋に貴女からお礼の菓子折を持参して欲しい。 と言うのも、私の兄弟夫婦がこの施設まで数回訪ねて来てくれている。 そのお礼を貴方にして欲しい。」

 う~~~ん、ちょっと待って! といつも言いたい私だ。
 自分の親戚筋に日頃お世話になっているのは実母である貴方自身でしょ?  その場合、遠くに住む娘の私からではなく、自分自身の名でお礼をするべきだと私は考える。 それならば、菓子折を貴方宛に送付するから、貴方自身が今後施設へ訪ねてくれる親戚筋に自分から(私の経済負担で送った)菓子折を手渡せば済むでしょう、と私が主張すると。
 
 それがとことん気に入らない実母だ。
 どうしても、貴女(私)の名前で親戚筋に母が日頃お世話になっていますと頭を下げ、挨拶をして欲しいと言って譲らない。
 実際問題、その実母の我がまま意向に沿って、私は40年来付き合いが全く無い郷里の親戚筋に毎年の年賀状はもちろんの事、電話にても母がお世話になっている旨を義務感で年に2度程かけている。 (いやもちろん、私が低姿勢で電話をすると郷里の親戚の皆さんは演技でも喜んでくれるのだが……)


 この現象、皆様はどう思われますでしょうか??

 私としては既に郷里を離れ、40年の年月に及び都会で自立し我が暮らしを営んでいる身だ。
 たとえ近い将来実母が他界しようが、私は今後も自分の骨を大都会東京に埋める予定でいる。
 故に、郷里の親戚筋とは母他界後には完全に縁が切れると考えている身にして、実母の意向に沿って、他人に等しい郷里の親戚筋に菓子折を送り、年に2度程ヘーコラと電話を掛け続けねばならないのだろうか!?

 良きアドバイスをお願いしたい気にもなる。