原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

恋愛関係の維持に経済観念の合意は重要課題だ

2017年11月28日 | 恋愛・男女関係
 冒頭から、朝日新聞2017.11.18 “悩みのるつぼ”より 「都合の良い女かしら?」と題する40代女性よりの相談内容を要約して以下に紹介しよう。

 40代後半の女性だが。 4歳下の彼と趣味のゴルフがきっかけでお付き合いをして4年になる。 バツイチ同士、私は子育ても終了し、彼も子どもとは年に数回会う程度だ。
 お互い再婚する気はなく、仕事も順調。 それぞれ愛犬とぜいたくな一人暮らしを楽しんでいる。 
 趣味、セックス等々満足な付き合いだが、ただ彼はお金にケチなのか、私の家で食べる食費、酒代、タクシー代は1円も出してくれない。 ゴルフに行くにも私の車で行き、ガソリン代も高速代も出そうかと言ってもくれない。 月一度くらい外食をする時は彼が出してくれるが、誕生日プレゼントをもらったことがない。 友達からは「それじゃあ都合の良い女だよ」と言われている。
 私は彼を尊敬する一方で、上から目線のモラハラ的な態度に疲れ、何度も自分から別れようとした。 しかし、彼の説得とセックスの良さに負け、復縁してしまう。 彼は私を都合の良い女と思っているのか。 フェアなお付き合いをするにはどうしたらよいのか?
 (以上、朝日新聞“悩みのるつぼ”相談内容を要約して紹介したもの。)


 一旦、原左都子の意見を書かせてもらおう。

 これ、別れるべきだと私は思うのだが。
 相談者の友人達が言う通り、彼氏は「都合のよい女」として貴女を利用しているだけだよ。

 それ以前の問題として。 どうして相談者は彼氏に対し、「割り勘にしましょう」とか「今日は貴方が出しなさいよ」と一言も言えないのだろうか?  これぞ、両人が対等な付き合いが出来ておらず、女性がお安くあしらわれている証拠ではなかろうか?
 
 ここで私事を持ち出すのも何だが、我が長き独身時代に経験した恋愛は数多いが、こと金銭面に於けるトラブルは皆無だったと言い切れそうだ。
 まず、私に対しカネを支払わせて知らん顔をする男性がただの一人として存在しなかった。 男尊女卑との時代背景的な要因がまだまだ大きかっただけの話かもしれないが。 
 それに比し、今の時代は確かに“男尊女卑”観念が解消されるべく方向に進化しているようにも受け取れる。
 そうだとして、もしも私が独身当時に相談者の立場に直面していたならば、必ずや「割り勘にしましょう」「貴方も出しなさい」と直言出来たであろうことに間違いない。 
 とにもかくにも相談女性の場合、今後思い切って「割り勘にしましょう」「今日は貴方が出しなさい」と直言することから行動するべきだ。

 あるいは、別の手段として。
 彼氏が外食時には自腹を切るのならば、デートは必ずや外食にして、セックスも外部のホテルで実施しては如何だろう? そうすれば自ずと彼氏も金銭負担する気になるのではなかろうか?
 料理嫌いで誉れ高い私が分かりにくいのは、何故相談者が自分の家に彼氏を招いて酒盛りをするのかとの点だ。 お互い離婚経験者のようだが、彼氏側は過去の家庭生活のノリで貴方に接している恐れもある。
 要するに、妻が家で食事の準備をして夫を迎え入れる体制に、彼氏がすっかり慣れ切ってしまっている実態も考えられる。 相談内容に彼氏からの“上から目線” “モラハラ” なる文言が存在する事実に、その雰囲気を感じ取るのだが。

 今後共ご両人に結婚願望が皆無ならば、両者の付き合い方を再考することから出直してよい気もする。
 彼氏に(妻ある生活から一転した)自立心を呼び戻すためにも、相談者は思い切った行動転換を要するのではなかろうか。


 今回の“悩みのるつぼ”回答者は、評論家の岡田斗司夫氏であられる。
 
 その岡田氏が、一部興味深い回答をされているので以下にその部分を紹介しよう。
 視点を変えて、お友達の立場になって考えよう。 50代手前の女友達、それもバツイチの女社長に彼氏ができた。 もう4年続いていて、週に何度もゴルフに行ったり自宅に招いてセックスまでしちゃっている。 しかも、本人も結婚なんかもうたくさん、自由がいい、とか好き勝手なこと言ってくれる。  ねっ。 何かイラっときませんか? その友達には悪気はなくても、あら探ししたくなるのが人情ですよ。
 私(岡田氏)が指摘したい「正しくない行動」とは、友達への相談です。 お互い大人の男女の微妙で複雑な関係に、いくら仲が良くても友達の理解や承諾をもらうのはあきらめましょう。
 (岡田氏には申し訳ないが、ご回答のこの部分のみを紹介させていただいた。)
 
 上記岡田斗司夫氏も、回答の最終項で私と同様のご回答をされている。 それを紹介するならば。
 「ストレスがたまったら、彼支払いの外食でゼイタクしましょう。 心のバランスとは自分の心の中で調節すること。」

 
 最後に、原左都子の私論でまとめよう。

 この相談を読んで、未だ40代とのお互いに若き世代の「離婚後の恋愛」の困難さを思い知る気もする。
 
 回答者であられる岡田氏には申し訳ないが、この年代の女性達とは必ずや同年代の友人女性に相談を持ちかけるのが通常であり、特段間違った行為ではないと私は判断する。
 そうしたところ、「彼氏には都合の良い女と思われているよ」なる反応が押し寄せるのも必然であろう。

 さてさて、この相談女性がいつまで現在の彼氏との関係を続行したいのかが不明だが。
 「結婚願望がない」と言い切っている女性故に、今後もご自身の経済力が続く限り、相手男を取っかえひっかえしつつ恋愛を謳歌すれば済む話であるようにも思うのだが。 
 あるいは意地悪観点からだが、もしかしたら相談女性に相談内で豪語している程の経済力が無いが故に、今後一切自身の経済力を頼らない恋愛相手を欲しているのかもしれない。

 先々押し寄せる真正老後生活の実体も思い浮かばない40代との若き段階で、単に自身の恋愛を正当化せんとして相談した内容かとも推測する。