原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

ノーベル賞受賞の本庶佑先生、確かに存じております!

2018年10月01日 | 学問・研究
 つい先ほど、NHK夜7時のニュースにて京都大学名誉教授の本庶佑先生が、本年度のノーベル医学生理学賞に選出されたとのトピックスを見聞した。

 
 以下に、ネット情報よりそれを紹介しよう。

 スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、今年のノーベル医学生理学賞に京都大名誉教授の本庶佑氏(76)ら2人を選んだと発表した。 「PD-1」を発見したことが評価された。これをもとに、がん治療薬「オプジーボ」が開発された。授賞式は12月10日、ストックホルムで開かれる。 日本からの受賞は2年ぶり。米国籍の2人を含めて計26人となった。


  いやはや、驚かされた。
 
  何故ならば我が20代の基礎医学分野での業務が、まさに本庶佑先生と同分野の「免疫学」だったからに他ならない。
 当時その免疫分野の学会発表等をこなしていた私は、学会会場で幾度も本庶佑先生のワークショップや一般発表に触れさせていただいている。

 先程、その時代(1980年代前後期)の免疫学関連学会抄録数冊をざっと確認したのだが、残念ながら本庶佑先生に関する書類を発見出来ないでいる。   


 それにしても、「免疫学」がノーベル賞「医学生理学賞」に取り上げらるのは、利根川進氏以来の事ではなかろうか?


 明日以降、再び我が「免疫学」関連学会抄録を詳細に紐解き、本庶佑先生の過去の業績の程を我が視点から紹介させて頂けるならば、こんなに嬉しいことはない。 



 参考だが、私が「免疫学」に携わっていた時代背景とは、まさに「免疫学」が次世代への医学発展に向けて急激に発展を遂げていた頃である。
 当エッセイ集開設当初期に、その時代に「免疫学」に携わった我が基礎医学業務に関するエッセイ「sef or not self」を公開しているため、以下に紹介しよう。

 私は20歳代の頃、新卒で民間企業に就職し医学関係の仕事に従事していた。 医学関係と言えども分野が広いが、私が携わったのは免疫学関連の分野である。
 医学(特に基礎医学)にも“ブーム”があるが、その頃(1970年代後半から80年代以降にかけて)免疫学は目覚ましい発展を遂げていた時期だった。 当時の日本における免疫学の第一人者といえば、東大医学部教授の多田富雄氏や阪大医学部教授の岸本忠三氏(お二方とも当時の所属)などがあげられる。 その頃、私はこれら免疫学の研究分野において第一線でご活躍中の諸先生方の最新の研究成果を入手したく、(会社の出張費で)単身で全国を飛び回り諸先生方の“追っかけ”をするため、「免疫学会」や「臨床免疫学会」「アレルギー学会」等研究発表の場へ情報収集に足繁く出かけたものである。
 以下の文章は、1993年発行多田富雄著「免疫の意味論」(青土社) を大いに参考にさせていただく事をあらかじめお断りしておく。(多田富雄先生は残念ながら、その後脳内出血で他界された。)
 加えて、医学は日進月歩の世界である。 私が以下に述べさせていただく内容は、あくまでも1970年代後半から1980年代の私の免疫学体験に基づいた知識の上での話の域を出ていないものと解釈願いたい。
 免疫学を語る上での第一のキーワードが表題に掲げた“self or not self"という概念である。日本語では「自己か非自己か」と訳されている。
 「免疫」と聞くと皆さんはきっと、外部から進入してきた細菌やウィルスなどの外敵から自分の体を守った上で、その情報を後々まで記憶しもう一度同じ外敵が体に進入してきた時に発病しないような仕組みであると認識されていらっしゃることと思う。 その認識で十分「免疫」は説明できている。
 そこで、もう少し踏み込んで考えることにしよう。 外部から進入してきた細菌やウィルスなどの外敵を、なぜ自分の体が“外敵”であると認識できるのであろうか。 そこで登場するのが“self or not self"概念だ。 すなわち、外敵(病原体)が体内に侵入すると、「免疫」のはたらきによって、その病原体が持っている成分を、自分の体内成分ではないもの(異物“not self")として認識し、この成分をやっつける物質(抗体)を作り排除して自分(“self")を守るのだ。 1970年頃までの免疫学においては、上記のごとく「免疫」とは“not self"に対するシステムとしてとらえられていた。 すなわち、外敵を認識しやっつけるシステムとして考えられていたのである。
 ところが、その後の研究により「免疫」とは“self"を認識するシステムであることがわかってきた。 すなわち、「免疫」とは“not self"を排除するために存在するのではなく(もちろん結果的には排除するのだが)、“self"の全一性を保証するためのシステム、すなわち「自己」の「内部世界」を監視する調整系として捉えられる時代に入るのである。 ところが、この“self"と“not self"の境界も曖昧だ。 それでも、そんなファジーな「自己」は一応連続した行動様式を維持し、「非自己」との間で入り組んだ相互関係を保っている。
(詳細は、上記の多田富雄著「免疫の意味論」をお読みいただくか、あるいは免疫学に関する各種論文等文献を参照いただきたい。)
 “self or not self" 、 当時の私はこの言葉に惹きつけられ、自然界のひとつである人間の体内にもこんなすばらしい哲学があることにいたく感動したものだ。
 あれから年月が経過した今でも私の思想の根底にこの“self or not self" の哲学はまだ息づいている。 そんな一端を今回は少し語らせていただいた。
 (以上「原左都子エッセイ集」2007.10.20公開 “学問・研究カテゴリー” 記事より引用したもの。)
 

台風24号列島縦断、その時予期せぬ “とばっちり” が…

2018年10月01日 | 雑記
 ものの見事!?に日本列島を直撃縦断し各地に被害をもたらした挙句、今朝ほど温帯低気圧に変わりオホーツク海方向へ去った台風24号だが。


 私が住む首都圏でも、本日早朝から交通網が乱れた。
 娘出勤の際、「もしかしたら電車が大幅に遅れるかもしれないが、とにかく気を付けて。」と見送ったが、無事に職場へ到着したことだろう。


 さて台風24号が未だ奄美地方を直撃していた昨日朝の事だが。

 亭主が私のところへやって来て、「今日、予定通り行くべきか止めるべきか、迷いに迷っている。」と相談に来る。
 実はこの話題は、前日の土曜日の夜にも聞かされていた。

 一体全体、亭主が何処へ行くのか取りやめるかを迷っていたかを、こんなところで公開するならば…
 スポーツ観戦ファンである亭主が2カ月程前からチケットを購入し、観戦を楽しみにしていた「2018世界バレー女子 日本V.Sオランダ戦 ~於・横浜アリーナ~」だ。
 自宅から行ける横浜アリーナにて開催される2018世界女子バレー大会の中でも、亭主自身の判断でこの日本V.Sオランダ戦が一番面白い!との予測により、敢えてこのチケットを購入したとのいきさつがあった。

 確かに、こんな不運は無いだろう。
 台風24号の首都圏通過予報が、ちょうどその開催時刻と重なったのだ。
 昨日の首都圏は台風が近づいているとは言え、夕方までは比較的落ち着いた天候だった。 雨が降るでもなく風もさほどなく、(本当に今夜台風が来るのかなあ。)と思わせられる感覚すらあった。

 亭主が迷う気持ちも分かる。
 そう思いつつも、「今時の天気予報はかなり正確だよ。何だか行けそうな気もするが、もし試合観戦後に台風が直撃して来たら、横浜のホテルにでも泊まって美味しいディナーでも楽しんだらどう?」などと無責任回答を返しつつ、「確かに現在の台風は必ずや巨大だから、アリーナからホテルまでの移動も大変だろうねえ」と相変わらず他人事の対応をすると。

 亭主が言うには、「浜松大会ではチケットの払い戻しに応じているようだが、横浜アリーナに関してその情報が無い。 ネットではチケット転売の動きもあるようだが、それには既に出遅れている。 やっぱり行こうかなあ。」といつもに増して優柔不断…。

 ちょうどその時、私はパソコンで米国西海岸旅行フォトブック作成中でもあり、少し鬱陶しくなってきて、「まあ夜まで時間があるし、自分で考えたら。」とけんもほろろ対応を突き付けた後、昼飯時となった。

 ここでまた出るのが亭主からの「横浜アリーナへ行くべきか?」の相談だ。

 あのさーー。 男って実際優柔不断な奴が多いよねえ。???  違うか??
 そもそも我が家の場合、娘を伴って旅に出るのはずっと昔から私の担当だし、その他の重要事項に関してもそのすべてを娘のサリバンである私が計画決定・実行して来ているんだけど…
 何でアンタ(亭主)の一趣味に過ぎないバレー観戦に関して、執拗にまで私に相談するんだ??? “ボーっと生きてないで自分の頭で考えろ!!”と、またチコちゃんになりかけた私だ。

 しかも私側としては、亭主が夜飯時に家にいるかいないかの方こそがよほどの重要案件だ。 亭主が出掛けてくれたなら亭主の夕飯を用意しなくて済むのだ! こんなラッキーな事は稀にしか無い! (その意味で今夜ホテルでディナーでもしたら、との上記提案は半ば本気で出したのだが…。)
 ただそれを亭主に直言する事は、さすがの私も控えた。
 そして亭主にアドバイスしたのは、「私の方も夕飯準備の都合もあるから、午後4時半までに自分でアリーナへ行くか否か決断してくれる?」だった。

 ところが、亭主の反応が鈍い。
 しびれを切らしかけた私を応援してくれたのが、NHK昼のニュース報道内での速報だった。
 その速報に寄れば、「首都圏JR各線は今夜8時以降の運行を休止します」との事実だ。
 「これで貴方の今夜の横浜アリーナ行きは中止決定ね!」と私が告げ、一件落着したかに見えた。

 午後になり私が当該gooブログにてエッセイを綴り始めると、再び亭主がやって来る。
 そして私に告げるには、「JRは午後8時以降運休だが、私鉄を利用して横浜アリーナへ行く人もいるようだ」
 (もう、どうしてこれ程までに鬱陶しいんだ!?)と内心思いつつ、「行きたければ貴方も私鉄利用で行けばいいじゃん」と返すと、「やっぱり、やめとく…」といつものように不甲斐ない…… 


 結果としては、夜になりお互いの自室(私はリビングの大きなテレビでだが)にて、2018世界バレー女子大会 日本V.Sオランダ戦をライブ映像にて観戦した。
 さすがに台風直下時間帯の横浜アリーナの座席は3分の1程しか埋まっていない。 
 それでも確かにスポーツ通の亭主がセレクトした試合だけあって、5セット目まで接戦が繰り広げられ見ごたえはあった。

 今回は横浜アリーナ現地で観戦できなかったのは残念だけど、また必ずや観戦するチャンスはあるよ!