原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

「沖縄返還合意」より半世紀、未だ軽減しない沖縄の負担

2018年11月29日 | 時事論評
 (写真は、朝日新聞2018.11.03付 別刷「be」 “サザエさんをさがして” より引用した漫画。
 私事で恐縮だが、我が愛用デジカメの性能が私の取扱い能力範疇を超越している関係で、少し何処かに間違って触れると設定が勝手に変更してしまう始末です…。  現在、“普通撮影不能”な設定となってしまっている関係で急きょ携帯写真を掲載しましたため、写真が不明瞭な点をお詫び致します。


 昨日2018.11.28 安倍首相と沖縄県の玉城デニー知事が、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり首相官邸で会談した。
 以下に、その内容に関してネット情報より引用しよう。

 安倍首相は、杉田和博官房副長官と謝花(じゃはな)喜一郎副知事による約1カ月の協議を踏まえ、移設の方針に理解を求めた。 玉城氏は移設の断念を重ねて要請し、意見の隔たりは埋まらなかった。 一方、首相は今後も必要に応じて話し合いの場を設ける意向を示した。
 首相と玉城氏の会談は10月12日以来2度目。 会談後の玉城氏の話によると、首相は移設について「米側との計画通り今の移設作業を進めたい。理解を求めたい」と述べ、玉城氏は「知事選で示された民意を真摯(しんし)に受け止め、工事を中止してほしい」と求めた。
 会談に先立ち、杉田氏と謝花氏も東京都内で移設について協議した。首相は会談で「両氏の協議はいったん終わるが、折を見てこのような話し合いの場は設けたい」と述べた。
 会談を受け、沖縄県は辺野古沿岸部の埋め立て承認を撤回した県の処分の効力を一時停止した国土交通相の決定を不服として、月内に第三者機関「国地方係争処理委員会」に審査を申し出る。 玉城氏は「県で会議を持って、どのようにするかを話し合って決める」と話した。政府は早期の土砂投入に向けて準備作業を急ぐ構えだ。
 (以上、ネット情報より引用したもの。)


 冒頭写真の上記朝日新聞記事 “サザエさんをさがして” を参照しつつ、「沖縄返還合意」に話題を戻そう。

 「沖縄返還合意」が実施されたのは、1969年、私が中学生時の事だった。
 沖縄の存在は子供心に周知していたものの、その沖縄が米国領だった事実をその時初めて知った記憶がある。 
 時の総理は佐藤栄作氏。 その佐藤首相と米国ニクソン大統領との首脳会談で、72年に沖縄を核抜き・本土並みで返還することと、日米安保条約の自動延長などが合意された。
 この事実イコール、沖縄の米軍基地から核兵器を撤去し、安保条約や地位協定を“本土並み”に適用するというものだった。
 
 朝日新聞記事によれば、当時の沖縄に於いては“返還歓迎”の声が出る一方で、日米軍事体制の強化との批判が強く、(上記漫画のごとく)世論は分かれていたらしい。 
 沖縄県民に不当な差別と忍従を強いるとして安保体制を批判し、基地固定化は県民の願いと相いれないとの苦渋の反論もあったとの事だ。

 ここで我が過去を振り返るに、当時過疎地の中学生だった私はそんな論争が存在していたことすら露知らず、沖縄が日本に復帰する事実を単純に喜んでいた記憶しかない事実が何とも恥ずかしい限りだ…。 

 本土では60年頃までに米軍基地が大幅に縮小された。
 沖縄も“本土並み”に米軍基地が縮小されるだろうとの沖縄の期待は、大きく裏切られるどころか……
 「沖縄返還合意」後半世紀が過ぎ去り、現在ではその70%以上が沖縄に集中してしまっている現実…
 (参考だが、沖縄の面積は、国土全体の0,6%に過ぎない。)

 ちなみに、「沖縄返還合意」の張本人である佐藤首相は、返還合意に関し「大成功」と総括し、その年の12月に総選挙で自民党が大勝したとのことだ。

 ついでに、当該佐藤栄作氏と現安倍政権首相の安倍氏の関係に関し、ネット引用するならば。
 安倍晋三は56,57代内閣総理大臣・岸信介の孫。 そして61-63代内閣総理大臣である佐藤栄作は岸信介の実弟。 つまり佐藤栄作は安倍晋三の叔父にあたる。 (以上、ネットより引用したもの。)

 我が感覚を述べるならば、血は争えないと言うのか……。
 血縁関係とはそれ程までに後世に影響(悪影響)を引き継いでしまうのか…、 何だか、空恐ろしい感覚すら抱いてしまう。


 日々の「辺野古映像」をテレビ報道画面等で見せられると。
 移設反対派の命がけの反対運動にもかかわらず、既にここまで辺野古が安倍政権により“破壊”されてしまっている事実が実に悲惨で、実に嘆かわしい思いだ。

 加えて、やはり沖縄県民間でも“意見の相違”が存在するのは自明の理であろう…。
 本土の人間が無責任に“他人事のごとく”沖縄基地問題を取り上げ論争する事実を、迷惑と感じている沖縄県民の思いの程に触れた事もある。
 そんな現地の人々の感情も、出来る限り理解申し上げたいものだ。

 来年2月24日に実施されるとの「沖縄県民による県民投票」の結果を、今はとにかく見守りたい。