(アテネ大学本部の写真。2007年の旅行時に撮影。 今回のアテネ暴動では多くの学生がデモに参加したと報道されている。)
各種マスメディアの報道によると、12月初旬頃から続いているギリシャの首都アテネに於ける若者を主とした反政府抗議行動は未だ収束の気配はなく、20日夜には市中心部のクリスマスツリーに火がつけられ燃え上がるまでに至っている。
普段は観光客で賑わうアテネでは、12月6日に起きた少年射殺事件をきっかけに、銀行や新車販売店が放火されたり国会議事堂前では投石されたり等の混乱状態が続き、市街はきな臭いにおいが漂い、歩道にはガラスの破片が散乱しているらしい。
インターネット情報等により学生や労働者、アナキスト(無政府主義者)らの若者が集結し無秩序なデモ集団を形成し、投石や火炎瓶による暴動を繰り返しているという。
アテネと言えば、昨夏我が家が一家で旅した地である。 子どもの名前をギリシャ哲学から引用しているため、ギリシャ哲学発祥の地である古代ギリシャのアテナイ(現アテネ)を訪ね、紀元前4世紀にプラトンが創設したアカデメイア等の歴史的建造物や博物館、そしてアテネ市街を子どもと共に観光して、紀元前の歴史を垣間見る目的での旅行だった。
アテネの街は実に美しかった。
おそらく2004年のアテネオリンピック開催に合わせて開通した(?)と思われる地下鉄の整備が行き届いていて、快適かつ利用が容易だったため、この地下鉄を利用して市街を巡ったものである。
ギリシャ人は、私が先だって訪れたインドの人々と比較すると“無愛想”であまり微笑まない人種のようである。 それでも、この地下鉄構内で一家で乗り場に迷っているとギリシャ美人が声をかけてくれて、ギリシャ語は全く通じないながらも、案内図を見ながら親切に説明してくれたうれしい思い出もある。
アテネの街は、我々の第一目的訪問地であるプラトンのアカデメイアに限らず、パルテノン神殿をはじめ街の至る所に神殿や彫刻が多く、古代と現代が自然に美しく融合している都といった印象が強い。
こんなすばらしい都で暴動が起こっていることを本当に残念に思うのだ。
先だってのインドの動乱に引き続き、なぜ私が訪れた地でこのような暴動が次々と起こってしまうのか、思い入れがある地だけに心が痛む私である。
今回のアテネ暴動の特徴は「理由なき改革」であるとの報道もある。
その一方で、国民の失業率の高さ等の社会的不満の蓄積も暴動の背景にありそうだ。経済協力開発機構(OECD)によると、ギリシャの15歳から24歳の失業率は22%に上り、パートタイム労働者の低賃金など、暴動の背景には若者の不満があると指摘されている。「1日9時間働いて月700ユーロ(約8万5千円)。暴動の原因は貧しい若者の怒りだ。」との暴動デモ隊員の談話もあるらしい。
ここのところの世界金融経済危機で、世界中における先の見通しは暗い。
この日本においても、大企業の業績悪化等に伴い大量の失業者を出し続けている現状である。厚生労働省では急きょ失業者や就職内定取消者への小手先の対策に乗り出しているようではあるが、“焼け石に水”の感が否めない。ここでまた多額の公的資金が投入され、国家財政はますます危機に陥るばかりでもある。
日本の、そして世界の行く末は一体全体……
とりあえずは、日本でアテネのような暴動が勃発しないことを願う私である。
各種マスメディアの報道によると、12月初旬頃から続いているギリシャの首都アテネに於ける若者を主とした反政府抗議行動は未だ収束の気配はなく、20日夜には市中心部のクリスマスツリーに火がつけられ燃え上がるまでに至っている。
普段は観光客で賑わうアテネでは、12月6日に起きた少年射殺事件をきっかけに、銀行や新車販売店が放火されたり国会議事堂前では投石されたり等の混乱状態が続き、市街はきな臭いにおいが漂い、歩道にはガラスの破片が散乱しているらしい。
インターネット情報等により学生や労働者、アナキスト(無政府主義者)らの若者が集結し無秩序なデモ集団を形成し、投石や火炎瓶による暴動を繰り返しているという。
アテネと言えば、昨夏我が家が一家で旅した地である。 子どもの名前をギリシャ哲学から引用しているため、ギリシャ哲学発祥の地である古代ギリシャのアテナイ(現アテネ)を訪ね、紀元前4世紀にプラトンが創設したアカデメイア等の歴史的建造物や博物館、そしてアテネ市街を子どもと共に観光して、紀元前の歴史を垣間見る目的での旅行だった。
アテネの街は実に美しかった。
おそらく2004年のアテネオリンピック開催に合わせて開通した(?)と思われる地下鉄の整備が行き届いていて、快適かつ利用が容易だったため、この地下鉄を利用して市街を巡ったものである。
ギリシャ人は、私が先だって訪れたインドの人々と比較すると“無愛想”であまり微笑まない人種のようである。 それでも、この地下鉄構内で一家で乗り場に迷っているとギリシャ美人が声をかけてくれて、ギリシャ語は全く通じないながらも、案内図を見ながら親切に説明してくれたうれしい思い出もある。
アテネの街は、我々の第一目的訪問地であるプラトンのアカデメイアに限らず、パルテノン神殿をはじめ街の至る所に神殿や彫刻が多く、古代と現代が自然に美しく融合している都といった印象が強い。
こんなすばらしい都で暴動が起こっていることを本当に残念に思うのだ。
先だってのインドの動乱に引き続き、なぜ私が訪れた地でこのような暴動が次々と起こってしまうのか、思い入れがある地だけに心が痛む私である。
今回のアテネ暴動の特徴は「理由なき改革」であるとの報道もある。
その一方で、国民の失業率の高さ等の社会的不満の蓄積も暴動の背景にありそうだ。経済協力開発機構(OECD)によると、ギリシャの15歳から24歳の失業率は22%に上り、パートタイム労働者の低賃金など、暴動の背景には若者の不満があると指摘されている。「1日9時間働いて月700ユーロ(約8万5千円)。暴動の原因は貧しい若者の怒りだ。」との暴動デモ隊員の談話もあるらしい。
ここのところの世界金融経済危機で、世界中における先の見通しは暗い。
この日本においても、大企業の業績悪化等に伴い大量の失業者を出し続けている現状である。厚生労働省では急きょ失業者や就職内定取消者への小手先の対策に乗り出しているようではあるが、“焼け石に水”の感が否めない。ここでまた多額の公的資金が投入され、国家財政はますます危機に陥るばかりでもある。
日本の、そして世界の行く末は一体全体……
とりあえずは、日本でアテネのような暴動が勃発しないことを願う私である。
アテネにおける暴動は、不況もさることながら「為政者の横暴」が揚げられると思います。最初に治安部隊が青年を死に至らしめた事が大きな暴動に繋がっており、為政者は力で抑えるばかりではなく、謙虚さも必要ではなかったかと思います。
日本の政治運営はおっしゃるとおり、焼け石に水の感があります。それでなくても800兆円にならんとする借金を抱えて、この上また借金を増やすような政治をしてどうするのでしょう。国民の方が冷静に「緊縮財政は覚悟」と腹を括っているのに!選挙で勝つ為の発想ばかり、政治家の身の保障ばかりでなく、この国の行く末を考えた政治をして欲しいです。
敬称を忘れました。申し訳ございません。
政府が迷走状態であろうとも、誰も暴動なんて起こしませんよ。
でも、文章で政府を批判しても、警察に捕まらない日本は、どっぷり民主主義で平和やな~と思うし、ありがたいです。
誤ったな日銀・・・。
変動金利型ローンを抱えている我が身には、ゼロ金利政策は嬉しいが、銀行の儲けが少なくなるから、自己資金保護が進み、中小企業に貸し渋りが、さらに厳しくなるだけでしょう。
でも、こんな事をしても外国の投資家は、市場で一番信頼できる「円」買いを続けるでしょうから、思い切って、公定歩合を、1.0%くらいに持って行き、海外資本家のお金を一旦集め、国内の景気をそのお金で立て直せば良かったのに。
ゼロ金利よりも金利アップでしょう。円が上がるのは取り合いになるからで、取り合いにならないように、公的資金をそこに注入すると、お金がだぶついて、円安に傾くと思うんですが・・・。
原さん、コメント欄を開放していただきありがとうございました。
歴史を俯瞰すれば分かる事です。そして、若者や学生が常にそのリーダー役になって来た事も事実です。
事例を挙げるとするならば、例えば、韓国の李承晩政権を倒す切っ掛けになったのも学生です。学生に多くの犠牲者が出ました。
暴動と言えるか否かは観点の違いとすればそれまでですが、日本に於いては、1960年の安保闘争で連学連が国会に突入した6月15日、樺美智子さんは警官隊との衝突で亡くなっています。機動隊の暴行によって樺美智子さんは死亡したとされていますが、原因は明らかにされていません。これは、私が11歳で、一回り年上の従兄弟が東京の大学生の時でした。
政治的或いは経済的状況の不安が高潮に達した時、一見平和に見える我が国に於いても大なり小なりの暴動が起きる可能性は否定できないと思います。如何なる層からそれは起き、誰がそのリーダーになるのか。若者や学生がその担い手になれるだけの今日的な状況にあるのか、それには疑問が残りますが。
何故、今や我が国に於いては若者も学生も政治やイデオロギーに関して無知で無関心、無力になってしまったのか、デモも暴動も起こす事ができないのか、骨抜きにされてしまったのか、と思ってしまいます。何も彼らを扇動をしている訳ではありませんが。
1930年の世界大恐慌時代の状況と今日のそれは異なるものの、従来の資本主義経済の限界を提示しているのではないかと考えます。
20世紀型の産業構造、即ち産業革命以降の企業を中心とした大量生産、大量消費の論理からのパラダイムシフトをしない限り、何も見えてこないと思います。
しかし、不況だ、大変だ、来年はどうしょう、困った事だ、政治が悪いのだ、と嘆く人は多いのですが、少なくとも私の周囲の人々は自ら前向きな提言は一言もしませんし、その術も持っていない様です。
原さんのこのエッセイに対する私のコメントは、それとしては相応しくないと思いつつ、的外れなコメントを記す次第ですが、私が原さんに期待するのは、今後の世界経済に向けての原さんなりの前向きな提言を展開して頂きたいという事です。
700ユーロじゃ 本も CDだって買うの大変だろ
其の上 仲間意識が「殺人」で膨張すればさ・・・
誇りに思える祖国で有って欲しいのが 其の逆じゃ
若者達の情熱も期待も 其のエネルギーは何処へ?
こんな俺には分からんよ・・・ 只 若者は未来を信じたい そして スキルを磨くしか
佐都子さ凄いな 俺も一緒に勉強したいよ
抜け策の 雄ちゃんでした
老いさんなんかも、どなたさんかも述べておりましたが、どちらかと言うと「無関心派」とでもいいましょうか、「冷めているんです」
だから、皆さんのを読んでいて、「フム…フム…成る程・・・」ばかり。
老いさんは、百姓だから思うのですが・・・
世の中、もっともっと第一次産業の「農業」で生きられる環境にしないといけない!と思うのね。
まあ、先の長くない年令だから、いいけど・・・
こういう考えがいけない!!
私はただただ、あのすばらしいアテネの地を血で染めたり歴史的建造物を破壊したりというような愚かな行為だけは踏みとどまって欲しい思いで、この記事を綴りました。
日本における国の失業者等への対応はパフォーマンスとしか私の目にも映りません。isseiさんのおっしゃる通り、この国の行く末を見通し長期展望で今は緊縮財政を貫くべきですよね。
でも、何やら居心地の悪い“民主主義”の感があります。
ドカドンさん、公定歩合の引き上げ案は私も賛成です。(そろそろ亭主の定年も近く、退職金を運用したい等々と考えていましたので。)せっかく金利上昇へ向かうかと思っていた矢先にこの金融危機で、またゼロ金利政策に向かうのかと落胆しています。
実はコメント欄の閉鎖も一時期検討しました。
コメントの返答に費やす時間が尋常でなはく、私生活に影響が出ることもあるためです。(最近は返答が遅れ気味ですが。)
でも、私のブログはオピニオンの公開が趣旨ですので、こうやってコメント欄で議論させていただけることがその趣旨に沿うと気を取り直し、皆様からコメントをいただけることに感謝しつつ、コメント欄公開を続行します。
アテネのような破壊的活動はするべきではありませんが、社会を積極的に変えようとするような底辺から湧き出てくるエネルギーが今の日本の社会は一切ありません。それは、ガイアさんのおっしゃる通りです。この辺が居心地の悪さの原因と私も捉えています。
失業者対策として思いつくのは新たな雇用の創出です。ガイアさんがおっしゃるように、従来のような大企業の大量生産から派生して上から与えられる雇用ではなく、底辺から新たな雇用を創り上げられるといいですね。
一例ですが、先だっての日本画家櫻庭氏のギャラリートークで伺った香川県の直島の例など私は興味深かったのですが、芸術による街創りが発展すると、新たな雇用をも創り出せるように思います。ただ、規模が大きくなる程どうしても大手企業の資本力がからみそうで、そうなると結局、従来の資本主義論理は打破できないところが難しいですね…。