原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

今週末「還暦」を迎える原左都子のたわ言エッセイ

2015年10月14日 | 自己実現
 (写真は、原左都子が還暦を迎えるに当たりその記念に自分で企画・作成したフォトブックより“横浜小旅行編”ページを撮影したもの。)


 今週末、いよいよ私は還暦を迎える。

 この日を待ち望んでいたとも言える程、私は自分の還暦が来る日をウキウキと心待ちにしていた。 

 何故ならば私は元々、人間が年齢を重ねる事を肯定的に捉えているからに他ならない。
 もちろん人それぞれの年のとり方は千差万別だろうが…。

 私の場合、10代より20代、20代より30代と年齢を重ねる毎に独身の身にして自己実現意欲に燃え続け、自分自身が目まぐるしいまでに成長出来ている実感を得て来たと言えよう。
 その後、40代近くにして晩婚の上子どもを産んだ。 その子が若干の事情を抱えていた事が、母の立場の私として、今思えば「お前はもっと頑張れ!」との“天からの偉大なプレゼント”だったとの感覚があるのだ。
 この我が人生最大そして最長20年余期間の関門を通過する事がなければ、私は今となっては普通に老いぼれていたのかもしれないと(失礼ながら、周囲の同年代女性達の老いぼれ様を観察して)少しゾッとしたりもする…。
 

 それはともかく私は自分が還暦を迎えるに当たり、何らかのささやかな「行事」を自ら挙行したいと少し前より虎視眈々と狙っていた。
 通常ならば、家族や親族の誰かがそのお祝いを本人が知らない間に実行してサプライズで喜ばせてくれるのだろう。 が、我が家の場合私が一家を統制している立場であるため、家族からのその種の配慮に対する期待が100%不能な事など私自身が120%承知の助だ。

 それを“可愛そう”と感じる人とは、私は今後一生に渡って対等には付き合っていけない事だろう。
 何事も自分自身の力で成し遂げ、他者の世話をも鑑みる習慣が身についている私にとって、自分のお祝いなど自分で実行するのが一番だ!
 それを後に、周囲から容認して賛同して貰えれば本望というものだ。


 さて、我が還暦に際し、何をして自分を祝おうかと実にいろいろ考えた。

 遠い昔に我が実親の歪んだ感覚のせいで二十歳の振袖の祝いをして貰っていない私故、還暦を迎える今、振袖でも購入して写真を映そうかとの発想が本気で出た。
 ちょうど2年程前に娘の振袖を購入した呉服店の“友の会”登録にて毎月いくばくかの会費を積立てているため、それを利用して私自身が振袖を購入しようと志した。  ところが、この夢は無残にも消えゆく運命だった。 大手着物会社とは、大手故に「着物」に関する常識の程を継承するべく立場にある。 60歳で“振袖を着たいなる夢”は、まさに“夢物語”とはかなくも消え去った。  (他のもっと高価な着物を推奨され、時価140万円の“江戸紅型"を当該着物大手企業から購入した事は「原左都子エッセイ集」バックナンバーで綴り公開している。)
 
 ただ私がメディアで見聞する限り、演歌歌手など60歳前後の年齢で未婚・既婚にかかわらず普通に「振袖」を着て舞台に立っている。 
 着物会社も今後もう少し視野を拡大して、年齢や婚姻状況にかからわず一般市民にも“似合う女性”には振袖を勧めても何らの害はないと思うのだけど…。(誰も私の事だとは言ってないよ~~。) 


 「振袖還暦写真」の夢が消え去り、次に考えたのは得意の“ミニスカスタイル”でプロ写真を撮ってもらうことだった。
 ただ、これに関しても写真を映してくれる相手により、被写体である私に対する印象が大いに異なる事は、若き頃からの経験で思い知っている。

 特に年齢を重ねた女性に対する日本男性の「偏見」の程が今尚凄まじいものがあろう事なども、悲しいかな日本の世の現実であろう。
 たとえ写真の趣味があられる人物であろうと、「還暦との年老いた女性など一切撮影したくない」なる感覚を抱いておられる方が存在する事実を、こちらも重々承知だ。  もしもそんな感覚を持っている男性が写真館の主だった場合、我が「還暦写真」の出来映えが“悲惨”になることなど、これまた“重々承知の助”だ! 
 写真とは写す側と写される側の気持ちが一致してこそ、素晴らしい出来栄えになる事を昔から百も経験済みだ。 還暦を迎える私を頭から“ババアの写真など撮りたくもない”と否定してかかる人物に我が還暦記念写真を映してもらうなど、こちらこそ断固として御免蒙りたいものだ。


 散々考え抜いた挙句、私が実行したのが冒頭写真の自作 「還暦祝いフォトブック」 作成である。

 私の事をご理解頂いていない見知らぬ他人に下手に記念写真を映してもらうよりも、既に手元にある自分が気に入った写真を列挙したフォトブックを自主的に作成するのが一番と心得た。
 しかも、今回作成した 「還暦フォトブック」の撮影者とはそのほとんどが我が“最愛の娘”である。

 
 最後にいつもの私論を繰り返すが、まさに還暦を迎えた後も自分の信念にて自己実現をし続けたいものだ。