◎主務大臣ハ宗教団体ノ設立ノ認可ヲ取消スコトヲ得
宗教団体法(一九三九年四月公布)の条文を紹介している。本日は、第一六条から第二二条までを紹介する。
第十六条 宗教団体又ハ教師ノ行フ宗教ノ教義ノ宣布若ハ儀式ノ執行又ハ宗教上ノ行事ガ安寧秩序ヲ妨ゲ又ハ臣民タルノ義務ニ背クトキハ主務大臣ハ之ヲ制限シ若ハ禁止シ、教師ノ業務ヲ停止シ又ハ宗教団体ノ設立ノ認可ヲ取消スコトヲ得
第十七条 宗教団体又ハ其ノ機関ノ職ニ在ル者法令又ハ教規、宗制、教団規則、寺院規則若ハ教会規則ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スベキ行為ヲ為シタルトキハ主務大臣ハ之ヲ取消シ、停止シ若ハ禁止シ又ハ機関ノ職ニ在ル者ノ改任ヲ命ズルコトヲ得
教師法令ニ違反シ其ノ他公益ヲ害スベキ行為ヲ為シタルトキハ主務大臣ハ其ノ業務ヲ停止スルコトヲ得
第十八条 主務大臣ハ宗教団体ニ対シ監督上必要アル場合ニ於テハ報告ヲ徴シ又ハ実況ヲ調査スルコトヲ得
第十九条 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ニ規定スル其ノ権限ノ一部ヲ地方長官ニ委任スルコトヲ得
第二十条 第十一条第二項、第十六条又ハ第十七条ノ規定ニ依ル処分ニ対シ不服アル者ハ訴願ヲ為スコトヲ得
第十一条第二項又ハ第十六条ニ規定スル設立認可ノ取消処分ヲ違法ニシテ之ニ依リ権利ヲ毀損セラレタリトスル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得
前項ノ規定ニ依リ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得ル場合ニ於テハ訴願ヲ為スコトヲ得ズ
第二十一条 宗教団体ニ於テ公衆礼拝ノ用ニ供スル建物又ハ其ノ敷地ニシテ命令ノ定ムル所ニ依リ登記ヲ経タルモノハ不動産ノ先取特権、抵当権若ハ質権ノ実行ノ為ニスル場合又ハ破産ノ場合ヲ除クノ外其ノ登記後ニ原因ヲ生ジタル私法上ノ金銭債権ノ為ニ之ヲ差押フルコトヲ得ズ寺院財産台帳又ハ教会財産台帳ニ登録セラレタル宝物ニ付亦同ジ
第二十二条 宗教団体ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ所得税ヲ課セズ
寺院ノ境内地及教会ノ構内地ニハ命令ノ定ムル所ニ依リ地租ヲ免除ス但シ有料借地ナルトキハ此ノ限ニ在ラズ
北海道、府県、市町村其ノ他ノ公共団体ハ宗教団体ノ所得ニ対シ地方税ヲ課スルコトヲ得ズ【以下、次回】