たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2000年初演『エリザベート』プログラムより‐高嶋政宏さん

2024年06月11日 19時30分11秒 | ミュージカル・舞台・映画

「怒鳴りつづけろ、

 罠にかかった、エセ・アナーキストよ。

 だが言いわけは、よせ。

 VIVA! 名声。

 溶けちまった氷塊(ひょうかい)を、

 電子レンジでチンして凍らす。

 こいつは結構、笑えるぜ、ウヒヒヒヒ。

 参考文献「コクトー詩集」堀口大學訳/新潮文庫」

 

「エリザベート皇后を暗殺するルイジ・ルキーニを演じるが、本舞台では、大詰めで凶刃をふるうテロリストとしての登場に至るまで、オープニングの出番から、いわば『エリザベート』物語の進行役でもあり、舞台進行上の時代と100年後の闇の世界の裁判所の風景と、二重三重の黄泉の世界と歴史上の時間を自在に行き来する男の役である。「ゾンビを蘇らせる役」の不気味さを口にしながら、「実は人間界と霊界の間でさまよいながら、殺人罪で裁かれているにもかかわらず、立場がはっきりせず、早くなんとかしてくれとくるしんでいる役目でもあり、舞台の狂言回しであって、解説委員でもある」と、ルキーニの濃淡の役割を語っていた。一種、芝居の神の声を聞くタイプの役で、その声に囁かれると俄然、熱を帯びる。1999年に三度目を迎えた『王様と私』のシャム王がそうだし、『双頭の鷲』のスタニスラスが、そう。豪胆と繊細、背反する役柄ながら、役に同化する執念が目と所作に発揮され、強弱のトーンが鮮やかに迫ってくる。今回も、ルキーニ像が放射する光の色が楽しみである。

 父に高島忠夫、母に寿美花代、弟に高嶋政伸を持つ俳優一家に生まれ、映画『トットチャンネル』(87年)でデビュー以後、映像中心に活躍していた。主な作品には映画『ヤマトタケル』、『残侠』、テレビに『大江戸弁護人・走る!』(朝日)、『毛利元就』(NHK)他。CF、CDでも活躍。東京都出身。」

 


2000年初演『エリザベート』プログラムより‐鈴木綜馬さん

2024年06月10日 13時31分54秒 | ミュージカル・舞台・映画

「私がどんなにシシィを愛したか誰にも分からないだろう‐晩年、フランツはよく呟いていた。この作品を通して少しでも僕の魂を癒すことが出来れば・・・あっ、でももしかしたら彼は輪廻転生して僕に生まれ変わっているのかもしれない。今再び演じられることの幸せを噛みしめ、何か運命的なものを感じてしまうこの舞台との出逢いに心から感謝する。素晴らしいスタッフ&キャストであやなす19世紀ヨーロッパを篤と御覧あれ!」

「<すずき・そうま>と読む。穏やかで知的な雰囲気に溢れていて、まさにオーストリア皇帝=フランツ・ヨーゼフにはまり役に見える。演出の小池修一郎によれば、「長い間、国家を治めていた皇帝で、日本で言えば明治天皇のような方。ヨーゼフにふさわしい雰囲気を持っている」というのが鈴木評。ピアノに乗馬という趣味も、いかにもか。小学5年生から中学1年生まで、イギリスで暮らした関係で、英語が堪能、大学も玉川大学文学部国語学科で英語を専攻。その得意なエイトでまつわるエピソードがある。本舞台への出演が決まって、役作りのため、ウィーンへ飛び、シェーンブルグ宮殿の前を散歩していたら、現地の人から理由を聞かれ、舞台『エリザベート』の役作りだと応えたら、なぜ、日本人がわれわれの国の話をやるのかと質問された、「おうむ返しに、なぜ、やってはいけないのか、と逆に質問しましたよ」と、鈴木。現在は、その懸念した男性の言葉に負けぬよう「立派な皇帝を演じたい」と語っている。

 スタートは、劇団式。1983年、「ジーザス・クライスト・スーパースター」で初舞台。その後、四季のヒット作品に数多く出演。98年に退団。舞台は、この『エリザベート』が、一年半ぶりの復帰第一作となる。テレビでは、今年2000年のNHKテレビ正月時代劇『蒼天の夢~松陰と晋作・新世紀への挑戦~』に、杉梅太郎役で出演していた。東京都出身。」

 


舞台『未来少年コナン』-2024年6月1日

2024年06月07日 11時20分39秒 | ミュージカル・舞台・映画

「思えば、自分たちが暮らすかけがえのない星、地球を、自らの手で住めない場所へと荒廃させてしまう、誰一人勝利者はいない「最終戦争」の後の世界を描いた作品は数多い。こうした作品群が創り続けられるのは、民族や、国、更にはそれらを統べる地位を手に入れた者たちが、互いに共存しようとするのではなく、自分こそが唯一の支配者であろうとし、取り返しのつかない過ちをいつ起こしても不思議ではないこの世界の状況が、一向に改まらないどころか、むしろ一触即発の危機を感じさせているからだろう。

そんな警鐘が鳴らされている、名匠宮崎駿が初監督作品として世に出したこの「未来少年コナン」の世界と、ピントとダビッド・マンブッフの創造の架け橋になった伊藤靖朗の脚本も当を得ていて、新たな発見のなかから普遍のテーマが届けられる舞台になっている。そんな警鐘が鳴らされている、名匠宮崎駿が初監督作品として世に出したこの「未来少年コナン」の世界と、ピントとダビッド・マンブッフの創造の架け橋になった伊藤靖朗の脚本も当を得ていて、新たな発見のなかから普遍のテーマが届けられる舞台になっている。」

名作冒険活劇が全く新しい舞台として蘇る!舞台『未来少年コナン』上演中! │ シアターウェブマガジン[カンフェティ] (confetti-web.com)名作冒険活劇が全く新しい舞台として蘇る!舞台『未来少年コナン』上演中! │ シアターウェブマガジン[カンフェティ] (confetti-web.com)

 

アニメ作品よりも「生」を強く感じさせる舞台「未来少年コナン」 - スポーツ報知 (hochi.news)

 

【続・イベントレポート】舞台『未来少年コナン』見どころを少しだけご紹介!(ネタばれなし)|日本アニメーション株式会社 (note.com)

 

加藤清史郎、影山優佳ら出演、五感で体感する贅沢な舞台『未来少年コナン』が開幕 舞台写真&公演レポート、コメントが公開 | SPICE - エンタメ特化型情報メディア スパイス (eplus.jp)

2024年6月1日(土)17時30分~、東京芸術劇場プレイハウス

電車が少し遅れかつ坐ることができず、足先は反ってしびれのきつい足にこたえましたがなんとか無事『未来少年コナン』を観劇することができました。三度目の東京芸術劇場、コスモポリタン池袋で相変わらず出口に最初迷いました。開演前に大急ぎでカフェにてコラボメニューをいただきました。劇中でジムシーがとても美味しそうに食べているボルシチと厚切りパン。器も物語仕様になっていて美味しかったです。なぜかこうして食べるパンの美味しいこと。贅沢しました。

 

 

 役者とダンサーによる究極の身体表現、観客の想像力に多くを委ねる抽象化された舞台装置、小道具をもつ黒子をみせる演出、効果音もすべて生演奏で右手袖で音を出しているところも全てみせているのは舞台の醍醐味。文楽とウエクミ先生の『フライングサパ』に通じる世界観を感じながら観劇しました。主演の加藤清史郎君、身体能力の高さを『るろうに剣心』で発揮していましたが今作でパワーアップ。足の指先まで超人的な身体能力をもつ野生児コナンそのもの、そして動くのひとつひとつがとても丁寧で綺麗でした。サメを追いかけて水中へほぼ垂直にもぐっていく冒頭の場面、幕のうしろで効果音を使って、ワイヤーでつられているにちがいないとわかっていても本当に海の中を自在に泳いでいるようにみえて素敵でした。ラナがコナンを助ける水中シーンでは、ラナが息継ぎのため海面に顔を出すところも効果音とラナの動きでリアルだったし、水中での泳ぎがコナンもラナもとても綺麗で珠玉の場面となっていました。クライマックスのラナを助けるべくコナンが壁をよじ登っていくシーンではワイヤーがみえていてもハラハラ、ラナを抱きかかえて高所から飛び降りるところもワイヤーに助けられつつ本当に抱きかかえていて着地したらギクギクなるところもアニメどおりに再現。コナンがラナ、ラナと呼ぶときの声の響きもとっても綺麗、二人が指さす先には実際には舞台にない世界がひろがっていました。実際に10歳ぐらい子役が演じることはむずかしい子供の心の世界はとても清らかで浄化されたような心持ち。影山優佳ちゃん、可愛いですね。鍛え上げらえたバネはバレエやってきたりしているのかな。

ジムシーの成河さん、ルキーニ以来、実年齢は清史郎君と親子ですが友達であることに全く違和感なし。二人が出会う場面も秀逸、楽しくて心に沁みました。南国の植物をのぼったりおりたり回ったり、植物に柔軟性があって動く演出が面白いと思いました。成河さんもかなり体が柔らかくて身体能力高いですね、驚きました。美味しいに食べるところがうますぎます。二人で狭い棚に入ったり出たり、小柄だからやれるのだと思いますが軟体動物のような柔らかさはびっくりでした。

椎名桔平さん、かつて日本が一億総中流社会だと信じ込まされていた頃トレンディドラマで名を馳せましたが渋いですね、長い長い説明台詞を物語として聴かせてくれるところはさすがの力だと思いました。

宮尾俊太郎さん、清史郎君とはTBSのドラマ以来で共演、バレエダンサーですが役者としても着実に力をつけてこられました。休演日に急遽ハリポタに出演したとかすごすぎます。舞台映えする背丈と身体能力にお鬚をつけたお顔は川崎真世さんと似ているようにみえたり。

モンスリーの門脇麦さん、コナンのYOUTUBEラジオを聴くとものすごく舞台映えのする素敵な声の方だと思いました。初見ですがこんな力のある役者さんがいらっしゃるんですね。

レプカの今井明彦さんも初見ですが立っているだけで説得力ある存在感。最後のコナンと対決する場面の三角形になった鏡だけを使った演出。コナンとレプカがそれぞれ乗る鏡をダンサーたちが柔軟に動かすことで現わされる二人の心情。万が一の時には身体能力の高いダンサーたちが受けとめてくれるようになっているのだとは思いますがギリギリのところで動いている感はより緊迫感を高めていました。

 

個性的な役者陣と身体能力の高いダンサーたちのぶつかりあいから生まれる舞台でしか味わうことのできない世界。原子炉枯渇、太陽光エネルギー、地殻変動、津波、プラスチックでつくられたパン・・・1970年代すでにこれらを描いていた宮崎駿監督はすごいですね。チケット代がなかなか厳しいですが今を生きる大人たちに観てほしい作品。現実はどこにも希望がありませんが、舞台には、劇場には、まだ希望が残されていると信じたいです。

清史郎君、舞台は初主演、ホリプロさん、グッズたくさん出してくれています。千穐楽まで無事に公演できるようにと祈ります。

 


2000年初演『エリザベート』プログラムより-一路真輝さん

2024年06月03日 13時18分28秒 | ミュージカル・舞台・映画

東宝初演『エリザベート』_一路さんインタビュー記事

「とうとうこの日が来てしまった!!そんな心境です。ウィーン、ハンガリー、オランダと、”エリザベート”を観た時のあの衝撃を、今でもはっきりと覚えています。あの感動を日本で、そして帝国劇場で、日本のお客様にお伝えできるのでしょうか!?

 不安と興奮の狭間の中、今、幕が上ろうとしています!!

”エリザベート皇后”の人生を、私の身体を通して皆様にお伝えしたいと思っています。」

 

「ウィーン・ミュージカル『エリザベート』とくれば、この人を抜きに語ることはできない。宝塚歌劇団在団中、タカラジェンヌとして初めて、ウィーンでフォルクス・オーパー管弦楽団とオペレッタのCDを録音してきたのを始め、宝塚バージョンとして日本初演された雪組版『エリザベート』(1996年)で、死の帝王トートを演じた。トートは、一路最後の男役で、退団公演を飾った記念すべき役柄でもあり、宝塚退団後、女優に転じた一作目の『王様と私』(96年)のアンナ約と共に、その硬軟際立った美的演技に対し、第22回菊田一夫演劇賞が贈られた。これまで、8回、ウィーンを訪れたという一路が、今回、男役でなく女優として『エリザベート』に主演することになり、「縁以上のものをウィーンには感じる」と話す所以である。しかも、ウィーンへ行くたびに街中にいるより、郊外で過ごしている時のほうが落ち着きを感じる自分自身を、「エリザベートの気持ちが胸に入り込んできているよう」と、分析する。

 演劇史上、ひとつの作品の主役を、いわば男女兼用で演じるのは、稀有なことだ。宝塚のトップスターで爆発的な人気を呼んだ初代トートから、ほぼ4年の歳月を経て、美貌の皇后エリザベートでお目見えする。「トートを忘れることからスタートして、年齢とともに成長していくシシィ(エリザベートの愛称)を素晴らしい楽曲とともに表現したい」と、語る。名古屋市出身。」

 


KEN RADIOの時間

2024年06月01日 20時30分31秒 | ミュージカル・舞台・映画

KEN RADIOの時間

2024年3月30日(土)18時~東京国際フォーラムホールA

 11列目でした。音が割れすぎてしまっていて聞こえづらいと感じましたが、ほどなくして修正されたのかもしれません。10分か15分ぐらいしてからは気にならなくなりました。生演奏、これ以上の贅沢はありません。

 懐かしい曲目白押しでした。日本がまだ元気だった頃、一億総中流社会とすりこまれていた頃、世界に発信していく力がまだあった頃、夢があると思えた頃。

 中森明菜さんの「少女A」を家入レオさん、「Desire-情熱」をみりおちゃん(明日海りおさん)、明菜ちゃん、16歳でデビューした時研音所属だったとのこと。リアルタイムでベストテンなどに出演していたのをみていた頃はわかっていませんでしたがものすごく大人っぽくて歌いこなすのが難しい、彼女にしか歌えない曲を歌っていたのだと今になってわかりました。「少女A」、家入レオさん初めて知りました、ハードル高かったと思いますがかっこよく歌いこなしていて、曲の素敵さを存分にひきだしていたと思います。「Desire-情熱」、みりおちゃん、宝塚を退団後初のコンサートで歌っても歌っていましたね。鮮やかな花柄のワンピースで気持ちよくノリノリで歌っていて、とってもかっこよく綺麗でした。

 「CHA-CHA-CHA」、石井明美さんがコピーした曲で男女7人夏物語の主題歌、バブリーだった頃明石家さんまさんと大竹しのぶさんの共演で話題をよんだドラマでした。歌った4人(福原・水谷・畑・尾崎:敬称略)、とっても可愛かったです。こんな可愛い娘ちゃんたちが実在するんだっていう感動、かなり稽古したであろうことがうかがえる仕上がりでした。石井明美さんも今振り返るとかなり大人っぽく歌いこなしていました。

 清史郎君が配信での予告どおり、たくさんの場面で踊っていてかっこよかった、こんなに踊れるんだってびっくりでした。大活躍でうれしい限り。ミュージカルコーナー以外でも、ゆん(古川雄大さん)とデュエット。「蕾」、わたしはテレビをみることはなくなった頃のドラマか、聴いたことあるけれど知っているようないないような、どこか懐かしさを感じさせる曲、素敵でした。

 最後は全員で「LA-LA-LALOVESONG」、木村拓哉さんと山口智子さんのロングバケーションに日本全体が湧きました。久保田利伸さん今どうしていらっしゃるのでしょう、懐かしいことしきりでした。

 司会をつとめていた福士蒼汰さんが背高くてめっちゃかっこよかったです。みりおちゃんとゆんと清史郎君を同時にみることができて、才能ある若い力にも出会えて楽しんだもんがち、現実を忘れて満足ののひとときでした。

 

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2000年初演『エリザベート』プログラムより‐井上芳雄さん

2024年05月25日 16時01分36秒 | ミュージカル・舞台・映画

「小学生のときに、「将来はミュージカルをやるんだ」と決心してから、はや10年近く。今回この「エリザベート」で念願の舞台に初めて立たせて頂きます。稽古が始まってから、自分のやりたいことができる幸せをかみしめると同時に、その大変さも実感する毎日でした。多くの方々に助けて頂きながら、今の自分が出せる精一杯の力でルドルフを演じます。この素晴らしいミュージカルに出演できることを感謝して。」

「エリザベートと皇帝フランツ・ヨーゼフの間に生まれた不運な皇太子ルドルフ役で登場するニュー・スター。1979年生まれ、20歳の清廉な若者である。現在、東京芸術大学声楽科に在学中で、本舞台には応募者1000人のオーディションの中から選ばれた。そのきっかけは、昨年、芸大で特別講師を務めた、本舞台の演出家、小池修一郎のミュージカル講義を受けたこと。「小学生のころからミュージカルに出るのが夢で、地元の福岡では中学から、ダンスと歌のレッスンに通っていました。そのことを小池先生にお話したら、ぜひ、オーディションを受けてみたらと・・・。その結果が、審査員の圧倒的支持を受けて、見事合格、今回の初舞台に繋がった。

 実は、夢の実現に向けて、この冬、オランダで上演されている『エリザベート』を見に行った。死の帝王トートとデュエットするナンバー「闇が広がる」の現地キャストの歌唱力に感動したという。プレッシャーは感じるが、本舞台では、「全力で頑張ります」と、新鮮な決意を述べる。その際、ウィーンにもよって、ルドルフのことを調べてきたそうだ。「資料や話から推測すると、ルドルフはすごく頭がいい人だったとか、愛に餓えていたのは本当だったとか・・・いろいろなことが確認できました。そんなルドルフの長身とソフトで甘いマスク、期待感一杯の新人。福岡県出身。」

 


ミュージカル『王様と私』-2024年4月23日

2024年05月12日 12時07分05秒 | ミュージカル・舞台・映画

THE MUSICAL CONCERT at IMPERIAL THEATRE』-ProgramC千穐楽(4)


『王様と私』、1996年9月6日-29日日生劇場にて上演。わたしが観劇したのは、前楽のマチネだったかな。外に出るとまだ明るくて終演後に明るいのは苦手だなあと思った記憶があります。プログラムを買わなかったし、チケットは何度目かの引っ越しの際に断捨離してしまったのでおぼろげな記憶。チラシだけは長い間残していました。共演はその後2000年初演から2012年まで『エリザベート』でルキーニをシングルキャストで演じ続けた高嶋政宏さん、本田美奈子さんも出演していました。

なつかしの本田美奈子さん

1996年の『王様と私』のチラシ。
宝塚を退団したばかりの一路真輝さんの東宝初出演作品ということで観に行きました。
本田さんはタプチム役。
こんなに細身の本田さんのどこからあんな声量がでるのだろうと思った記憶があります。
一路さんが昨年地方で上演された『王様と私』の舞台を観ながら美奈子ちゃんを思い出して
涙が止まらなかったと、ご自身のブログに書かれています。

 日本が大東亜戦争に突入したときアジア圏で西欧諸国から独立していたのはタイと日本だけ、日本はアジアを侵略しようとしたのではなく欧米列強からアジアを守るために戦った、日本で終戦となった後もインドネシアでは日本兵がオランダ軍と戦い独立を勝ち取った。戦後アメリカによっていかに間違った歴史観を刷り込まれてきたかを知ると素直な気持ちでみることはもうできませんでした。戦争屋が儲けるために戦争をつくってきたのがアメリカという国なのだとわかってきたのでブロードウェイミュージカルを観るのはもはやかなり複雑ですがみりおちゃんの舞台、わたしには最後の機会かもしれないし、今の自分でもう一度という気持ちもありチケットを申し込みました。2階席後方、運のいいことに端っこ。杖を使わないと歩くのがきつくなってからは初めての日生劇場。裏にエレベーターがあり丁寧に案内していただきました。ありがとうございました。おかげさまでなんとか無事に往復して観劇することができました。終演後は久しぶりにシャンテで長崎ちゃんぽん。

 朝月希和ちゃんのタプティムに本田美奈子さんを重ねていました。かなり高音のソプラノと劇中劇「アンクルトムの小屋」の「ジョージ~!!」に震えがきました。かなり負担の多い役。1996年の舞台では捕らえられたタプティムが鞭打たれているであろうことを客席に想起させるべく悲鳴が響くという演出でしたがなくなりました。タプティムとルンタの悲恋は、奴隷制度を続けているなど近代民主主義国家ではないという描かれ方かと思いますが、西欧列強の資本主義はアジアとアフリカ諸国を植民地とすることで反映してきたのだと考えるとアメリカ人からみたアジア、白人至上主義、アジア圏への差別を感じないわけにはいきませんでした。日本が模倣してきたイギリスもアメリカも実は近代民主主義国家などではないわけで、そのほころびが今ボロボロとでてきて崩壊しようとしている今この作品を日本で上演することの意味はなんだろうと考えるとただ笑ったり泣いたりではいられませんでした。イギリス人がタイ王室の裸足に驚くところとか西欧式の舞踏会をやろとしてわっかドレスにあたふたするところとか、どちらがいい悪いは別にしてあくまでもアメリカ人が描いたタイとは思いました。JFKが暗殺される11年前の作品。古き良きアメリカを感じさせる音楽は秀逸で何回聴いていてもずっと残るメロディライン。

 みりおちゃんのドレス姿と歌声とっても素敵でした。タカラジェンヌは姿勢がいいのでデコルテも背中も着こなしが綺麗だし、みりおちゃんの真ん中にたつ姿はとっても華やか。表情の豊かさもみりおちゃんならでは。お茶目で可愛くて美しくてかっこいいアンナでした。ほぼ出すっぱり、シングルキャストでこの役をやるのは大変なエネルギーを要したでしょう。かつて『エリザベート』を東宝初演からシングルでやり続けたいっちゃんもみりおちゃんも本当にすごいとあらためて思いました。北村一輝さんミュージカル初出演はびっくり、キングのエトセトラエトセトラエトセトラに高嶋政宏さんの声が脳内再生されていました。千穐楽近くだったのでみりおちゃんとの呼吸もかなりあってきていたでしょう。絶妙な間の連続に客席は湧いていました。最後キングは息絶えるという結末、こんな終わり方だったか、ちょっと忘れていました。王位をつぐことになる第一王子の子役がうまくて希望を感じました。第一夫人の木村花代さんがさすがのうまさ、存在感でうなりました。宙組OGの朝木陽彩ちゃんが本名に戻ってアンサンブルキャストで出演。キングの夫人の一人を演じていました。アンサンブルキャストのみなさまのダンスも素晴らしかったです。かなり稽古をつまれたと思います。劇中劇「アンクルトムの小屋」のジョージの仮面をつけながらのダンス、気迫が凄まじくどなたかと気になったところ酒井航さんだったようです。さすがです。

 有村淳さんの衣装に舞台装置は松井るみさん、生演奏はB席平日は5,000円で贅沢なひとときでした。配信ならではよさはあれどやはり生でしか感じることのできないものがあります。日生劇場も数々の心のエネルギーをもらってきた場所、天井を見上げたくなります。足の痺れがきついですがまだ機会に恵まれるでしょうか。

「リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン二世の代表作として、世代を越えて世界中で愛される本作は、1952年第6回トニー賞作品賞、主演女優賞を含む5部門を受賞。日本では1965年に日本初演を迎え、日生劇場公演は1996年9月以来、28年ぶりの上演となります。

価値観の異なる者同士が衝突を繰り返しながらも心を通わせてゆく姿、友愛の精神こそ、この作品の持つ普遍的なテーマであります。それを「Shall We Dance?」をはじめとする名曲の数々とステージングが、物語を一層盛り上げていきます。

欧米列強の干渉から国を守り、独立自尊と発展を目指す王様役には、圧倒的な存在感、色気とチャーミングな魅力、情熱あふれる演技力を併せ持ちミュージカル初出演となる北村一輝が主演を飾ります。同じく主演のアンナ役には、元宝塚歌劇団トップスターで、退団後も力強い歌声と華麗な表現力で主演舞台が続く中、テレビほか映像においても活躍の場を広げる明日海りおを迎えます。朝月希和、竹内將人、木村花代、中河内雅貴、今 拓哉、小西遼生ら、豪華プリンシパルキャストの参加も決定。そして演出を担うのは、数々の海外ミュージカルの演出から、オリジナルミュージカル、ショーやコンサートなど、幅広いシーンで活躍を続ける小林 香。

世界的な名作の伝統を受け継ぎつつ、多様な価値観に溢れる現代にふさわしい、新演出版の『王様と私』をお届けいたします。」

 

在任中の1963年11月22日にテキサス州ダラスで暗殺された(ケネディ大統領暗殺事件)。

 

日に日に広がりを見せる北村×明日海コンビの『王様と私』観劇レビュー – エントレ|演劇動画ニュース (entre-news.jp)

 


2000年初演『エリザベート』より‐山口祐一郎さん

2024年05月10日 01時07分26秒 | ミュージカル・舞台・映画

「D、オクターブ飛んで、DCC。エリザベート。名前の中に、人をこれ程、あっさりと魅了してしまうサウンドを持っているなんて。この作品との出会いは、心臓を突然掴まれたショックからのスタートでした。魑魅魍魎(ちみもうりょう)の皇帝、死、トート閣下。永遠の時の中で一人佇む男、女、物体、観念。だからこそ自在に表現でき楽しい。ケレン味たっぷりに、煩悩の権化となった仮面の奥で、一人の人間として深くエリザベートを愛せたらと思います。」

 

「ダブルキャスト、もう一人の<死の帝王トート>役。ミュージカル・シーンのヒーローとして、あまりにもぴったりなスターである。身長186センチ、剣道二段で趣味のスポーツは、スキーにゴルフ、水泳にウィンドサーフィン・・・。堂々とした体躯でいかにも力強いイメージのわりには、童顔をほころばす笑顔のソフトな優しさが横溢っしていて、まだにラブ・ソングを歌いながらの恋模様が似合う二枚目スターだ。そのくせ、照れ性なのか、いつもジョークばかり口にするオフと舞台上のアンバランスがまた、魅力である。今年2000年は、NHK大河ドラマ『葵~徳川三代~』で明け、出身の鹿児島弁が活かされた島津豊久役で登場、3-4月はここ帝国劇場で、ミュージカル『ローマの休日』の再演。大地真央アン王女とほのかな恋心を交わす新聞記者ブラッドレーを一段と雰囲気を増した男ぶりで演じていた。その後を引き継ぐ、本舞台の3か月公演だ。また年末には、お馴染み『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役で新年をまたぐカウント・ダウン公演に出演する。

 81年から劇団式で数々の主演舞台を踏んだ後、96年に退団、翌年の『レ・ミゼ』日本初演10周年舞台から、バルジャンの一人になった。続いて『ロマー』の初演とブロードウェイ・ミュージカル『カンパニー』に出演。同じトートで競う内野聖陽とは今年、NHKドラマ『昨日の敵は今日の友』で共演している。鹿児島県出身。」


KEN RADIOの時間

2024年04月23日 01時32分34秒 | ミュージカル・舞台・映画

2024年3月30日(土)18時~東京国際フォーラムホールA

 落ち着かなさ過ぎる毎日ですがなんとか無事に往復しました。久しぶりの日比谷でしたが往復したのみ。東京国際フォーラムはお手洗いが大変だとわかっているのにだるさと不安神経症でなかなか動けずぎりぎりでした。

清史郎君扱いの先行予約で11列目の中央寄り、『るろうに剣心』に続いてオペラグラスなしでもキャストのお顔がみえて、全体をみわたすこともできる席を用意してもらえてありがたいかぎり。みりおちゃんとゆんと清史郎君が同じ舞台に立っているのがとても不思議で得した気分になりました。3人の歌の力の確かさを再認識しました。やはり生はいいですね。みりおちゃん、すっかりスレンダー美人、キキちゃんが苦境に立たされていることにどんな思いを抱いているのだろうかと頭をよぎりましたが、諸々の現実をしばし忘れて楽しみました。みりおちゃんとゆんにこんな前方席で会うことができたのはおそらく人生最初で最後だったでしょう。

 

ミュージカルコーナーが最高に盛り上がりました。振付は桜木涼介さん。

『モーツァルト』より「僕こそ音楽」古川雄大

『エリザベート』より「闇が広がる」古川雄大・加藤清史郎

『王様と私』より「Sall we dance」古川雄大・明日海りお

『ロミオとジュリエット』より「世界の王」古川雄大・加藤清史郎・伊藤つかさ

「僕こそ音楽」、イントロが流れた瞬間、きたか~と客席の空気が沸き立ちました。もうみなさん聴き飽きていると思いますがとゆんが言っていましたがそんなことは全くありません。歌詞をじっくり聴くことができて新鮮な感覚でした。帝国劇場でやりますのでよろしくと。チケット争奪戦でしょう。

 

「闇が広がる」、『ルパン』の大千穐楽が近づいたころだったか、ゆんがこらえきれずにインスタで壮大にネタバレしてたので多くの方がこの曲だろうと予想できていたと思いますが、何十回聴いていてもなお新鮮でした。ルドルフで帝国劇場デビューしたゆんがトート、ちびルドだった清史郎君が青年ルドルフで『エリザベート』に戻って来て客席の集中力マックス。ルドルフがトートによって死へと誘われていく様が清史郎君の表情と歌の力でよく表現されていました。清史郎君の芝居力、すごいです、あらためて。

 

「Sall we dance」、みりおちゃん高音がきれいに歌えるようになって、ダンスも素敵でした。男役の中としては小柄にみえていましたがスレンダーで花柄のワンピースがよく似あっていました。そして細い。ここからこういってああいってこういった所にある日生劇場という所で4月9日からやっていますのでよろしくとみりお節。

「世界の王」、ゆんのロミオをこうしてまたみられるとは思っていませんでした。清史郎君がベンヴォーリオ、伊藤つかささんがマーキューシオ。若さと躍動感あふれる曲に盛り上がりました。

 こうして楽しめるのは日本という国の礎あればこそ。総理大臣がアメリカに日本人を売り渡し、WHOと製薬会社が日本人をモルモットにしようとしているという現実、この一見平和な世界はある日突然途絶えることになるのかもしれません。これからどうなるのだろうと思うと落ち着かなさすぎる毎日、足の痺れがひどいですが無事楽しむことができたことに感謝。備忘録、また後日もう少し書けるかな・・・。

帝国劇場の地下でお手洗いを使わせていただいてから日比谷駅へ、

(1) Xユーザーの湯葉さん: 「研音イベント3/30 KEN RADIOの時間 Pre Party 〜KEN MUSIC〜 MC兼ミュージカルコーナー有識者の古川雄大さん、サイコ〜でした! というメモ 福士蒼汰さんとの息もぴったりで、大奥コンビの絆ー!❤️‍🔥 https://t.co/D2McDps2A5」 / X (twitter.com)(1) Xユーザーの湯葉さん: 「研音イベント3/30 KEN RADIOの時間 Pre Party 〜KEN MUSIC〜 MC兼ミュージカルコーナー有識者の古川雄大さん、サイコ〜でした! というメモ 福士蒼汰さんとの息もぴったりで、大奥コンビの絆ー!❤️‍🔥 https://t.co/D2McDps2A5」 / X (twitter.com)

 

(1) Xユーザーのえ〜さん: 「修正しました❗️ #KENRADIOの時間 https://t.co/C0izql9Xzq」 / X (twitter.com)


2000年東宝初演『エリザベート』プログラムより‐スタッフ

2024年04月22日 01時29分24秒 | ミュージカル・舞台・映画

2000年東宝初演『エリザベート』プログラムより‐キャスト

脚本・歌詞    ミヒャエル・クンツェ

音楽       シルヴェスター・リーヴァイ

オリジナル・プロダクション ウィーン劇場協会

演出・歌詞    小池修一郎

翻訳       黒﨑勇 迫光

音楽監督     甲斐正人

ダンス演出・振付 大島早紀子

振付       麻咲梨乃

装置       堀尾幸男

照明       勝柴次朗

衣装       朝月真次朗

音響       渡邉邦男

歌唱指導     岡﨑亮子 林アキラ

演出助手     佐藤万里 寺崎秀臣

オーケストラ   ㈱ダット・ミュージック

指揮       塩田明弘 伊澤一郎

製作       岡本義次 坂本義和