たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

始まりがあれば終わりもある

2016年10月16日 16時46分34秒 | ミュージカル・舞台・映画
 ほかにも書きたいことありますが、ミュージカルの記事、連投。名古屋の中日劇場では、『エリザベート』2016年の旅が終わりに近づきつつあります。昨日は古川さんルドルフの千穐楽で、蘭ちゃんシシィと井上さんトートとの組み合わせが最後でした。今日は井上さんトートの千穐楽。始まりがあれば終わりもありますね。

 蘭ちゃんのブログに、ルドルフたちとのオフショットがアップされていてほっこりなっています。みんな笑顔のあったかい写真。ルドルフズがそろった写真はなかなかないので貴重なショット。


 蘭乃はなオフィシャルブログ 
 http://ameblo.jp/ranno-hana/entry-12210177228.html

 憲ちゃんルド、帝劇で会えなかったのほんとに残念。子役の成長はすごくって、名古屋で歌も演技も進化しているようです。会いたかったなあ。そうすけ君ルドは地方公演のみだったので帝劇では会えませんでした。2012年から観てきた古川さんルドルフ。小池修一郎という演出家と出会い、見初められたのも実力のうち。大きいと思います。『黒執事』の追加公演の抽選があたったので観劇予定です。おばさんがひとりで大丈夫でしょうか。今からドキドキしています。そんなこんなでミュージカルは心の糧。観劇は大事な心のエネルギー補給。自分を取り戻していく時間。やっぱりひたむきに生きなければと思える時間。

「千秋楽まで自分の想うエリザベートを生き抜きます。」
 
 蘭ちゃんのこの言葉にエネルギーもらっているわたしがいます。強いなあ。蘭ちゃんシシィを見逃したことを今さら後悔。観劇していたら花ちゃんとはまた違う芯の通ったエネルギッシュなエリザベートに出会えたようです。ただの少女が運命のいたずらで皇后になってしまった感がより納得のエリザベート像だったようです。舞台との出会いも一期一会。
 
 
 写真は全て東宝の公式FBから転用しています。








『ミス・サイゴン』_10月15日プレビュー初日

2016年10月16日 12時47分09秒 | ミュージカル・舞台・映画
2016年10月15日(土)18時15分開演。市村さんエンジニアラストラン。地を這うように生きる人々の物語。

 入口で違うの日のチケットを出してしまうしオペラグラスを借りようとしたら財布の中にお金足りなかったし、席に着こうとしたら他の人が間違えて坐っていたしで、わたし疲れているんだなあと実感しながら観劇。最後列だったので本国からきたスタッフさんや音楽監督の山口さんが舞台をずっと見守っている姿をみかけました。これから手直しが入っていくんでしょうね。歌の難易度がものすごく高い作品なんだとあらためて実感。アンサンブルのみなさんも少しも気を緩めることができません。(まあ帝劇で難易度が低い作品なんてないですが・・・。)

 市村さんエンジニア。この人がいるサイゴンの舞台にはやっぱり風が吹いています。「アメリカン・ドリーム」を歌う時のダンスのテンポの良さ。お若いです。間の取り方、エンジニアのしぶとく生き延びるいやらしさ。この人にしか出せない、いやらしい奴だけど憎めない、どこか共感してしまうようなエンジニア像。こんなエンジニアを待っていました。

 笹本さんキム。渾身の歌と演技。キムの生涯を思うとやっぱり心が痛くて、せつなくて、やりきれなくて辛い幕切れ。自分の命と引き換えに守ろうとしたタム坊やは、エレンとクリスに愛されたでしょうか。どんな大人になっていったでしょうか。母のことを覚えているでしょうか。

 クリスにはうーん、やっぱり共感しづらい。こういう人現実にたくさんいるんでしょうね。

 トゥイの藤岡さんの声量と歌のうまさにびっくり。

 一昨年キムだった知念さんがエレンをやっているの、なんとも不思議な感じ。エレンとキムの二重奏、対比はつらかったです。

 ドラゴンダンサーのアクロバティックなダンスとエリザのビジュアル系のトートダンサーのダンスとは全く違うんだろうなあ、なんてことを思いながらみていました。ダンサーとしてこの舞台に立つのも、すごくハードルが高いんでしょうね。初日なのでまだまだこれからパワーアップしていく予感。

 「ベトナム戦争は、初めて戦争の様子がテレビで伝えられた戦争だ。1975年4月30日、ニュースで北ベトナム軍の戦車が南ベトナムの大統領官邸のフェンスを突破し、建物に北ベトナム軍の旗が打ち振られる映像を人々は目にした。超大国アメリカと南ベトナムの敗北、サイゴン陥落を象徴する映像だった。

 そして、サイゴン陥落の混乱の映像もニュースで流された。北ベトナム軍の報復を恐れた市民たちが、アメリカ大使館やタイソンニュイット空軍基地に押し寄せた。離陸しようと滑走する飛行機にすがりつく人々、それを排除しようとする米軍兵士、今日が混乱を引き起こしていた。(略)そして、次々に飛来するヘリコプターが市民や兵士を搭載し屋上から飛び立ち、海上の空母に向かった。収容しきれないヘリは海上に投棄され、実質的にベトナム戦争は終結した。」

(公演プログラムより)。

 ヘリと映像を駆使した演出でクリスを乗せた米軍のヘリがフェンスにすがりつくキムを置き去りにしていく様子がよりリリカルに描かれていました。サイゴン、今のホーチミン。ベトナムの南側。わたし、前職のカイシャで海外にDHLなど送ることも多く、ベトナム宛の送付状もよく記入していました。ホーチミン市は、英語表記だと HoChiMinh City だったかな。三音。なんか面白いなあと思いながらいつも書いていました。HCMC って略して書くとDHLに怒られてました。日本からベトナムに行くのは、タイのバンコク経由。わたし、一度も海外出張に行ったことありませんが、海外出張精算や請求書を処理するために連日タイ航空の搭乗券をみていました。ベトナム航空の搭乗券もよくみていたし、ベトナムの通貨VND(ベトナムドン)の日本円への換算をしなければならないこともしばしばありました。VNDはゼロが多いんですね。1VNDは、0.0001円とかだったかな。それだけ価値が低いということなんですね。

 舞台を観ながら、超大国アメリカの有り様、カオスが深まるばかりの世界、今も戦争は続いているしキムやタムはきっとたくさんいる。今この瞬間も命の危険にさらされている子供たちはたくさんいる。強い国が弱い国の、弱い立場の人々を踏みつけにして生き残っていくという構図はかわっていない、などなど考え続けていました。アメリカという国、大統領選挙でやっていることの低俗さをみるとやっぱり好きになれません。(カナダの人々は同じ北米大陸でもアメリカと一緒にされたくないというプライドがあるとプリンス・エドワード島で聞きました。)

 前職のカイシャにいた頃はみなさんが出張にいくアジア圏には絶対行きたくない、なにがなんでもっと遠くに飛びたいというエネルギーで10何時間・20時間かけて地球の裏側に行っていました。ストレスをため込みながら一人で留守番している自分がみじめて仕方なく、年に一度遠くにいかずにはいられませんでした。ベトナム、タイ、カンボジア、ラオス、ネパール。いずれも一度も行ったことありませんが、出張精算やら書類やら、なにからなにまでカイシャで起こるありとあらゆることで毎日のようにお馴染みの国でした。出張に行ったことのない、しかもハケンだったわたしがタイバーツの表記を社員にきかれたし・・・。ちなみにタイバーツの表記はTHB。あはっ、まだ体に沁み込んでいますね。昨夜舞台を観ていた時には、一度行っておきたいなあと思いましたが、行ってみたいと思えるようになるまでにはやっぱりまだしばらく時間が必要みたいです。まだまだ半年余りと13年間では、わたしの中で13年間が圧倒的に勝ちです、残念ながら・・・。

 次回は23日に観劇予定。土曜出勤の翌日。長い長い一週間が始まる前日なんですよね。なんでわたしここにいるんだろう、なにやっているんだろうって不思議な気持ちになりながら、わたしなりにどうにかこうにか一日一日を生き延びる毎日。キムの歌声が今の心の中で響いています。
































ついでに『レディ・べス』の告知看板。