たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

ミュージカル『モーツァルト』-2024年9月11日

2024年10月06日 20時45分45秒 | ミュージカル・舞台・映画

ミュージカル『モーツァルト』-2024年9月11日

 ヴォルフガングを待ち続けるパパのレオポルドと姉ナンネールは発散するところのない辛抱の役。おだてに弱いヴォルフガングを案じるパパの声はヴォルフガングには届かない。市村正親さんの「心を鉄に閉じ込めて~」、ウィーンで成功したヴォルフガングを認めることなくザルツブルクへ帰ってしまう姿、ナンネールが生んだ孫をコロレドに紹介しようとするもヴォルフガングの才能を独り占めしたいコロレドの耳にはまったく入らない姿、切な過ぎて涙でした。ナンネールは音楽の才能がありながら女性であるが故に時代が音楽家となることを許さず、パパが貧しい相手だから結婚に反対だったと歌っているのは現在のお金にうるさそうな夫ではないということを今さらながらに知って納得。花總まりさん、和音美桜さんが鈴のなるような声で「プリンスは出ていった」を歌っていましたが大塚千弘さんもとっても可愛らしい声で、それでも自分を見失うことなく凛として生きていこうとしている生き様が伝わってきて涙でした。

 おそらく自身最後と決めてのぞんでいるであろうゆん渾身のヴォルフガング、2012年『エリザベート』の時、美しいけれど声も立ち姿も細すぎると感じたことを思い出すと山口祐一郎さんと銀橋で拮抗して堂々と歌っている姿は2021年よりもさらに感慨深いものがありました。作品に、役に、歌に育てられました。ヴォルフガングの投げた鬘がコロレドの大事なところにあたってコロレドがうってなるのはそういう演出なのか、日替わりのアドリブなのか気になるところ。『LUPIN』で共演している真彩ちゃんとの相性がよくて息あっていました。お互いに相手をどう出てくるのか信頼関係があってこそのその日その場かぎりの空気感。生きることってむずかしい、生きることって闘い、生きることって切ない、生きることって残酷、コロレドともっと上手くやっていれば田舎で地味ながら、もっと安定した収入を得られて安定した暮らしが担保されたであろうに、ヴォルフガングはほんとに生き方下手とつらつら思いました。でもそうでなければ今に残る曲たちは生まれなかったし、こうしてのちの世に語り継がれていくこともなかったし、それはもう神から与えれたものとしか言い得ようのない人生。「影から逃れて」が実際にパパ宛に書かれた手紙からきていることもまた今さらながらに知りました。人生の表と裏、光と影、真反対のいろいろなものが込められた歌なのだと。ヴォルフガングとしてどう生き、どう自分のものとして歌いこなすか、役者の技量がはっきりする歌。どれだけ歌っても終わりがないのでしょう。アマデしかもつことを許されなかった幼い日に皇帝陛下から頂いた箱、自らの幼い頃の才能=アマデを超えることはできなかったということか、つらつらつらつらと。解釈は人それぞれだと思います。

 史実はどうだったのか、井上芳雄さんラストの時のプログラムを繰り返し読んでいますがもっと知りたい。こちらの本日比谷シャンテの東宝ショップにありますが税抜前で2,800円。書籍もどんどん値段があがってきています。『ニュージーズ』観劇で日生劇場へいくときまた考えることにします。

 

 

 

 

ミュージカル『モーツァルト!』観劇レポート!「変化を感じ取っていただけるのでは」古川雄大が体現する3度目のヴォルフガング | THEATER GIRL

 

 

 


この記事についてブログを書く
« 尾身さん持ち上げ記事、コロ... | トップ | マスクであごにかかる負担は... »

ミュージカル・舞台・映画」カテゴリの最新記事