たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

花組『ポーの一族』_美の宝石箱(2)

2018年01月07日 22時56分18秒 | 宝塚
 年明け、わかってはいましたがすごいものにあたってふらふらになっがてからの三連休二日目、ようやく眠剤の異物感が抜けてきたでしょうか。美容院でヘッドスパを頼んだせいか体がだるくって、色々と書けていないことがありますが大劇場遠征の思い出し日記をぼちぼちと書いてみようと思います。乱視の度合いがまた変わっているのかな、コンタクトレンズが完全にあうことはないのでちょっとくらくら。

 初の大劇場遠征、次の日には凄まじい現実世界が待ち受けているとか、飛行機の時間があるとか気にしないでゆっくりしたかったですが仕方ないですね。食事をしていてお正月のウエルカム演奏を聞き逃してしまいましたが、どうにかこうにか無事に往復できただけでも幸い。無理をしましたが生きている間に一度は果たせてほんとによかったです。9月にチケットをゲットした時には次の収入の手立てがわからないままで実現できるのだろうかと不安でしたが、結果的にお正月休みを利用するということで落ち着きました。大会社の二人分労働もハードでしたが、今の心身のエネルギーを消耗するハードな仕事では、普通に土日利用では体力的に到底無理だろうなと思います。4日間体を休めてからの遠征だったので無事に果たすことができました。役者さんたちが一回一回命がけでつとめている舞台を観劇するにはそれだけの気力・体力・エネルギーが要るわけで健康な心身があればこそなのだとあらためて感じました。



『ポーの一族』、明日海りおさんの宝塚の男役としては背が低く細身なところが、永遠の少年エドガーを演じるには幸いしました。大人と子供の間で、メリーベルを守るため永遠の時を生きていかなければならないバンパネラ(吸血鬼)とならざるを得なかった葛藤を歌う声がザ男役ではなく、大人なのに少年性がにじみ出ていて、少年と大人の間の絶妙なバランスで、違和感なく永遠性を感じさせてくれました。昭和世代ですが原作を読んだことがないし、制作発表の動画も人物相関図もあまりみることなく事前情報を入れ過ぎないようにして観劇しましたが筋についていくことができました。バンパネラは死ぬのではなく消滅するんですね。老ハンナ(高翔みずきさん)が村人たちに襲われた時も、終盤、メリーベル(華優希さん)が正体を見破ったクリフォード(鳳月杏さん)にピストルで撃たれた時もさっと姿がみえなくなる演出でした。メリーベルの儚い美しさは本物のフランス人形のようで、エドガーがメリーベルを必死に守ろうとする姿に説得力がありました。バンパネラになる前の少年時代のエドガーが少年になりきっていて、可愛く美しい兄妹。この世のものとは思えない美しさで幻想的な世界観でした。カラーコンタクトをつけていたので瞳がブルーかな、グリーンかな、人間ではない感がハンパなかったです。

 「メリーベルがどこに行ったのか知らない」「人がどこからきたのか知らない」っていうエドガーのことばが響きました。人はどこから生まれてきてどこへ旅立っていくのか、普遍的な問いを観客に投げかける明日海さんエドガーの姿はバンパネラそのものでした。ポーツネル男爵夫妻も撃たれて消滅しひとりぼっちになったエドガーと、永遠の旅の道づれを求めるエドガーに、ポーの一族になることを決意したと告げる孤独な少年アラン・トワイライト(柚香光さん)。ふたりが手をつないでゴンドラに乗り、終わりのない永遠の時へと旅立っていく場面を一階席でみることができてよかったなあと思います。見上げるので二人が時空を超えた旅に出ようとするのを見送る感になりました。美しい場面でした。2階席だと感覚が違うだろうなと思います。アランがメリーベルに想いを告げる場面の、メリーベルの戸惑い、バンパネラだと告げられず苦悩する姿も美しく、アランとメリーベルの並びもまたこの世のものとは思えない美しさでした。”美”がつまった舞台でした。メリーベルを撃つクリフォードの敵役としての存在感、モテモテな医師の姿も絶品と、きりがありません。今はこれぐらいにしておきます。








ブレブレですが、役者さんたちの写真が並んでいました。東京宝塚劇場にはないので嬉しかったです。





外は晴れわたっていました。宝塚駅までの「花のみち」、時間を気にしながら、荷物を持ちながらでゆっくりと堪能できないまま帰路につきました。もう一回いきたいな。



お城に入ると売店やレストランがたくさんあってキラキラ、さらに進んでいくといちばん奥に大劇場の入口がみえるの、夢の世界へようこそ、入る瞬間、夢の扉をあける感覚。幸せでした。



宝塚ホテルに泊まりました。夜には気づいていませんでしたが、朝部屋の窓から大劇場がみえました。