行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

米国金融制度のほころび、ついに税金の投入

2008-09-08 16:03:08 | Weblog
昨年の8月、サブプライムローン問題が発生、それ自体はバブルがはじけて住宅ローンが返せなくなったのだと対岸の火事と見ていたが、金融工学なるもので債券の証券化がなされ、しかも名のとおりサブプライムの債券なので格付けが低いのでそのままでは売れない。格付けの高い他の債券と混ぜて格付けを高くして再証券化して全世界に販売、その額未だに40兆円から120兆円も残っているらしい。安い牛肉に脂肪分を注入してサシの入った高級牛として売るようなものだ。金融工学を崇めた影響で欧州では銀行が倒産、米国では3月にベアスターン証券が倒産、連銀の支援により金融恐慌一歩手前で収拾した。しかし信用収縮は全世界でおこり、日本でも最近、マンション業者が相次いで破綻したのは外資が資金を引き揚げたことが原因だし、健全な経営してる中小企業でも銀行が資金を引き揚げ黒字倒産が多くなっている。
米国は銀行などつぶれても政府が支援することはないが今回の政府系住宅金融会社のファニーメイ、フレディマックは米国の住宅ローンの半分を占め、その債券は外国政府や中央銀行も保有し、何とその額160兆円、この巨大さは共和、民主両党も支援をせざるを得ず7月に支援法案を通した。ポールソンは財務長官はかつてゴールドマン・サックス社の会長兼最高経営責任者だっただけあって世界の株式市場が底をついた時期を狙って日曜日というタイミングで大規模な資金投入を発表した。月曜日の今日東京市場日経ダウは400円も上がり、あいついで開いたアジアの各国市場も金融の安心感で値を上げている。
ポールソンは支援策を発表した時、両社は米監督当局の公的管理下に入り、財務省は両社の優先株を公的資金で買い上げて資本増強するけどこれは米国の国民と家族を守るためだと何回も強調していた。
米国の金融制度はほころんだ。金融工学は花見酒の経済と見た。これに共鳴した野村證券はじめ日本の銀行も痛い教育料を払った。
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