行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

グリーンジョブで雇用は増えるか

2008-09-12 00:16:31 | Weblog
米国大統領候補オバマ上院議員は公約の一つにグリーンジョブで500万人の雇用創出をするとしている。本日国際労働財団主催でグリーンジョブをテーマに国際フォーラムを開催した。欧米各国の労組代表は環境問題の取り組みとグリーンジョブの創出を報告したが環境を考えると雇用喪失も出てくるのでそのバランスに苦労している。例えばカナダ、労組としてはオイルサンドの生産反対を唱えた。その理由は大規模な環境破壊とエネルギー効率の悪さで、オイルサンドを露天掘りする面積は何と本州くらいの規模となり、2ガロンのオイルを生産するのに1ガロンの石油を使うという。ここでの雇用喪失をカバーするにはマニトバ州がやり出したように全家庭の窓を断熱窓に取り替える政策を推進して窓製作新会社を設立し、雇用を創出してることを紹介した。低所得層の家の窓は無料で取り替えると徹底している。各国の報告をみても、要は省エネを推進することで雇用を増やすことを追求している。冒頭の米国の場合は風力発電の適地が多く有望であり、バイオエタノールの生産も環境への負荷が少ないが土地の広い米国だから出来る政策だろう。各国代表が強調したのは新しいグリーンジョブに適応するために移行期における教育訓練の重要性だ。
日本でも省エネ推進で雇用は増やせるが構造変化にはこれまでも大規模な職業訓練を実施した。最近のガソリン高で予想外のことがいろいろ起きた。自転車通勤が増え、自転車生産が増えるといったことは小さな影響だが、漁業で考えると、大量の燃料を使う遠洋漁業から省エネの栽培漁業とか養畜漁業への転換の必要性が明白だ。オーストラリアではマグロの養畜がさかんで大部分は日本へ輸出している。遠洋漁業削減となると大がかりな構造変化となり、雇用政策が必要だ。消費者も欧州で普及しだした商品の売り場までに搬送される距離の少ないものを買うといった意識改革が必要だ。
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