行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

鳩山外交の重い課題

2009-11-16 18:46:41 | Weblog
CO2ガス25%減で華々しくデビューした鳩山外交、この点は世界の評価は予想以上に高い。ブッシュ政権だったら見向きもされなかったがオバマ環境熱心大統領に歓迎され、中国といえども無視できない状況だ。

今回のオバマ大統領来日であるが、ホスト(鳩山首相)がいない中でオバマ大統領は演説したわけだが、その中身は歴史に残るものだ。演説の冒頭、アジア歴訪で日本を最初の国に選んだ、アジア関与の基本は日米同盟、日本はアジア安定の基盤と持ち上げたが、米国は太平洋国家と宣言したのだ。そして中国の台頭に触れ、国際社会での役割拡大を歓迎するとし、米国はこれまで消極的であった多国間の枠組みに積極的に関与するとまで言った。

ここまでは日米友好は順調であるが、現実問題として小さな普天間ヘリコプター空港が大きな課題として残され、この取り扱い次第では日米間に緊張が走るだろう。社民党を含め、県外に移すと言ってるが具体的にどこへ移すのか案がない。暇になった関西空港移転といったブラックジョークも出てくる有様だ。沖縄の地元では急げと言っているが、県内はだめと言っている。解がない方程式だ。

シンガポールではメドヴェージェフロシア大統領との会談で鳩山首相は北方領土問題に触れ、メドヴェージェフ大統領に二島返還では解決しないと言明した。大きな課題に踏み込んだものだ。先般ロシアの専門家、石郷岡先生の話を聞く機会があったがロシア人と日本人の国境に対する考え方が違い、日本人のように固定の領土という概念は無く、国境は変わるものであるとの認識をしている。事実ソ連からロシアになり、国土の多くが分離独立して国境は様変わりした。だからロシア人は四島を不法占拠しているなどと思ってもいない。

これはロシアだけではない。先月南フランスへ行ったがニースなど19世紀、イタリアになったりフランスになったりしているので料理はイタリア料理ぽいものが多かった。独仏国境も戦争の度に変わっている。領土問題を平和裏に解決すれば鳩山首相はノーベル平和賞ものだが大きな課題を背負い込んだ。
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