行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

シーガイヤ、自然破壊のリゾートの末路

2012-02-25 18:41:54 | Weblog

シーガイヤは国の総合保養地域整備法(リゾート法)の第1号指定を受け、宮崎県と宮崎市、地元企業が出資する第三セクター「フェニックスリゾート」が1993年に開業。屋内遊泳施設「オーシャンドーム」や高層ホテル、国際会議場、ゴルフ場などを展開し、「バブル経済」の象徴とされた。2000年7月にはサミット外相会合も開かれたが、バブル崩壊と過剰投資で経営は赤字が常態化。01年2月にグループ3社で負債総額3261億円を抱え、会社更生法の適用を申請した。同年に米投資会社リップルウッド・ホールディングスが162億円で買収し、経営再建を進めていた。11年3月期の売上高は96億9200万円、2億4300万円の最終赤字。セガサミーホールディングスが買収するという報道があった。

シーガイヤの工事が1990年前後に始まり、出張で宮崎を訪れた時、美しい松林が根こそぎブルドーザーで破壊されるのを見て何が始まるのか理解できず聞いたほどだ。国と自治体が一体となった自然破壊でしかも、開閉式ドームの波のある海岸を模したプールを作ると聞いて驚いたのを鮮明に覚えている。都会の中の波のあるプールなら判るが、すばらしい海岸が目の前にあるのにわざわざ防風林を削り取り建設するとは人間の奢りと思えた。

当時の何かの雑誌に、自然破壊で作ったシーガイヤは必ず失敗すると書いたが、その通りの歴史だ。国際会議場も立派で、2004年国際自由労連の世界大会を開催した際、私も出席したが、ホテル代も食事代も高かったので宮崎市内のビジネスホテルに宿泊し、会議には通勤した。巨大な設備投資をすればコストが高くなり、利用しづらくなる。会議の出席者の昼食もホテルでは高くつくので、仕出し弁当を取ったのを覚えている。

人間が休養するために自然とふれあえるのがリゾートで、豪華な設備や巨大なプールは必要なかった。当時の金余りバブルがそうさせたのかもしれない。北海道のトマムなどもその類で、自然林が全く残されてないゴルフ場と高層ホテルで、風情もなかった。日本のスキー場リゾートの中には木を切りすぎて、夏になると無残な姿をさらけ出すところが多い。そのため、削った斜面に百合だとかコスモスを植えて冬以外にもお客を呼ぶ苦肉の策を取っている。

スキー場でも志賀高原は比較的自然との調和を考えているので夏訪れても癒される。

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