アップルの株価がついに500ドルを突破、まさに我が世の春を行く勢いで、大赤字のソニーやパナソニックと対照的だ。それ故に、野口悠紀夫教授は日本のメーカーもブランド力があるうちにアップルのように生産を世界最大のEMSフォックスコンに委託することを推奨している。
理屈は、コモディティ商品化したカラーテレビなどはスマイル曲線理論から、組み立て工程は利益が出ないのでその部分をEMSに任せろという。確かにそうしていたら設備投資負担が減少し、巨額の赤字は出なかったと考えられる。
しかしこのブログでも取り上げたが、iPhone,iPad生産の陰には悲惨な中国人労働者の犠牲がある。ニューヨークタイムスでもアップル製品の生産会社フォックスコンでの自殺者や爆発事故による犠牲者を大きく報道し、その事実を米国人の2%しか知らないと嘆いている。さすがのアップル社もフェアトレイド協会(米国)に加盟して誠意を見せようとしているが、中国人労働者の労働環境が劇的に良くなったとは聞いていない。
そのような実態を無視してソニーやパナソニックにアップルをマネしろとは言えない。日本でのものづくりがコスト的にあわないというより、アップルの新製品開発力に注目すべきだろう。今やスマホ最盛期に入ろうとしているが先行利益は当然アップルが享受している。次の製品は何が飛び出すかという期待でアップルの株価が500ドルを突破したのだ。