慣例の連合新年交歓会が日暮里のホテルラングウッドで開催され、私も招待され出席し旧交を暖めた。連合の新会長神津さんは金属労協現在のJCMの後輩で、タイ大使館での勤務もあり、若い頃から期待されたリーダーだ。元連合会長の高木剛氏もタイ大使館に派遣された経歴で、タイ大使館勤務と連合会長とは何か因縁がありそうだ。
冒頭、神津会長は挨拶でこれまでの月例賃金の引き上げは不充分でデフレ脱却にはこの春闘で中小企業や非正規労働者も含めた賃金の底上げ実現が必須だと強調した。連合会長としてははじめて日銀の異次元緩和について言及し、いろいろと言われているが、成功することが重要と日銀にエールを送った感。
今日の交歓会では多くの来賓が来られたが、政府を代表して塩崎厚労相は立場は連合と一緒で何としても賃上げをと訴え、最低賃金も毎年3%引き上げ、時給1000円を目指すと決意を述べた。今回初めて挨拶に立った黒田日銀総裁は「昨年はじめてこの会に出席したが、挨拶はしなかった。今回は2%の物価目標を必ず達成し、デフレ脱却をするためには連合の春闘がかぎを握っていると訴えたい。物価は上がれば良いと言うことでは無く、それに連れて賃金が上がらなければ経済は長続きしない。日銀はできることは何でもやる」と決意表明のような発言だった。経団連は工藤副会長が挨拶したが、デフレ脱却の必要性と労働生産性の向上を主張したが具体的な賃上げには言及しなかった。
本日限りでは、政労使銀が一致してデフレ脱却へ踏み出したが、大企業労組を中心とする連合が春闘の賃上げをかつての国民春闘といわれたように、中小企業や未組織労働者へどこまで波及させられるか新執行部の力量が問われる。政府も最賃1000円を言いだした以上実行できないとデフレ脱却は難しい。日銀のくり出す異次元緩和も玉不足が懸念されて、手詰まりではという疑問も出ている。それ故に黒田総裁は連合の新年交歓会で激励とも、自らの決意表明とも取れる挨拶をしたのだろう。