昨日オバマ大統領の最後の一般教書演説が議会であった。史上初の黒人系大統領の誕生でほとんどの日本人は目をむいた。その後、この大統領の評価は大きく割れてきた。私の知人の白人は当初から嫌っていた。多分共和党支持者なのだろう。当初確かに中国に対しては甘く、日本には冷たい感があった。それが2つの超大国で世界を仕切ると主張した中国に誤ったシグナルを送くり、南シナ海での埋め立て拠点づくりとなったと云われて批判を招いている。
その後、アジア重視を唱え、支持団体の米労働総同盟産業別組合会議(AFL-CIO)の反対を押し切りTTPに日本を引き入れ、成果を上げた。また、キューバとは歴史的な和解を達成し、反米の急先鋒であったベネズエラチャベス政権を倒し、中南米に影響力を拡大した。中国の覇権を意識しながらフィリッピンやベトナムには軍事拠点を置こうとしている。任期後半の外交面では目を見張るものがある。
内政面では、所得格差が拡大する中、国民皆保険、最低賃金時給15ドルなどこれまでの大統領ができなかった低所得対策を曲がりなりにも進めてきた。しかし米国の最大の恥部銃社会については何とか銃規制をと努力しているが巨大な銃器メーカーロビーの存在が壁となっている。また大統領が黒人系でも黒人への警官による暴行、射殺が繰り返されている。
経済面では、失業率は史上最低で完全雇用状態という評価がある一方、非正規社員が大部分だから賃金の改善は遅々と進まない。大統領の製造業の強化、輸出の強化はドル高になり、米国企業はせっせと中国や途上国に投資をし、さらにアップルなどグローバル企業の税対策で海外へ税収が流れている。オバマが救済したGMは昨年の中国での自動車販売362万台で外車販売トップに躍り出た。
やはり、評価は10年後か