行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日系キューバ人、深刻だった受難の歴史

2016-09-23 21:59:41 | Weblog

安倍首相がキューバを訪れ、記者会見では日系キューバ人がキューバへつくして頑張ったことは触れたが,真実の受難の歴史には触れなかった。医療機器を中心に無償援助を約束したが、日系キューバ人に対する倍賞に言及することは避けた。


日系キューバ人は戦前沖縄、広島、熊本などからキューバに渡り、荒れ地を開拓して砂糖きび栽培で何とか成功しかかったところに太平洋戦争が勃発、収容所へ送られ、苦労して築いた財産も没収されてしまった。
さらに戦後も持ち前の勤勉さで復活を遂げたが、今度はカストロの社会主義革命で資産をまたもや没収という過酷な運命をたどった。米国の日系人は米国政府より戦時の財産没収に補償金を支給されたが、キューバ政府はそんな余裕もない。米国の経済封鎖で日本政府も、キューバへの支援はプラネタリウムの建設など小規模なものであった。


私が初めて日系キューバ人のことを聞いたのは2005年頃国際労働財団在職時に岩田達明キューバ大使(当時)からのメールであった。岩田氏は「キューバには1500人とも云われる日系キューバ人が忘れ去られたような状態で居て、貧困のため衣類も満足に買えない。是非支援して貰えないか」という要請であった。岩田大使は赴任する前、国際労働財団の常務理事として途上国支援に尽力された経緯があり、そのつながりで私に連絡があった。ただちにいくつかの労働組合に呼びかけて中古の衣類を集め段ボールで送ったことを思い出した。

これからは苦難の日系人に対してきちんとした支援が官民挙げて行えるのではないだろうか。もちろん経済ベースでは日系人の協力を得てキューバ観光やメキシコのように製造拠点投資など、促進することも重要だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする