都議選の歴史的な結果についてマスコミはいろいろ書いている。共通しているのは安倍一強内閣の驕りが招いた敗北だということだ。もちろん都議会を牛耳っていた巨大勢力のボス支配が何でも出来ると驕ったことが第一の敗因であるが、取り巻く応援団のこれが日本の政治家かと呆れる言動も驕りからきたものだろう。
驕れるもの久しからずとは平家物語の有名な一節だ。
祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰のことわりをあらわす。
驕れるもの久しからず、
ただ春の世の夢のごとし。
たけき者も遂には滅びぬ、
ひとえに風の前の塵に同じ。
祇園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
沙羅双樹の花の色、
盛者必衰のことわりをあらわす。
驕れるもの久しからず、
ただ春の世の夢のごとし。
たけき者も遂には滅びぬ、
ひとえに風の前の塵に同じ。
盤石と思えた政権も、崩れ出すと早い。今日本に来ているブリューゲルの有名な「バベルの塔」はいろいろな説があるが、ノアの箱舟の後、どんな洪水でも大丈夫な高層シティを建設して、神の鼻の穴をあかしてやろうと最新の技術を駆使したわけだ。ところが高層階へ積み上げる段階で神は人間の驕りを罰するために崩壊させた。
歴史的に見ても人間は高い地位に昇り、権力や金力を握ると、驕り高ぶる。かつての秀吉が見事な見本だろう。現代民主国家では言論報道の自由が機能している国ほど権力者はマスコミ嫌いになる。マスコミと死闘を繰り返しているトランプ大統領はその典型だし、執拗にマスコミ批判を繰り返す自民党幹部も驕りの罠にはまってしまった。
日本には良い俳句があり、ことわざになっている。
実るほど頭を垂れる稲穂かな
実るほど頭を垂れる稲穂かな