行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

文科省役人の忖度、かつての上司まで攻撃

2018-03-19 22:33:03 | 政治
 今日の国会、名古屋市立の中学校で2月に前川喜平・前文部科学事務次官が授業の一環で講演したことについて、文科省が市教委に問い合わせた問題で、複数の自民党国会議員が文科省に授業の経緯などを照会していた。文科省は「名古屋市教委への問い合わせは文科省として判断した」としており、照会の影響を否定した。安倍首相は「承知していないので、お答えのしようがない」としらを切っている。事前に質問書が提出されている以上、自民党の誰が文科省に問い合わせをしたのか調べている以上、この答弁はおかしい。少なくとも調べますぐらいは国会の場である以上言うべきだ。何かこれ以上追求されると困ることがあるのでは無いかと思う。
 
前川氏はマスコミに「文科省が自ら行うとは考えられないため、外部から何らかの強い政治的な働きかけがあったのだと思います。教育に対する政治の不当な介入を阻む役割を負う文科省が、逆にそうした政治の介入に屈してしまったことは残念に思います」と談話を発表している。かつての部下が加計学園で行政の介入があったとして首になった上司に追い打ちを掛けたことに対し、嘆いている。安倍首相と鋭く対立した前川氏だっただけに文科省の官僚がまたもや忖度したとしか思えない。
 
戦後日本を支えてきた教育に対する国家権力の介入は許すべきでは無い。かつて、日教組が力を持っていた時代にはこのようなことは起こりえなかったが、日教組の組織率も低下し、見る影も無い。マスコミや国会が監視することが重要だ。朝ドラ「わろてんか」では軍国主義の下、漫才や映画への内務省による検閲が厳しい暗い時代が舞台だが、現代は検閲に代わり1強内閣への忖度が横行している。
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