日本経済新聞と一橋大学イノベーション研究センターが共同でまとめたイノベーション指数で世界の大企業320社を比較し、報道された。イノベーション指数は「組織力」、「価値創出力」、「潜在力」の3項目で構成する。各項目はそれぞれを構成する要素(注)の平均値でイノベーション指数は3つの力の合計点になる。
あまりにも総合的な指数なのでイノベーション指数というにはちょっと首をかしげるが、トップはアマゾンでベストテンには日本の企業は一社も入っていない。内9社がGAFAを含む米国企業で、残りの一社は中国のアリババで、11位にかろうじてトヨタが入っている。
あまりにも総合的な指数なのでイノベーション指数というにはちょっと首をかしげるが、トップはアマゾンでベストテンには日本の企業は一社も入っていない。内9社がGAFAを含む米国企業で、残りの一社は中国のアリババで、11位にかろうじてトヨタが入っている。
私は研究開発費や設備投資を要素とする潜在力がイノベーションそのものと思うのだが、アマゾン、サムスン、アルファベット、アリババ、京東集団がベストファイブとなっている。業界別で見ると、イノベーションというとITと電機業界が浮かぶが、ITでは米国と中国の企業でベストテンを占め、電機ではインテルが首位で6社が米国、あとサムスン、ASML(オランダ)、中国2社で、日本企業は入ってない。
自動車でみると、ベストテンにトヨタ、スバル、ブリジストン、日産、デンソーと半分を占め、気を吐いている。イノベーションをリードするITや電機で明確に日本は遅れている。この20年間イヤ30年間この二つの業界は停滞していたことが今更ながら確認された。特に貪欲に先端技術を米国から導入してきた中国に大きく水をあけられた。
原因は日本企業は金を貯め込むだけで研究開発費や設備投資に熱心でなかったことが原因だ。1980年代日本企業ではイノベーションブームが起きたのだが、かけ声だけに終わってしまった。当時、犬のションベンに終わるのではないかと揶揄するむきもあったが、現実はまさにそうだった。
注、イノベーション指数を構成する18項目
組織力
1外部取締役の割合
2女性取締役の割合
3取締役の平均年齢
4取締役数
価値創出力
5時価総額
6時価総額の5年増加率
7営業利益率
8営業利益率の5年増加率
9営業利益
10営業利益の5年増加率
11海外売上比率
12海外売上比率の5年増加率
潜在力
13研究開発費
14研究開発費の5年増加率
15販管費
16販管費の5年増加率
17設備投資
18設備投資の5年増加率
組織力
1外部取締役の割合
2女性取締役の割合
3取締役の平均年齢
4取締役数
価値創出力
5時価総額
6時価総額の5年増加率
7営業利益率
8営業利益率の5年増加率
9営業利益
10営業利益の5年増加率
11海外売上比率
12海外売上比率の5年増加率
潜在力
13研究開発費
14研究開発費の5年増加率
15販管費
16販管費の5年増加率
17設備投資
18設備投資の5年増加率