行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

SUVにいつまで乗れるか

2019-11-20 23:14:47 | 生活

2019年世界のエネルギー見通しが国際エネルギー研究機関から出された。焦点はCO2ガス排出量だ。温暖化で巨大台風が予測通りあいつで日本は襲われている。2040年まで持続可能なシナリオは気温上昇を1.5度Cに制限することだがかなり困難な状況になっている。現状のままだと2%の上昇だ。
報告書の中から注目点を抽出してみた。

風力発電と太陽光発電は、2040年までに定められた政策シナリオの追加発電の半分以上、および持続可能な開発シナリオのほぼすべてを達成できる。問題は化石燃料で、人口増、都市化の急増してるアフリカでは2040年までの石油消費の増加は中国のそれよりも大きく、近年行われた一連の大きな発見により、天然ガスの使用が大幅に拡大している。世界で最も豊富な太陽資源は世界全体の1%未満しか利用できてない。

急速に成長するアジアでは、経済に電力と熱を供給するために、石炭、天然ガス、再生可能エネルギーの3者間での競争が進行中だが、石炭は、ほとんどの発展途上アジア諸国の主力だ。新設の投資決定は急激に減速しているが、既存石炭発電所の閉鎖までには至ってない。

国家政策のシナリオでは石油需要は2025年以降著しく低下し、その後2030年代に横ばいとしている。しかし長距離貨物、海運、航空、石油化学製品に対する石油需要は増加し続けている。乗用車での使用は、主にEVによる燃料効率の改善と燃料切り替えのために、2020年代後半にピークに達する。バッテリコストの削減は重要な部分で、一部の主要市場のEVは、従来の自動車とは総所有コストベースでまもなくコスト競争力を発揮できる。
問題は最近のSUVに対する消費者の好みで、電気自動車のメリットを相殺する可能性がある。より大きくて重い車(SUV)を求める消費者の間で増大する欲求は、すでに世界の石油消費量に追加のインパクトを与えている。SUVは完全に電化するのがより難しく、従来のSUVは中型車よりも1キロメートルあたり25%多くの燃料を消費する。SUVの人気が最近の傾向に沿って上昇し続けると、2040年の石油需要の予測に1日あたり200万バレル追加される可能性がある。

太陽光発電は、国家政策シナリオにおける世界的な設備容量の最大の構成要素だ。風力および太陽光発電による発電の拡大は、2020年代半ばの発電ミックスで再生可能エネルギーが石炭を追い抜くのに役立つ、2040年までに、低炭素源は総発電量の半分以上を供給するだろう。風力発電と太陽光発電は優れたパフォーマンスを発揮しているが、水力発電(2040年の総発電量の15%)と原子力発電(8%)もシェアを維持するとしている。

ますますコスト競争力のある洋上風力プロジェクトは、2040年までに1兆ドルの投資を誘致するために進行中だ。この技術でのヨーロッパの成功は、中国、米国、および他の地域への関心を呼び起こし、持続可能な開発シナリオでは、洋上風力は欧州連合の主要な発電源として陸上の風力発電に匹敵し、欧州の電力部門の完全な脱炭素化への道を開いている。洋上風力が低炭素水素の生産の基礎となる場合、さらに高い展開が可能となる。

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