行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日本の大問題、賃金が主要国で最下位へ、春闘の課題だ

2021-02-22 16:46:32 | 労働

春闘の季節、連合は今春闘で「ベア2%程度」獲得を目指す方針を掲げた。しかし、主力の自動車大手では、ホンダ、マツダ、三菱自動車の各労組がベア要求を8年ぶりに見送った。「脱ベア」へ歩みを進めるトヨタ自動車の労働組合の賃上げ要求総額は月額9200円(昨年は同1万100円)で、ベアを要求したかどうかも公表していない。

コロナで大きく影響を受けるサービス業なら判るが、製造業は増益基調がはっきりしてきた。それを受けて株価も日経平均で3万円を超え、かつてのバブル株価を超える39000円も視野に入ってきた。企業の内部留保も400兆円を超え、賃金増の原資はたっぷりある。ベア2%+定期昇給2%ぐらいは実現可能だ。大手企業がそれをやらないかぎり、日本経済はどんどんと衰弱してゆく。

日本の大問題はOECDのデータで見ると年間賃金(ドルベース)で主要国の最下位になっていることだ。主要国12ヵ国を勝手に選択した。そしてこの20年間で韓国にも抜かれ、イタリアと最下位をあらそっている。2019年のデータは上からルクセンブルグ、スイス、米国、オランダ、オーストラリア、ドイツ、英国、スエーデン、フランス、韓国、イタリア、日本の順

日本の賃金は20年前とほとんど変わらない。労使の責任は大きい、この悪循環を何とか断ち切らないとコロナ不景気から立ちあがらない。春闘でしっかり賃上げをして、最低賃金1500円に繋げることだ。米国はバイデン大統領が先頭に立って最低賃金時給15ドルへ邁進している。韓国は批判を受けながらも最賃を引き上げ、労組もストを打ちながら賃上げを実現してきた。2015年には日本に追いつき、2019年には42000ドルを超えた。

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