行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

アップルの生産減に見る中国の変貌

2022-11-09 18:01:42 | 経済

市場調査会社トレンドフォースによると、先週アップルの主要下請けファックスコン鄭州工場のトラブルにより、12月四半期のiPhone出荷予測を以前の8000万台から200万から300万台引き下げたと発表した。現在、稼働率は約 70%、原因は6か月で最大のCOVID-19感染が発生し、保健当局がコロナウイルスの厳格な抑制に固執し、操業を停止したことからだ。

中国は、iPhone工場を収容する工業団地に水曜日、7日間の封鎖を開始するよう命じた。中国中部の鄭州空港経済区は、すべての住民の外出を禁止し、その地域内の道路では承認された車両のみを許可するなどの「サイレント管理」措置を直ちに実施すると述べた。

経済より政治を重視する習近平1強体制の見せたほんの一例で、中国経済の将来を取り巻く不確実性だ。これまで開放体制下、多くの企業が中国の安い労賃を求めて製造加工し、世界に供給してきた。アップルはその典型でこれからはそのシステムは通用しなくなる。米中半導体抗争はこれから本格的になる。開放政策から、転換した中国での経済活動は厳しいことになるし、米国の企業は撤退しだした。村田製作所が中国で新たな投資をするという報道があったが奇妙な感がする。

これまで中国は世界の製造工場として発展し、世界第2位の大国に成長したが、習近平1強体制になり変容した。中国にはかなりの投資をしてきた日本企業も国内回帰かインドなどへ展開するかアップルを他山の石とすることだ。

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