ビットコイン、イーサリアム、ソラナ、FTXトークンなど様々な暗号資産(仮想通貨)を取引する米国大手のFTXが破綻した。ソフトバンクやブラックロックといった機関投資家が出資しているので、日本のFTX取引所にも多くの個人が暗号資産売買をしており、虎の子の資金を預けている。何故破綻したのか詳細は判っていないが預かり資産が煙のごとく消えることは間違いない。
この数年、ビットコインなどブロックチェーンを利用した仮想通貨が株式や金への投資以外の分散投資先として推奨する投資家がいたが、このブログではよく判らないものには投資はするなと主張してきた。値動きが激しく、ビットコインで見ると、20年1月には1万ドルだったのが21年3月には5.9万ドル、6月には3.5万ドルに下がり、10月には6万ドルになり、この間儲けた人もいるだろう。しかし、今年の6月には2万ドルへ暴落した。これがFTX破綻のきっかけだろう。仮想通貨への投資は投機でギャンブルと変わりない。
先日、22歳の大学生が借金をして仮想通貨に注ぎ込み、自殺したと報道された。学資の足しにして親に楽させたいということのようだが痛ましい事件だ。株のディトレーダーも今のように専門家でも判らない値動きで破綻した人がここへ来て増えている。
投機というと、1630年代、オランダの富裕層でもてはやされたトルコから来たチューリップが貴重品として投機の対象となった。何年か前、オランダにチューリップを見に行って聞いた話だが、当時、球根価格が値上がりし、翌年とれる球根売買価格証紙が投機の対象となり、やがて年収10年分の価格へ急騰し史上最初のバブルとなった。ところが球根が不作に陥り、現物が渡せなくなり、価格が100分の一に急落してバブルが弾けた。日本でもバブルを経験し、土地価格は広い米国の6倍になった。値上がりすると人は熱狂し、冷静になれない、乗り遅れるのが怖いと言う心理が働きバブルは膨らむのだ。有名機関投資家も急騰する仮想通貨をポートフォリオに入れておかないと乗り遅れるとの焦りで買っているのだろう。それはもう投資というより投機だ。