資生堂 レディスオープン、山下美夢有が休場で、岩井ツインズの優勝を誰が阻むか注目された。岩井と同期の桑木志帆(20)が存在感を見せたいと首位を走ったが、桜井心那が最終17番、18番で連続バーディという離れ業で追いつき、プレーオフに入った。
舞台は18番パー4(364ヤード)。1ホール目はともにパーセーブし、迎えた2ホール目、桜井のティショットは260ヤード近く飛ばし、フェアウェイセンターへ、ピンまでは残り90ヤードの会心のあたり。桑木も負けじとティショットをフェアウェイに置き、2打目はピン手前4m弱につけた。櫻井はピン奥約2.5m。上りの桑木に対し、桜井の方がやや難しいラインだった。2人とも初優勝というプレッシャーの中でのパット、桑木のバーディパットがとどかず、桜井は下りだが強めに打ち出したボールはラインに乗ってカップイン。3位には岩井明愛が1打差で先週に続き涙をのんだ。
桜井心那はルーキーイヤーの2022年ステップツアーで5勝したステップ女王だけあって、最後まで冷静に闘った。プロ2年目の2023年1月には台湾女子ツアーの開幕戦「日立レディースクラシック」で優勝しており、ただ者ではない。今回の初優勝をきっかけに山下美夢有、岩井ツインズを脅かす若き新星の誕生だ。
19歳の桜井心那のゴルフは攻撃的で、プレーオフのコースでも250ヤード飛ばさないと超えない右バンカーの上を迷わず狙ってギャラリーの喝采をあびた。先輩の桑木志帆も飛ばし屋の方だが、このドライバーでかなりプレッシャーを感じたのではないだろうか。ここまで来ると心理戦になる。
2021年度のプロテスト合格組では、川崎春花、尾関彩美悠に続くツアーV、新黄金世代になるかも。次週は山下、岩井ツインズ等有力選手が全米オープンに参加するため、連続優勝も夢ではない。