トヨタは9日、集中回答日16日を待たずに組合要求に満額回答、しかし平均賃上げ額は非公開、一時金が年間6.9ヶ月だけは判った。16日の集中回答日では日産、ホンダ、日立、NEC等が満額回答で、今年の春闘へ期待を持たせた打揚花火だ。
しかし、各社の回答は定期昇給分(賃金構造維持分)とベースアップ(全員に同額を賃金引き上げ、賃金カーブを上方に移動)が明確に分けて表示しないケースが目立ち、正確には把握できない。日産は平均賃上げ8000円で2.2%増、一時金は5.2ヶ月、ホンダはベースアップ3000円で一時金は6.0ヶ月、日立はベースアップ3000円で約1%弱の増、一時金は6.1ヶ月、三菱は1500円で約0.46%増、一時金は6ヶ月、電機は定期昇給は2%前後だから平均賃上げ率は2.5~3%くらいか。
コマツは平均賃上げ6250円、3%増でその内3400円がベースアップ、日本製鉄は平均賃上げ9700円、3.2%増でその内ベースアップは3000円。上記一時金が不記載の場合は業績連動方式で発表してない。昭島に在る日本電子はベース賃金362422円(平均年齢38.8歳、勤続13.8年)平均賃上げ7291円(内ベースアップ800円)2%アップだ。
代表的な金属企業の回答を見ると、平均賃上げ率は3%前後と推測できる。今日のサービスセクターの多いゼンセンの発表では現時点で平均賃上げ率2.7%とのことで今年の春闘の傾向は昨年の2%より多少改善されるかもしれない。
1月の勤労世帯の収入は前年比2.2%増なのに対し、12月の一時金を含めた収入は5.5%増だった。自動車や電機では6ヶ月を超える一時金で、各月の賃金に比較し一時金のウエイトが高く、勤労世帯の収入全体にも影響していると思われる。このことはこれから一時金のウエイトの少ない中小企業や非正規労働者のように最低賃金が影響する層の賃金決定に当たっては考慮しなくてはならない。日本の労働者の大部分を占めるため、個人消費に影響するからだ。
本日の日銀総裁の会見では消費者物価上昇率は四月以降2%になることを示唆していた。実質賃金がプラスになるには最低限3%以上の引き上げが必要だ。
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