行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

劉暁波氏の散骨、権力者は何を怖がるのか

2017-07-18 22:34:38 | Weblog
獄中でノーベル平和賞を受賞した中国の民主化運動の象徴、劉暁波氏が亡くなったが、その後の習近平政権の素早い行動には驚かされた。火葬はともかくとして、即散骨とはしかもどこに散骨したかは明らかにしない。墓に埋葬すれば、多くの民主化を求める国民が終結するし、散骨の場所は聖地となるかもしれない。劉氏は民主的な立憲制度など当たり前のことを訴え続け、国家政権転覆扇動罪で懲役11年の厳しい刑を科され、獄死した。
 
報道するNHKやBBCなど海外からのニュースは黒色画面となり遮断され、国民の目を塞いだ。世界第二の大国のいびつさが浮き彫りになった。劉氏という1人の人間をかくも恐れるのは権力者の自信のなさを表している。しかも台湾や香港では自由に報道されていることも考えると13億人の国民の目をいつまで塞いでいることができるのか、モグラたたきのように押さえ込めると信じているのだろうか。
 
日本でもかつて、安政の大獄事件では、幕府の権力者にたてつく吉田松陰や橋本左内、梅田雲浜など思想家から僧侶まで処刑した。その結果幕府に対する反感は強まり、倒幕へと歴史は回天した。中国では劉氏以外多くの民主化を求める弁護士や香港の書店主まで獄中に繋がれている。権力者の焦りを見ていると夜明けは近いかもしれない。

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