メキシコとの準決勝、侍日本はエース山本が打たれ、5-4でリードされむかえた9回、先頭打者大谷は期待どおり、二塁打、ベース上で両手を挙げて吼えまくった。この気迫にベンチは奮い立った。相手投手は気圧され、勝ち越しのランナーになるのに、吉田を四球で一塁に歩かせてしまった(これがメキシコにとって最大の敗因)。次打者は今日全打席三振の村上、セオリーだと、バンドで送り、ランナー二塁三塁とし単打でも逆転が可能となる。
事実、村上は「バントもよぎった」と言っている。ところが栗山采配は日本の三冠王を信頼し『ムネに任せた。思い切っていってこい』だった。村上はこの一言に燃えた。これまで苦しんでいた高めの速球をはじき返し、左中間へグングン伸びた打球はフェンスを直撃、大谷翔平、代走周東佑京が生還し、劇的なサヨナラ勝ちで決勝進出を決めた。
大谷が吼え、ベンチが一丸となり、選手を信じている栗山采配に村上が応えた。またも列島は沸騰した。