2016年に入って誰も予想しなかった株の暴落、その犯人は中国と石油価格の暴落にあるというのが大方の見方だ。中国で何が起きてるのか?8月時点で書いたのは、元安を誘導した稚拙な金融政策だとしたが、その後中国政府や金融当局に対する投資家の懸念が中国経済そのものに及んでいるのが原因だ。
先ず、中国の生産者物価(PPI)は昨年12月まで46か月連続でマイナスとなり、しかもマイナス幅が次第に大きくなって、デフレの深刻化を示唆し、日本の例(雇用、設備、債務の3つの過剰)と同様デフレをもたらした異常な供給過剰に関する情報が次から次に出てきている。例えば中国で2011年から2013年までの間に消費されたセメント、コンクリートの量は、米国が20世紀中に消費した量を上回るといわれ、如何に設備投資が巨大だったかが判る。債務も中央政府と地方政府の債務合計は膨大で(ニューズウィークGDP比2倍の20兆ドル)、公的な投資や支援はできないという見方もある。
HSBC銀行香港の日本担当エコノミスト、デバリエいづみ氏の試算では、中国の成長率が0.5%ポイント低下すると、日本の成長率も0.4%落ちるという。そのわけは中国向け輸出の落ち込みよりも中国市場依存度の高いアジア新興国の景気減速が日本を直撃するからという。
日本の11月機械受注(民需)は前月比14.4%減と事前予想の7.9%減を大きく下回った。前月の大型受注の反動を考慮しても、マイナス幅が大きいのは中国経済の先行き不安が日本の経営者を直撃したと考えられる。
しかし、8月にも書いたが13億人のマーケットは依然として健在で中国汽車工業協会の発表によると、2015年通年の自動車販売は前年比4.7%増の2,459.76万台、生産は同3.3%増の2,450.33万台となり、伸び率は2014年通年と比べ販売が2.2ポイント、生産が4ポイント低下したものの、7年連続となる世界トップを保持している。これからの消費の伸びも多少は影響されるが、これからの5年間2位インドの5%をこえる6.3%(三井住友アセット予想)であり、楽観はできないが悲観することもない。
明日は何故逆オイルショックと云われるのかに触れる
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