行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

中東の激動源は石油

2016-01-11 22:50:22 | Weblog

サウジアラビアの激しい行動は何故なのか、ほんのちょっと前まで中東動乱だと、ホルムズ海峡封鎖が連想され、石油価格が急騰した。イランの国際復帰によるのか昨今の中東動乱が石油価格を下げている。サウジはシーア派の宗教指導者を処刑し、イエーメンでは激しい空爆を反政府軍だけでなく病院まで爆撃している。国王が替わったからなのか、遠い日本にいると理解しがたい。

ただ、この背景には石油という重要資源が絡んでいることは間違いない。昨年の石油価格急落は中東産油国に5000億ドル(約60兆円)の損害をもたらした。逆に言うとその分日本をはじめ石油輸入国へ富の移転があったことだ。この結果世界で最も富んだサウジでも財政に大きな負担を負ってしまった。サウジはこの現代では珍しく王政の国、民主主義とは全く縁のない国で、豊かさで何とか国を維持してきたわけだから国家存亡の危機といってもいいだろう。

絶対王政を嫌う米国も、ダブルスタンダードという非難を飲み込んでサウジ王政を支えてきたが、この3年くらいで、シェールオイルやガスの生産が急増し、サウジを上回る世界一の産油国になったという歴史的な変化が生じた。そして米国は中東の石油がなくても国家安全保障が維持できるということになった。米国の関心は中東離れし、イラク、アフガンから撤退し、イランとの関係修復に動いた。

イエーメン内戦でサウジとイランは政府、反政府で闘っているわけで、サウジとしては何としても米国を巻きこみ、イラン経済制裁に巻き戻したいことだろう。日本のマスコミはどっちに付くかなどと呑気なことを云っているが最大の石油輸入先サウジが崩壊したらどうするのか準備しておくべきだろう。

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今年こそは有休消化率100%へ

2016-01-09 18:52:18 | Weblog

経営者3団体が安倍首相の意向を受けて、賃金一時金、子育て手当などで年間所得が確実に上げるよう加盟企業に通達する旨を新年会で発表した。大変結構なことだが肝心なことを忘れて貰ってはこまる。それは有給休暇をきちんと消化して貰うことだ。このブログで何回か取り上げた旅行会社のエクスペディアの調査によると、世界最低の消化率から一つランクアップしてワースト2位になったとのこと。韓国と最低争いをしているとは情け無い。安倍首相は気がつかないが、働き過ぎの日本人が有給休暇を取れば、家族と旅行したり、ファミレスで食事をしたり大きな経済効果があり、デフレ脱却への一助となるし、労働者の心身の健康にも良く、一石二鳥となる。

エクスペディアは、世界26ヵ国、18歳以上の有職者(フルタイム、パートタイム、自営業)男女9273名を対象に行ったインターネット調査の結果を2015年12月に発表した。それによれば、日本人の有休消化率は60%。調査対象の26ヵ国中、80%を超える国が多い中、40%の消化率でワースト1位になった韓国に続き、ワースト2位という結果だ。この中には東南アジア諸国が抜けているが、これらの国では有給100%はほぼ常識だ。以前ブログ(2015・11・4)でも書いたが、日本の大企業でもホンダは有給消化率92.7%と労使がその気になればできる例で今年こそは賃上げと有給消化率100%を目指して、世界平均の80%を先ず達成して貰いたい。
今回の調査では、自分の有給休暇日数を知っているかという問いもあるが、53%もの日本人が、支給されている有休日数を把握していないという。2位は韓国の23%、3位は米国の16%と続くので、日本はダントツの1位で、先ず自分の有給休暇日数(新人を除けばほとんどの人が10日、勤続16年以上だと20日以上)を把握しよう。特に非正社員の人は把握してないと思う。

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不愉快な新年の幕開け

2016-01-07 23:44:43 | Weblog

政治史の学者が今を不愉快な時代と呼んでいたが、まさに今年の幕開けは不愉快なことだらけだ。中国の南沙諸島での民間旅客機運用試験に始まり北朝鮮の水爆実験ときた。この水爆の衝撃波の波形は前々回の原爆の波形とそっくり、素人が見ても北朝鮮が言っているように水爆だと断定できない。北朝鮮では水爆だと国中で喜んでいるけど、もしそうでなかったらどうなるのだろうか。開発研究者を処刑して済むような問題ではない。金正恩第1書記の失脚につながる。日本の置かれた立場は原爆でも水爆でも危険性は同じで、過剰反応は禁物だ。韓国でも同じこと言えるのだが、国境線でのラウドスピーカ宣伝の再開だけでなく、核武装論まで議論しだし、過剰反応をしている。

経済の面では、未熟な市場コントロールを始めた中国上海市場と、中央銀行による元安政策で、世界の株式市場は大幅ダウンに見舞われている。上海市場では7%下落したら市場閉鎖だと急に決めたものだから、売りたい人が急いで売ろうとして、今日は午前中で7%下落し、中国全土で株式市場は閉鎖されてしまった。おそらく今日売り損なった人は明日のマーケットで売ろうと殺到し、すぐまた7%ダウンになる可能性がある。そしたらマーケットはまたもや閉鎖、こんな株式市場見たことない。こんな未熟な中国当局の操作で東証はあっという間に1000円下落、ニューヨーク市場もダウ平均価格は3%下落し、10月以来17000ドルを割りこんだ。

日本の国会では、安倍首相が憲法改正に執念を燃やしているが、今時憲法改正をやるの?そんなエネルギーがあるなら、アベノミクスが破綻しないように3本の矢を仕上げる方が先だ。民主党も国会の中で軽減税導入を反対しているが、そんなことより大きな格差を生んでいる社会問題解消に焦点を当てるべきだろう。軽減税率は高所得者に有利というが、そもそも高所得者とは何をさすのだろうか?日本の税制は不公平税制で、所得の把握がキチンとされるサラリーマンに不利であることは既知の事実だ。1億の定期預金を持っている国民年金受給者はほとんど所得税がかからない低所得者になる。経済学者の言うように低所得者には定額給付をして、軽減税率を止める政策は理論は合ってても日本の現実では不公平になる。このブログで何回も書いたが欧州の知恵を学べば、軽減税率は是とすべきだ。

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連合新年交歓会、デフレ脱却へ政労使銀一致

2016-01-05 22:53:46 | Weblog

慣例の連合新年交歓会が日暮里のホテルラングウッドで開催され、私も招待され出席し旧交を暖めた。連合の新会長神津さんは金属労協現在のJCMの後輩で、タイ大使館での勤務もあり、若い頃から期待されたリーダーだ。元連合会長の高木剛氏もタイ大使館に派遣された経歴で、タイ大使館勤務と連合会長とは何か因縁がありそうだ。

冒頭、神津会長は挨拶でこれまでの月例賃金の引き上げは不充分でデフレ脱却にはこの春闘で中小企業や非正規労働者も含めた賃金の底上げ実現が必須だと強調した。連合会長としてははじめて日銀の異次元緩和について言及し、いろいろと言われているが、成功することが重要と日銀にエールを送った感。

今日の交歓会では多くの来賓が来られたが、政府を代表して塩崎厚労相は立場は連合と一緒で何としても賃上げをと訴え、最低賃金も毎年3%引き上げ、時給1000円を目指すと決意を述べた。今回初めて挨拶に立った黒田日銀総裁は「昨年はじめてこの会に出席したが、挨拶はしなかった。今回は2%の物価目標を必ず達成し、デフレ脱却をするためには連合の春闘がかぎを握っていると訴えたい。物価は上がれば良いと言うことでは無く、それに連れて賃金が上がらなければ経済は長続きしない。日銀はできることは何でもやる」と決意表明のような発言だった。経団連は工藤副会長が挨拶したが、デフレ脱却の必要性と労働生産性の向上を主張したが具体的な賃上げには言及しなかった。

本日限りでは、政労使銀が一致してデフレ脱却へ踏み出したが、大企業労組を中心とする連合が春闘の賃上げをかつての国民春闘といわれたように、中小企業や未組織労働者へどこまで波及させられるか新執行部の力量が問われる。政府も最賃1000円を言いだした以上実行できないとデフレ脱却は難しい。日銀のくり出す異次元緩和も玉不足が懸念されて、手詰まりではという疑問も出ている。それ故に黒田総裁は連合の新年交歓会で激励とも、自らの決意表明とも取れる挨拶をしたのだろう。

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昭和記念公園のお正月

2016-01-03 21:54:00 | Weblog

暖かい気候が続き、そろそろ梅でもと出かけたが、公園の梅林はまだチラホラ状態、花は日本水仙、蝋梅ぐらいだった

広場ではたこ揚げ大会、いつもと違い今日は冬特有の空っ風も弱く、よほどベテランでないとたこは揚がってなかった

 

日本庭園慣例の雪吊りと可愛らしい万両

 

蝋梅は見頃

 

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明けましておめでとうございます

2016-01-01 18:18:13 | Weblog

 ユーラシア最西端ロカ岬

快晴で富士山も白い姿を見せる中、いつものように泉の水で清めて諏訪神社に初参り、その後拝島大師へ11000歩のコース

分厚い元旦の朝刊2紙に眼をとおすと、ほぼ同じ内容、日本のマスコミは多少の見解の相違はあっても材料は同じ、国内だと参議院選挙がビッグイヴェント、ただ衆参同時選挙の可能性となると多少強弱はある。世界情勢では米国と中国の経済予想が中心で専門家の予想はビックリするほど同じ、中国の成長率もほぼ6%台、3%という人はいない。株価の予想も代わり映えしない。円ドル為替も120円~125円という人が多いからだろう。

外国人専門家の来年のコメントでは日にちは違うが、31日日経、元旦朝日で米国政治学者イアン・ブレマー氏が登場していた。多極化する世界の分析ではかねてより注目をしていた学者で、米国の知性を代表すると思う。日本の将来は大きなシンガポールを示唆しており、大いに共鳴するところだ。

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