行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

Missデビルとチコちゃんに叱られる

2018-06-10 18:59:59 | テレビ・映画

ドラマとかクイズ番組は見なかったのだが、この二つの番組かなりユニークなので今年に入って欠かさず見ている。
Missデビルは内容は荒唐無稽だが、まさに大人の劇画、主人公の菜々緒扮する人事部特別室長がデビルのように活躍する。へこへこする新入男子社員をこき使い、リストラ対象者を的中させる。その対象者は平だろうと管理職だろうと遠慮はしない。女と侮ってデビルを襲うものなら、長い足で頸動脈にけりを入れて気絶させる。この辺りは必殺仕置き人並みの迫力で、テレビ画面は長い足が占領する。リストラされた人達は会社を辞めて人生が明るくなったという結末でなんとなく視聴者はほっとする。
前回辺りからは、主人公達が所属する大手保険会社が保険金を支払わなかった陰謀をデビルがあばくというミステリーに展開してきた。その陰謀に社長が絡んでいるようでデビルは社長の首を取るのか興味深い。警察ものばかりのドラマや、不倫ドラマより見て爽快感がある。

チコちゃんに叱られるはNHK番組としては型破りで、クイズ番組の殻を破った。当たらないと「ボーっと生きてんじゃねえよ!」と5歳の子供に叱られる。クイズ番組でこのセリフが飛び出すとはそれだけでもユニークだ。プライドのある人は出演したがらないだろう。最近これを自分は使って、失敗すると「ボーっと生きてるので」と結構便利だ。
中身は興味ある事柄で、実に面白い。十二支は動物でなく植物由来だったとは!

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江戸時代の芸術的な人工の滝

2018-06-07 22:21:34 | 国内旅行

南房総への日帰りバスの旅、滝と枇杷狩りに行く、ランチは海鮮焼きとだけ聞いていた。最近の事情を知らない古い人間には、養老の滝ぐらいだろうと思い込んでいた。ところが最近注目されだした目的の滝は「亀岩の洞窟の滝」だった。最初の印象はミニ高千穂峡のようで、神秘的というものだった。しかし、ガイドから江戸時代に人工的に造られたと聞いて、大きな岩をくり抜いて滝を造るなどかなりの土木技術が必要で信じがたかった。調べてみると、約350年ほど前、江戸時代、久留里藩の藩主・土屋氏によってなされた新田開拓を目的とした河川改造の結果出来た滝だった。江戸時代、地方の小藩でも、新田開拓への投資が熱心に行われ、それに伴って土木技術が磨かれたのだろう。昨日の伊能忠敬の日本地図作成には多くの地域の人々が加勢したというNHK番組でも、地方の人々の技術力を評価していたが、南房総でも同じことが言える。

最初、上から滝を見たら普通の滝だった

下へ降りて前面に立つと洞窟の中の滝で、初めて見た。まさに芸術作品だ

江戸時代、新田開発というインフラ事業が、現代では観光地となって地域経済に貢献している。

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平和への平和フェローの巣立ち、その2

2018-06-05 22:53:51 | 海外

平和と安全保障のテーマで、英国からの平和フェローP氏よりタンザニアでの食糧安全保障について、ユニークなフィールドワークが紹介された。タンザニアは人口の87%が農業で、最近の気候変動で多くの作物の種類を毎年換えなければならない事態に遭遇している。従来だと聞き取り調査が主体となるのであるが、P氏はビデオカメラを各地の農民に貸し、自分達の生産物と生産過程を撮影してもらった。

そして撮影した情報量は聞き取り調査とは比較にならない膨大なもので、成果を今度は各地を回って上映会を開催した。農家は形ある成果を求め、自分達と異なる生産物や生産方法に刺激を受け、対話が生まれ、討論が行われ、ネットワーキングが構築できた。映像のインパクトは農業だけでなく、鳥の飼い方でも、こんな方法もあるのだと気付きが起きた。つまり、農民達の知識の共有ができたわけで、どこに支援をすれば効率が良いかも解ってくる。

アフリカではまだインターネットが普及してないが、将来は上映会がネット上に替わることになると予想される。それには電力などインフラの整備が必要だ。それにしてもビデオカメラを農民に貸し、自分の自慢するものを撮影させるとは目の付け所が素晴らしい。識字率が低いアフリカでのフィールド調査は難しいという概念を打破したのは若い研究者だからできたと言える。

平和と開発のテーマではS氏のシエラレオネでの鉱物開発での研究が印象的だった。シエラレオネでの鉱物開発はもっぱら儲かるダイヤモンド、金、銀と行ったものに集中し、道路などインフラには投資がなされてこなかった。農民は悪路で農産物の運搬に悩み、他の産業への影響も大きく、住民も交通に不便を甘受してきた。S氏は豊富にある花崗岩に注目し、これまで価格の安い花崗岩は見向きされなかったが、これを利用して道路を整備を提案している。政府、業界、個人が対話をし、環境破壊になる集中開発より、低価値の花崗岩などを開発することにより、住宅、道路を整備することにより雇用を生み、教育や生活向上につなげ、紛争防止に役立てられる。

かつて、ヨーロッパの植民地であったアフリカは鉱物開発で穴だらけと揶揄されてきたが、環境破壊を防ぎながら他産業の発展が紛争防止に役に立つ、それには豊富にある花崗岩が住宅になり、学校になり、道路になるS氏の提案は素晴らしい。

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平和探求へ平和フェローの巣立ち

2018-06-03 11:14:43 | 海外

昨日、ロータリー財団がICUと共同で実施している平和実現をテーマに研究している平和フェローが2年間の研修生が修士課程を収め巣立った。世界各国から8名の研修生は2年間の内9か月をテーマに沿った実習を現地で行い、昨日卒論の発表をICUの国際会議室で行い、その後卒業祝いのパーティを開催した。フェロー達はこれから平和に向けて実際に活動してゆく。今回は15期生で、すでに16期生がICUで1年間研究している。今年17期生が来日する。

私はバングラデッシュから来られたM君のカウンセラーを務めたのでそこに初めて参加した。平和フェロー達の真摯な卒論発表を聞いていると、なるほどと思うことが多かった。彼らのテーマは平和と安全保障、平和と文化、平和と開発の三つのテーマに分かれている。平和と安全保障の中で、これまで気がつかなかったことを一部紹介したい。

先ずM君の研究だが「気候変動と移住難民」で、今世界が問題としている移住難民のうち政治的難民が注目されているが、気候変動でも難民が発生しているとのことだ。温暖化で海面上昇や植生に変化が起こり、生活が出来なくなった人々が発生していると新たな問題提起をしている。もちろん各国政府はそのような難民の発生をまだ公に認めていない。彼の推定では、政治的難民と気候変動難民は最近では同数になっている。気候変動は先進国がCO2で発生させた歴史から先進国の責任を問えると主張している。
気候変動難民は国際的に発生しているばかりか国内でも発生していると考えられ、米国のような広大な国ではすでに発生していると指摘している。

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