アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

shig式譜読みメソッドで、ギロック攻略!!

2012年08月07日 | ピアノ
前置きが長かったけど、ようやく「譜読みメソッド」の話。
(前置き…「演奏者の裁量範囲って?」「ワルター・クリーンのモーツァルトの呪縛」「実は譜読みが不得意です」)

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「譜読み」作業の中で、私が比較的得意な部分は、
・五線譜から音の高さを読み取ってしかるべき鍵盤を押すこと
・同じく、音の長さが何拍分なのかを読み取って、リズムの「概略」を組み立てること
…だけ。

どんなテンポで弾くべきか、どんなフレーズ感で弾くべきか、というようなことは、楽譜から読み取るというよりは、テキトーに「聞いた演奏から」コピー。

というような人が、「shig式譜読みメソッド」を読んでみるとどうなるか。

最近、もやーと頭の中にあった、「ほんとうは楽譜ってこういう意味があるんじゃないか」と感じていたものが、
すぱ、すぱ、すぱーーーーっと
整理されてるんです。感動です。

まず、テンポ。LargoとかAndanteとか書いてあるわけですが、これは、(一分あたり)いくつからいくつ、とか決まってるわけではない。単に、一本のものさし上に整然と並んでいるものではないのですね。たとえば、AdagioとGraveは
「このふたつはどちらも「遅い」ように思われがち。」だけれども、Adagioは旋律を装飾たっぷり歌い上げることを指し、Graveは厳格に荘重に演奏することを指すとか。もちろん、shigさんの今回の書き物は薄っぺらいので網羅的には書いてないんだけど、「少しでも疑問に思ったらわたしの文章なんて頼らないで楽語辞典を調べる習慣をつけよう。約束だよ!」とあります(^^;;

また、拍子については「6/8を約分して=3/4なんてしちゃダメ! ダメったらダメ!」と書かれています(笑) これね、私がレッスンに行ってたころ、バッハのイタリア協奏曲の二楽章やってて、先生に「んー、ずいぶんよくなってきたんだけど、3/4になってない(6/8になってる)」とダメ出しされたことがあります。それで、具体的にどうすればいいのかがつかめなくてずいぶん苦労したなぁとか(いや過去形で書いてますがいまでもだいぶ謎)。

それで、いろいろある中で、私が読んでいていちばん「おおおぉぉぉ~」と思ったのは、
「音価の大きい音は、音量も大きい」「音量の大きい音は、音価も大きくなりやすい」のくだり。

つまり、(強弱記号やアクセント記号がついてなかったとして)全部の八分音符をきっちり同じ大きさ同じ長さで弾き、四分音符をきっちりその二倍の長さ(大きさは同じ)で弾くのが「楽譜どおり」って意味じゃないんだってこと

これって常識なの? みんな知ってたの?? 知らなかったの私だけ??

少なくとも、私は子どものころピアノを習っていて、とにかく「エリーゼのために」まではきちんとレッスンに通っていたんだけれど、楽譜からこれこれこういうフレーズが読み取れるっていうことについては明示的な説明がなかった。だからといってすべてを平板に弾くという意味ではないんだけど。

なんというか…ちょっと押す引く、リズムのゆらぎとかはすべて「演奏者の裁量」で勝手にやってることなのかと思っていたというとさすがに大げさかもしれないけど、いってみればそんな感じ。

そうではなくて、ちゃんと美しいフレーズが…ニュアンスが…楽譜に書き込まれていたんだね。

ということが、なんだかとっても、私にとってはコペルニクス的転回でございました。「あっそうか」と思った瞬間、ワルター・クリーンのモーツァルトのことが頭に浮かび、それがいくらすばらしくても、ある演奏にしばられるのではなく、楽譜を忠実に読み取ったうえで私の演奏をすればいいのだ、というふうに自分なりにまとめられたのです。

折りよく、「ギロック」というきっかけもあり、音源を聞いてまねするのではない譜読みをちょっと試してみようかなと思っています。

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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2012-08-07 22:56:02
「音価の大きい音は――つまり、――ってこと。
のくだり。

私がピアノを習っていた間じゅう(年数はともかく、それで身を立てようとかコンクールに出ようとかいうつもりはまったくなく、全くの趣味で…でしたが)、繰り返し言われた(学んだ)事ではあったと思います…
…という意味では「(わりと)常識で(結構)みんな知っている」のかなぁ…と。
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Unknown (トマト)
2012-08-08 17:51:09
レッスンではハノンに似て非なる教本を使って、指作りの練習をしているのですが、「音価の大きい音は、音量も大きい」については、多分一番最初の段階から繰り返し言われ、そのための弾き方についてはうるさく言われてます(^^)。

常識かどうか、どの先生でもそんな風に教えてくれるのかは、わかんないですけど、少なくとも、ピアノを習うまでそれを明確に意識したことはありませんでした。ただ、管楽器だと、自然にそうなりやすい気もしますが…。
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> Unknownさんへ (アンダンテ)
2012-08-08 20:01:48
おぉ~
そうなんですね。

私はなんとなく、そういうのが自然に感じてはいたのですが、それが公式見解(^^;; だということを習ったことがありませんでした。理屈をいわないタイプの先生だったからかなぁ??
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> トマトさんへ (アンダンテ)
2012-08-08 20:05:04
きちんと教えてもらってるんですね~
…そっかーそのほうがふつうなのか??

というか、私は(だいたい)そのように弾いてるし大人だから、当然知ってるものとして華麗にスルーされたのかも(^^;; という気がしてきました。

ほかのこともそうなんですが、体感的にはだいたい「知って」いたことなんです。でもこうやって明示的に教えてもらったことはなかったし、こうまとめられているとほんと新鮮でした。「やっぱりー。そんな気してたよ」
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Unknown (shig)
2012-08-09 00:45:36
あの小冊子、ある意味「当たり前」のことしか書いてないんですよ。
読み返して「当たり前だよな~」と思いつつ、ただそれを体系的に整理することに意味があるのかなと思って書きました。
わたしの語り口に新しさがあるとしたら、基本リズムパターンの組み合わせであらゆるリズムが読めるという話と、言語とアーティキュレーションとは対応しているという話くらいじゃないかな。それらも、整理しなければ価値はないんだけど、敢えてその「当たり前」が徹底できてない演奏が案外多いということを考えると、それなりに意味はあるんじゃないかなと思ってます。
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Unknown (トマト)
2012-08-09 10:38:32
>というか、私は(だいたい)そのように弾いてるし大人だから、当然知ってるものとして華麗にスルーされたのかも(^^;; という気がしてきました。

そうだと思いますよ。私はこの年になって初めてピアノを習っているので、それこそ椅子の座り方から懇切丁寧に教えてもらっています。その辺り、再開組の人とは多分すごく違うんじゃないでしょうか。そんな「当たり前」のことを今さら教わる、教えることに対する躊躇は双方多少なりともあるだろうと…。

shig式メソッドは、大人にすごく役立つテキストだったと思ってます。それがたとえまったくの初心者であれ、小さい時からピアノを習ってきた人であれ、私のように他の楽器をやってきた人であっても。特に今まで経験的に音楽に触れて来た人は程度の差こそあれ、何かぼんやり感じているものを言葉で整理してもらうことで意識化しやすくなるんじゃないかと(^^)。…と自分で自分の首を絞めてみる(^^;;
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> トマトさんへ (アンダンテ)
2012-08-10 23:16:44
再開組といっても、理屈抜きの子ども時代から、一気に30年飛んで、説明する時間もないヤマハ30分レッスンときて、実はものすごく白紙に近いということに気づく今日この頃(^^;;

shig式テキスト、必要なことをぎゅっとあの薄さにまとめたのはスゴイ。しかもわかりやすい!! トマトさんも私も、理屈はともかく音楽には触れてきたわけで、あぁゆうとっかかりがあればそれですごく助かりますよね。
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> shigさんへ (アンダンテ)
2012-08-10 23:18:51
> ただそれを体系的に整理することに意味があるのかな
そうです(きっぱり)

ウマいです、ほんとに!!

> 敢えてその「当たり前」が徹底できてない演奏が案外多い
そうかも…そうかもしんない…
(と、納得いく演奏を求めてYouTubeを探し回ったばっかりなので)
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