たかあきの竜は紅葉の共鳴ドラゴンという品種名です。気性は闘竜で、用途は朗読役です。
脚の筋を痛めて引退することになった闘竜を引き取ってきた親父は、コイツの鳴き声には深みを感じると朗読を仕込み始めた。しかし竜は声が良くても滅多に鳴き声を上げず、そのうち持病で入院した親父の教育は無駄になったと誰もが思った。あの日親父の葬式で、竜が坊さんに合わせて読経を唱え始めるまで。
脚の筋を痛めて引退することになった闘竜を引き取ってきた親父は、コイツの鳴き声には深みを感じると朗読を仕込み始めた。しかし竜は声が良くても滅多に鳴き声を上げず、そのうち持病で入院した親父の教育は無駄になったと誰もが思った。あの日親父の葬式で、竜が坊さんに合わせて読経を唱え始めるまで。