カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・悪魔の食事に手を伸ばす修道士のステレオグラム

2021-04-16 22:15:35 | 突発お題

 俺の飯を食うのは構わんが、異教の神話で語られる冥王に連れ去られた娘が冥界の果実を口にした結果どうなったかをお前は知っているのかと奴は嗤い、私はそれでも彼のボウルに手を伸ばした。それは勿論ただ空腹を満たす為だけではなく、未だ知る事のない罪の味を知る為の行為だった。
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骨董品に関する物語・病める悪魔のステレオグラム

2021-04-16 22:13:46 | 突発お題
 悪魔は概ね顧客に欠陥のある商品を売りつけるセールスマンのようなもので、その為の手練手管が不得意な悪魔は決して人間の魂を得ることが出来ず、人間界より更に過酷な魔界のノルマに対応しきれないまま磨り潰されていくのだが、最近の人間は悪魔を魔界から呼び出す方法も知らない。

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名探偵の解答その46・美しき想い出は永遠に

2021-04-16 20:12:21 | 名探偵の解答
事務所を開設したばかりの新米探偵であるたかあきに、幼馴染から『奇麗な小夜曲』事件解決の依頼が入りました。今回の事件は意外に悲恋のようです。

 仕事を選べる立場ではない新米の僕でも、なるべくならやりたくない仕事というものがある。幼馴染から依頼された、夫と離婚して以来女手一つで自分を育て、現在は重い病の床に伏している母親の、若い頃に一度だけダンスホールで踊った初恋の相手を見付けて欲しいなどというのは、予想される結末から言ってその最たるものの一つだと言えた。
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