カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

店の名は琥珀亭・結婚するって本当ですか

2017-05-03 20:55:35 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【呼ぶ声は遠く】というテーマで創作してください。

 祭の演奏を聴いて以来楽師のことが気になって仕方が無いと相談を持ちかけてきた娘に対して、別に良いんじゃないのか、おれは一向に構わんぞと答えた店長に、今度は楽師が一体アイツに何言ったんですかと泣き付いてきた。いきなりオレに向かって父ちゃんが認めてくれたから結婚しようとか言い出したんですよと続ける楽師に店長は実にあっさりと答える。
「別に良いんじゃないのか、おれは一向に構わんぞ」
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店の名は琥珀亭・祭りの後、或いは後の祭り

2017-05-02 21:07:59 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【想いは飽和せず】というテーマで創作してください。

 祭の全行程が終わると、監督と先生は琥珀亭で打ち上げを行う。連日の大入りに疲弊しきった店長が最後の力を振り絞るかのように作った料理を前に一大反省会を始めて、最初のうちはアレは上手く行った今度はこうしようという建設的な意見も、酒が入るにつれてどうしてああ出来なかったあの演出の此処が不満だと罵り合いになって、他の客の邪魔になるから余所でやれと店長に摘まみ出されるまでが毎年の恒例行事だ。
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店の名は琥珀亭・つばさなきもの

2017-05-01 20:43:14 | ワンフレーズで創作お題
たかあきで【指の意味】というテーマで創作してください。

 祭の三日目である最終日は謡が最高潮となり、三線の弦が弾かれ、鈴が鳴り、太鼓が打ち鳴らされ、澄んだ女声が響き渡る中で会場の熱気は否が応でも高まる。
 そしてその調べが終わった直後、整然たる沈黙に拍手も忘れた祭会場に立つ人々の殆どは我知らず天を仰ぎ見る、そして光り輝く白い羽根を散らしながら逆光の中から舞い降りてくる天使の影を幻視しながら、決して触れることの出来ないその姿に向かって指を伸ばすのだ。
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