のち 最高気温23度。
5月29日。午後7時。
薄茶色の水が沈下橋の橋脚にぶつかり、
「ざぁざぁ」と音をたて僕の足下をスバヤク流れてゆきます。
ケータイで「0120ー27ー5430:ダム放流情報」を聞ききました。
「19時00分現在、
佐賀堰堤(家地川ダム)津賀ダムの合計放流量は980㌧。現在放流量は増加中」
降りはじめからの総雨量は、上流の窪川で270ミリ。
5月29日 昼さがり。
足摺岬の南を北東にすすんだ台風2号は、その後熱帯低気圧に。
四万十は、朝から昼頃にかけて風が強まり、激しい雨もふりはじめました。
雨は、午後2時頃いったん上がり、雨雲の切れ間からチラチラと青空も見えました。
「それっ」4日間も雨に降り込められ走れず
体がうずいていた僕は、急いで短パンに着替え水たまりの路上にとびだしました。
吹きかえしの強い風に木々の葉が舞い、風に散ったバラの花が水たまりに浮かんでいます。
折り返し地点で、また雨が降りはじめた。そしてドシャ降りに・・・。
家に着くころにはパンツまでずぶ濡れ。顔を流れるしずくがやけにしょっぱい。
風呂を沸かし、あたたかな湯につかりながら雑誌のコラムを読む。
そこには、こんなことわざが紹介されていました。
『英語には「4月の雨が5月の花を咲かせる」ということわざがあるそうです。
April showers bring May flowrs
雨(困難)に耐えていれば、いつか美しい花が咲く(良いことがある)とも解釈されます。
5月の花とは、困難な先にある希望のことなのです。
そういえば、かつて、
自由を求めてヨーロッパからアメリカを目指した人々が乗ってきた船の名も「メイフラワー」でした』
「梅雨の雨が、8月のヒマワリを咲かせるのだ」
外で吹き荒れる雨と風の音をききながら、僕はひとりつぶやきました。
翌30日は午後から晴れて、久しぶりに太陽が顔をみせました。
今回の増水は、ホタルの数に多少の影響をあたえるかしれません。