最高気温27度。
コーヒー牛乳色の水が、ザァザァと沈下橋の上を流れてゆきます。
いつものゆったりした四万十川の流れは、今はもうどこにも見えない。
川は、平水時より5メーターほど増水。
この増水は、足摺の南を足早に駆けぬけていった台風4号の置き土産です。
先日の梅雨前線の低気圧、今回の台風、明後日やってくる熱低。
「うーん、川は5メーター増水、3連チャンか・・・」
台風の進路にあたるコトがよくある四万十は、雨量がおおいところ。
その年平均降雨量は、(流域のおおいところで)約3500㍉(年平均気温は19度)。
川は、年に3~4回沈下橋が浸かるほど増水し、時に10メーター以上も増水します。
沈下橋が浸かるほど川が増水すれば、カヌーツアーは中止に(平水+2メーター以上で中止)。
カヌーツアーを行えるようになるのは、増水のピークから2日~3日目以降となります。
*そのときの水の引き方で変わります。
カヌーツアーにはザンネンな大きな増水ですが、水が引いた後には良い面もみられます。
・魚や手長エビなど、川の生き物が大きく移動するので、川漁がふたたび活発に。
(増水時の魚は、水中の流れがゆるい場所にヒナンしたり、中には一旦海まで下ってしまう魚も)
・コケがついてた川底の石が、ゴロゴロと大水に転がされ、古いコケが落ちる。
その後、新しくついたコケを食べたアユは、香りがよくなる。
・川底が洗われて、水の透明度がグンと良くなる。などなど。
そんな、時々あばれる四万十川は、淡水魚の種類も多い川です。
190種以上(最新の調査では)の魚種が確認されてます。
・アユ・コイ・ゴリ・フナ・ナマズ・サツキマス・雑魚(ハヤ、カワムツ、オイカワなど)
ブラックバス、ブルーギル(外来魚)なども生息してます。
以前、夏の中流域の深場にもぐった時、とてもビックリしたことがあります。
それはそこに、タイのような魚の群れをみたから、あれれ?
「ああっ、それはキチヌやろ~」と教えてくれたのは近所の川漁師のおんちゃん。
四万十川は・キチヌ・イサキ・ボラ・エバ・スズキなどが
(海や汽水域に生息する魚たちが)川の中上流域でも見られるユニークな川なのです。
*これらの魚は、春に川をのぼり秋に川をくだります。
雨空のムコウには、もう真夏の太陽がギラギラと輝いています。
ザブーン!とあなたも川に飛び込んで、四万十川の魚たちとたわむれてみませんか。