あるBOX(改)

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思い出の名勝負「J・C・チャベスvsR・メイウェザー第1戦」

2011年03月08日 | ボクシング
ネバダ州ラスベガス リビエラホテル
1985年7月7日
【WBC世界Jライト級タイトルマッチ12回戦】

王者:フリオ・セサール・チャベス(22才)44勝40KO無敗
※TV字幕の38KOは誤り

1位:ロジャー・メイウェザー(24才)21勝14KO2敗

ヤング・チャンピオン、チャベスの2度目の防衛戦。
レスべガスの名物アナ、チャック・ハル氏の落ち着いたコールが
心地良い(M・バッファーより この人が断然好き)。

「ベリー・ポピュラー、ロジャー“ブラック・マンバ”メイウェザー」
(地元だから御馴染みですな)、
「フリオ・セイザー・シャベス」(こう聞こえるから仕方ない。でも
このクセも好き)

メイウェザーはホープのベイズモアを痛烈にKOして世界1位に再浮上。
一方チャベスはベテランの実力者R・カスティーヨをKOして評価を上げ
ているが、まだ「試されざる王者」の風潮もあった。

第1R
ジャブで追うメイウェザーの周囲を、チャベスが ゆっくりと回る展開。
メイウェザーのシャープなジャブを巧みなパリーとヘッドスリップで躱す
チャベス。
威嚇するように得意の右を伸ばすメイウェザーだが、これにもチャベスは
反応。ロジャーのスピードにダックが やや追いつかないが、それでも堅い
オデコで滑らせる。そして右に左に細かくステップ。ガニ股ステップだが、
無駄が無い。

・・・・と言うか。
チャベスのボクシングは殆ど完成している!
22才で既に全盛と同じ動きを習得しているのだ!!(つ~か、もう全盛!
彼が凄いのは、その早熟さとピークを長く維持した持続力だ!)

ラウンド中盤、「見切った」とばかりにプレッシャーを掛けるチャベス。
もう右クロスを狙って出る(これが結構、届く)。
メイウェザーはボックスへ展開、チャベスの肩を掴んで回り、距離が
詰まったらクリンチ。分けるレフェリーはR・スティール(髪の毛あり)。

チャベスの右クロスを外したメイウェザー、右でカウンターを狙う!
それをダックするチャベス!カウンターのカウンターを狙う展開、
スリリングだ!!

ロープ伝いに動くメイウェザーを大胆に追い、強打を狙うチャベス。

第2R
引き続き挑戦者を追うチャベス。
メイウェザーはロングレンジ・キープを目論む。
ラウンド開始30秒、メイウェザー、ジャブの多用から打ち下ろしの右!
ガニ股スタンスが一瞬ヨレるチャベスだが、追撃のアッパー(これも恐い
パンチ!)はボデイワークで躱す。

再びメイウェザーの右がヒットするがチャベスは効いた素振り一つ無し。
逆に左ガードの低いメイウェザーへ肩越しの右をヒット!
左のレバーも繰り出したが、これは ややローブロー。

メイウェザーも攻められっ放しではない。
前進するチャベスを必死でイナし、真横から強烈な右ストレート!
この試合のベスト・ショットだ!

しかしチャベスは顔色ひとつ変えない。て、鉄のアゴだ!!

逆にメイウェザーのジャブに右クロス!
足クニャクニャで後退するメイウェザーに、チャベスの牛若丸パーンチ
(身体ごとピョーンと飛んで右ヒット)!
メイウェザー、ロープに引っ掛かるようにダウーン!
フリオも勢い付いて つんのめり(しかし、シッカリと膝でメイウェザーの
足首を踏んずけている!不可抗力だろうけど)、レフェリーはダウンと
判断せず。

ダメージ有り有りのメイウェザーはクリンチに出るが、チャベス構わず攻勢!
メイウェザー必死の右ストレートにチャベスの同パンチがカウンター!!
強烈なダウン!

立ち上がったメイウェザー、またもクリンチに出るが抱きが甘く、長い腕を
持て余し気味。間隙をぬったチャベスのフックで、もつれる様にダウン!

でもスティール・レフェリー、これもスリップと判定。
「大丈夫だ」と強がるメイウェザーだが、目は虚ろ。
再開後は足で躱そうとするが、左手は下がってるしピンチ用の構え全く無し。
もみ合いの中でチャベスの左ショートをダブルで貰って万事休す!

チャベス、強敵メイウェザーを制圧だ!

「フォーゥ!!」
ハッピーなヤング王者の叫びが、この試合の持つ意味合いを感じさせる。
チャベス陣営もメイウェザーを危険な相手だと目していたのだろう。

チャベス時代を確信させる、見事な防衛戦だった。
そしてR・メイウェザーの倒れっぷりもまた、見事だった。
最後はグダグダだったけど(笑)。