あるBOX(改)

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談志家元の追悼番組

2011年11月28日 | 芸能
サンジャポなどを含め
立川談志師匠の訃報を扱う番組を、一通り録画して観た

ドキュメントの再放送だったり、若い頃の演目を再放送したり

事実とは言え「老いと戦う」とか
「晩年は闘病生活」とかの映像は見ててツライ

『芝浜』で詰まる家元なんて見ててツライ・・・

若い頃の映像は
なんか、こまっしゃくれた若造が背伸びしてる感じでもある



やっぱ90年代の家元が好きだなぁ・・・
才気に年齢が追いついてきた感じ

ビートたけしは「鬼才(奇才)になっちゃった」と語っていたが
天才とは鬼才の部分を内包するもんだ

手塚治虫先生もそうだった
清く正しい物語だけ紡いだりしないのだ
「人間の業」「人間の本性」も描いていたのだ

確かに家元は鬼才成分が濃かったが、それでも作品を残した
古典落語を独自の解釈で残した作品の数々だ



晩年は息子のように可愛がった大田光に対しても
家元は「オマエラに芸なんて無いじゃねぇか!」と喝破した事もある

漫才師として「作品の残していない」って事かも知れない

『早慶戦』のように、どこもで誰の前でも何度やっても受け、作品として
完成してるネタ

そんなものはツービートにも爆笑問題にもない



死を前にして「自分の遺伝子を残すもの」として、たけしや大田を認めた感が
ある家元だが、元気な頃は(心の中で認めつつも)「あんな連中は所詮オレの
エピゴーネン」と言い放ったものだ

私は大田光の事を凄いと思うし、頑張って欲しいとも思うし
「いまさら談志師匠が凄いって、亡くなる前に言えよ」ってコメントも
痛いほど分かるが

なんか家元の死後に「家元のお墨付きを貰った」みたいに家元の事を
コメントするのも「なんだかなぁ」と思う

前にも言ったが
だって落語を選んじゃいないじゃん 
世に出る手段として落語家以外を選んだんじゃん

「家元は『自分が凄いんじゃない。落語が凄いんだ』と言ってると
思いますよ」と語られても
あんた、落語家じゃないじゃん・・・としか思えない



WOWOWのドキュメントは良かったね
立川流を取り上げていたから

立川キウイさんなんて、弟子としてズレてる感じが実に良かった

家元死亡が正式発表される前に伝わってきても認めず
「ツイッターなんて」「ウィキなんて・・・」とネット情報の真偽を
説いたが、結局はネットの情報が正しく、キウイ氏が情報から
取り残されていただけだった

情報からもズレていた

それでイイじゃないか 弟子として軸がブレててイイじゃないか
落語家としてズレててイイじゃないか ズレまくってればイイじゃんか

なんかキウイさんを応援したくなった

ズレを極めていただきたい
でも実家暮らしは卒業していただきたい
一人暮らしで貧乏して自分で下着を洗ったがイイ



結局
家元の理不尽に耐えて、家元のそばに仕えて、上納金も支払った弟子たちが
やはり家元の遺伝子の継承者ですよ
(大田だって「それは分かっているよ」と思ってるだろうが)

そりゃ強烈な遺伝子だから、ちゃんと受け継いでるかは分かりません

才人・志らくと、鼻っ柱の談春を二人足して覚醒剤を振り掛けたような
存在なのだ、家元は

凄い人だったのだ
裏・国民栄誉賞をあげてもイイくらいの人だ

いっそ「談志師匠に国民栄誉賞を!」と運動しようか

故人への最高の嫌がらせだが

憎まれっ子のくせに75年くらいであの世に行きやがった家元に
嫌がらせも一つもやってやりたいじゃないか・・・