プロボクシング【WBO世界バンタム級タイトルマッチ12回戦】
4月23日 エディオンアリーナ大阪
井岡の試合とダブル世界戦で行われたWBO世界バンタム級戦。
マーロン・タパレス(比)vs大森将平(ウォズジム)
なんともやりきれない挑戦者の敗北…。
世界初挑戦の大森将平(24才)が、勇敢にも1度痛烈に負けて
いるタパレスに挑んだのだが、返り討ちに遭ってしまった…。
しかも、タパレスのパンチでアゴを折られて試合後は病院に直行。
そのタパレスは前日の計量でリミットを900gも超過。
王座を剥奪されており、大森が勝てば新王者、敗れれば王座は空位
という試合だった。
不名誉な王座はく奪なれど、最近の選手は増量のまま試合に臨んで
勝利し、後に繋げる傾向にある。
往年の名選手チャチャイ・チオノイやルぺ・ピントールも、減量失敗で
不名誉な王座陥落を演じたが、それでもギりギリまで減量に努めて、
メロメロになりながら惨敗を喫したのだ。
今からすると、まだ「誠実」だったと言える。
ちゃんと「罰」を受けたような敗北を喫したのだから。
それからすると最近の減量失敗者の恥知らずな事よ!
フレディ・ノ-ウッドやリボリオ・ソリスは減量を諦めて体力を温存。
自分よりも軽い体重の「誠実に減量を果たした」対戦相手を打ち据えた。
黒星を喫して勢いを失うより、卑怯な勝利でキャリアを繋ごうと
いう了見。認定団体や王座の乱立による弊害。
サスペンド食らっても鞍替えすればよい。その程度の考え。
※だから、こういう選手は世界戦出場を数年間禁止しろよ!
対戦相手サイドも試合を中止して損害賠償を相手に吹っかければ
良いとも思うが、そこは興行の世界。
会場を押さえ、お客がチケット買っている以上、試合は行わざるを
得ない。
今回の試合、ウォズジムの会長は「あれでよう喜べるわ。意味が
分からん。王者の自覚がない人間に2度も負けて情けない。フェアに
戦いたかった」と怒り心頭だったという。
情けないかどうかはともなく、お怒りは当然です。
身体は大森将平の方が明らかに大きい。減量だってタパレスより
苦しい筈。
それでも契約・約束事に則って体重を作った。当然です。
それゆえ体重制競技が成り立つのだから。
同じ体重の者が戦うという「良心」が踏みにじられた。
安全管理上の問題もある。(グローブ・ハンデは?)
大森は初回から懸命に戦った。
前回の反省から打ち終わりに気を付け、ガードにも注意を払った。
先制攻撃を掛け、相手が反撃に来たら足を使い、クリンチして
打ち気をはぐらかした。
ボディを叩いてダメージを与え、連打を仕掛けて優位に立った。
明らかに第一戦より進歩を遂げている大森。
しかしタパレスも25才という年齢の割に老練、省エネの展開から
強打を振るってくる。
大森のクリンチも振り払うようになった。
優勢のはずが中盤で失速。足が動かず、中途半端な距離で正面に
立った。圧力に押されるシーンも増えた。
得意の左も切れとスピードが失せ、流れるようになった。
おかしいと思ったが、「6回ぐらいに」アゴを痛めていたという。
バッティングなどではなく、正規のパンチならば仕方ないかも
知れないが、それでも増量した体躯からのパンチ。
※試合当日、タパレスは大森より4kgも重かったそうだ。
10回に左アッパーでグラつかされた大森は、連打を受けてダウン。
このダメージは大きく、立っても追撃に晒される。
ここはラウンド終了ゴングに救われた大森だったが、11回開始直後
タパレスのラッシュに遭って万事休す。
初の世界戦、結果は無念のTKO負け。口を開けたままコーナーの
スツールに座り、控室でもインタビューに応じられず。
右のアゴを折られ、右の奥歯は試合後に抜いたという。
昨年の大晦日に挑むはずだった試合は、王者ハスキンスの負傷で中止。
今回実現した世界戦は相性が良いとは思えないタパロスが相手。
パンチの距離やタイミングが似通った危険な選手。
※相打ちになった場合は身体が固い大森の方が効いてしまう可能性大。
相性克服の為の練習を重ねた事が充分に分かる試合だったが、それでも
届かない、報われない無念さ…。
敗者には「お疲れ様、今はゆっくり傷を癒して欲しい」くらいしか言葉が
見つからない。
再起を期したという大森の復活を望みたい。
4月23日 エディオンアリーナ大阪
井岡の試合とダブル世界戦で行われたWBO世界バンタム級戦。
マーロン・タパレス(比)vs大森将平(ウォズジム)
なんともやりきれない挑戦者の敗北…。
世界初挑戦の大森将平(24才)が、勇敢にも1度痛烈に負けて
いるタパレスに挑んだのだが、返り討ちに遭ってしまった…。
しかも、タパレスのパンチでアゴを折られて試合後は病院に直行。
そのタパレスは前日の計量でリミットを900gも超過。
王座を剥奪されており、大森が勝てば新王者、敗れれば王座は空位
という試合だった。
不名誉な王座はく奪なれど、最近の選手は増量のまま試合に臨んで
勝利し、後に繋げる傾向にある。
往年の名選手チャチャイ・チオノイやルぺ・ピントールも、減量失敗で
不名誉な王座陥落を演じたが、それでもギりギリまで減量に努めて、
メロメロになりながら惨敗を喫したのだ。
今からすると、まだ「誠実」だったと言える。
ちゃんと「罰」を受けたような敗北を喫したのだから。
それからすると最近の減量失敗者の恥知らずな事よ!
フレディ・ノ-ウッドやリボリオ・ソリスは減量を諦めて体力を温存。
自分よりも軽い体重の「誠実に減量を果たした」対戦相手を打ち据えた。
黒星を喫して勢いを失うより、卑怯な勝利でキャリアを繋ごうと
いう了見。認定団体や王座の乱立による弊害。
サスペンド食らっても鞍替えすればよい。その程度の考え。
※だから、こういう選手は世界戦出場を数年間禁止しろよ!
対戦相手サイドも試合を中止して損害賠償を相手に吹っかければ
良いとも思うが、そこは興行の世界。
会場を押さえ、お客がチケット買っている以上、試合は行わざるを
得ない。
今回の試合、ウォズジムの会長は「あれでよう喜べるわ。意味が
分からん。王者の自覚がない人間に2度も負けて情けない。フェアに
戦いたかった」と怒り心頭だったという。
情けないかどうかはともなく、お怒りは当然です。
身体は大森将平の方が明らかに大きい。減量だってタパレスより
苦しい筈。
それでも契約・約束事に則って体重を作った。当然です。
それゆえ体重制競技が成り立つのだから。
同じ体重の者が戦うという「良心」が踏みにじられた。
安全管理上の問題もある。(グローブ・ハンデは?)
大森は初回から懸命に戦った。
前回の反省から打ち終わりに気を付け、ガードにも注意を払った。
先制攻撃を掛け、相手が反撃に来たら足を使い、クリンチして
打ち気をはぐらかした。
ボディを叩いてダメージを与え、連打を仕掛けて優位に立った。
明らかに第一戦より進歩を遂げている大森。
しかしタパレスも25才という年齢の割に老練、省エネの展開から
強打を振るってくる。
大森のクリンチも振り払うようになった。
優勢のはずが中盤で失速。足が動かず、中途半端な距離で正面に
立った。圧力に押されるシーンも増えた。
得意の左も切れとスピードが失せ、流れるようになった。
おかしいと思ったが、「6回ぐらいに」アゴを痛めていたという。
バッティングなどではなく、正規のパンチならば仕方ないかも
知れないが、それでも増量した体躯からのパンチ。
※試合当日、タパレスは大森より4kgも重かったそうだ。
10回に左アッパーでグラつかされた大森は、連打を受けてダウン。
このダメージは大きく、立っても追撃に晒される。
ここはラウンド終了ゴングに救われた大森だったが、11回開始直後
タパレスのラッシュに遭って万事休す。
初の世界戦、結果は無念のTKO負け。口を開けたままコーナーの
スツールに座り、控室でもインタビューに応じられず。
右のアゴを折られ、右の奥歯は試合後に抜いたという。
昨年の大晦日に挑むはずだった試合は、王者ハスキンスの負傷で中止。
今回実現した世界戦は相性が良いとは思えないタパロスが相手。
パンチの距離やタイミングが似通った危険な選手。
※相打ちになった場合は身体が固い大森の方が効いてしまう可能性大。
相性克服の為の練習を重ねた事が充分に分かる試合だったが、それでも
届かない、報われない無念さ…。
敗者には「お疲れ様、今はゆっくり傷を癒して欲しい」くらいしか言葉が
見つからない。
再起を期したという大森の復活を望みたい。