じゃ、僕の話をします。

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スターマン

2011-02-04 | バー
札幌二条市場のれん横丁にあるバー。

恐らく…

札幌でも非常に個性的なバーではないかと。

いきなり、一見で一人で入るにはかなりの勇気を必要とします。

カウンター六席のみ。

BGMにはマスター厳選の音楽が。普通のジャズなんてかかりません。坂本龍一なんかがふいにかかったりします。

この店の中だけ、周りとは違う時間が流れています。

バーと言うか、正確には「ウイスキー酒場」です。

基本、ウイスキーを楽しむための店。

「酒場」なのです。あくまでも。

この店に流れる時間、独特な雰囲気は、ウイスキーを楽しむためのあらゆる要素を揃えた結果だったりします。

世界で二百数本しか存在しないウイスキー、なんてものが普通に出てきます。

写真の左側は、世界の免税店でしか取り扱ってないマッカラン。真ん中は、数十年前にブレンド用にアメリカから輸入された、素性のよくわからない原酒を改めて樽詰したウイスキー。右端はブレンデッドながら60度、と言う代物。オジサンが踊ってるラベルが印象的。

逆にこの店で普通のウイスキーを見つける方が難しい。あ、スーパーニッカはあるか。

レアなウイスキーなどは、どうしても単価は高くなってしまいますが、提供する量を調整して一杯二千円いかないくらいの値段で出してくれるのもありがたい。

ここでは、ウイスキーの知識がなくても平気です。ざっくりと自分の味の好みを伝えて、後はマスターに全てを委ねましょう。それだけで美味しい一杯のウイスキーとの出会いが約束されます。

マスターも個性的な方です。話してみるとかなり印象は変わると思いますが。話せばゆっくり聞いてくれるし、黙ってグラスを傾けたいなら、そのひとときを大切に見守ってくれます。全ては、ウイスキーを楽しんでもらいたいという、ただその思いだけが伝わってきます。

女性が一人で訪れて、マスターと会話しながら静かにウイスキーを楽しんでる、なんて場面もよく見かけますね。

ここは大人が静かにウイスキーを味わう場所。

酔って大騒ぎするような客は来ないし、マスターも入れません。

願わくは、老舗になっていただきたい。

ウイスキーと同じように、のれん横丁の片隅でゆっくり熟成していただきたい。

数十年後に、そんな店の雰囲気に包まれて最高のウイスキーを味わいたい。

なんてことを考えてます。