とても楽しい事がありましたので。
三時過ぎにちょっと出かけました。所用をすませ、昨日の「甘納豆のお赤飯」が美味しかったのを思い出し、無理を承知で足を延ばしました。
坂道を登り切り昨日の写真にありましたカフェを眺めました。店の前の空間に昨日のような様子はありません。
駐車スペースに椅子が出ており、そこに「甘納豆のお赤飯完売しました。また来年お待ちしております」とありました。また階段の手すりのお赤飯のポスターも赤い「完売」の文字が。
そのまま帰ろうと思いましたが、なんとなく惜しい気がして、階段を上がりカフェの扉をあけました。
かなり広い店で、カウンターの中に年配の女性と、中年の女性そして昨日の女子高生がいました。
『昨日、お赤飯を購入したものですが、もう完売ですか?』
『そうなんです』と年配の女性が答えました。
『とてもおいしかったので、売り切れかとも思ったのですが来てみました』
『ありがとうございます、いつもお昼には売り切れてしまうんです』
『そうですよね、昨日も十一時頃であと十数個でしたから。甘納豆の甘さがいいですね。それにごま塩の加減もいいです』
『北海道にいたころよく母親が作ってくれたんです。四年くらい前から売らして頂いているのですが、とても好評なんです』
『来年また、と書いてありましたが、桜が来年いつ咲くか分りませんよね』
『桜祭りに合わせているんです』
『それで昨日と今日だったんですね』
そんなことをいろいろお話していますと、年配の女性が
『お客さん実は特別に、内内で明日、少し作るのですが、お分けしましょうか?』
と言ってくれました。
『お願いできますか、1個。お赤飯はチンしても大丈夫ですか?』と尋ねますと、中年の女性が
『とてもおいしく頂けますよ、それに冷凍もできますから、来年まで食べられませんから』
『と言う事は、もう一つ追加ですね』
一段落したところで年配の女性が、
『お客さん、一軒家の枝垂桜はご覧になりました?』
『いいえ、近くですか?』
『街道を左に曲がってテクニカの店のわきの道を上るとすぐですよ、それに一般公開していますから』
『それでは明日早目に撮影に出かけ、昼前に店に寄ります』
と話を終えました。
店を出るとき『最近はこんなちゃんとした喫茶店に行かなくなってしまいました、ドトールばかりです』
店は笑いに包まれました。
『これを機会に、美味しいコーヒーを飲みに来てください』の声を背中に受けて店を出ました。
三人の女性はひょっとすると親子三代かもしれません。
なにか、新しい人の輪が始まる予感がしてうれしくなったのです。
外は夕方、少し寒い風が吹いていました。
三時過ぎにちょっと出かけました。所用をすませ、昨日の「甘納豆のお赤飯」が美味しかったのを思い出し、無理を承知で足を延ばしました。
坂道を登り切り昨日の写真にありましたカフェを眺めました。店の前の空間に昨日のような様子はありません。
駐車スペースに椅子が出ており、そこに「甘納豆のお赤飯完売しました。また来年お待ちしております」とありました。また階段の手すりのお赤飯のポスターも赤い「完売」の文字が。
そのまま帰ろうと思いましたが、なんとなく惜しい気がして、階段を上がりカフェの扉をあけました。
かなり広い店で、カウンターの中に年配の女性と、中年の女性そして昨日の女子高生がいました。
『昨日、お赤飯を購入したものですが、もう完売ですか?』
『そうなんです』と年配の女性が答えました。
『とてもおいしかったので、売り切れかとも思ったのですが来てみました』
『ありがとうございます、いつもお昼には売り切れてしまうんです』
『そうですよね、昨日も十一時頃であと十数個でしたから。甘納豆の甘さがいいですね。それにごま塩の加減もいいです』
『北海道にいたころよく母親が作ってくれたんです。四年くらい前から売らして頂いているのですが、とても好評なんです』
『来年また、と書いてありましたが、桜が来年いつ咲くか分りませんよね』
『桜祭りに合わせているんです』
『それで昨日と今日だったんですね』
そんなことをいろいろお話していますと、年配の女性が
『お客さん実は特別に、内内で明日、少し作るのですが、お分けしましょうか?』
と言ってくれました。
『お願いできますか、1個。お赤飯はチンしても大丈夫ですか?』と尋ねますと、中年の女性が
『とてもおいしく頂けますよ、それに冷凍もできますから、来年まで食べられませんから』
『と言う事は、もう一つ追加ですね』
一段落したところで年配の女性が、
『お客さん、一軒家の枝垂桜はご覧になりました?』
『いいえ、近くですか?』
『街道を左に曲がってテクニカの店のわきの道を上るとすぐですよ、それに一般公開していますから』
『それでは明日早目に撮影に出かけ、昼前に店に寄ります』
と話を終えました。
店を出るとき『最近はこんなちゃんとした喫茶店に行かなくなってしまいました、ドトールばかりです』
店は笑いに包まれました。
『これを機会に、美味しいコーヒーを飲みに来てください』の声を背中に受けて店を出ました。
三人の女性はひょっとすると親子三代かもしれません。
なにか、新しい人の輪が始まる予感がしてうれしくなったのです。
外は夕方、少し寒い風が吹いていました。